中学生・高校生における自学自習の基本③教材を揃える

今日は中学生・高校生における自学自習の基本③として「教材を揃える」について書きます。

結論としては、
・時間は有限なので、最短の時間で最も高くレベルアップできる道を描く必要があることを認識する。
・世の中にどんな教材(問題集・参考書)があるかをそもそも知る。
・「到達したいレベル」と「今の自分のレベル」を繋ぐ、「必要十分な」教材を揃える。
・選んだ問題集は「必要なレベルの問題をすべて自力で解ける」までやり込む。不必要に新しい問題集に手を出さないこと。
です。


・時間は有限なので、最短の時間で最も高くレベルアップできる道を描く必要があることを認識する。

これ、受験生にとっては当たり前かもしれませんが、中1中2・高1高2で意識できている中高生はあまりいないのでは無いかと危惧しています。

当たり前ですが、人には1日24時間しか与えられていません。
「時間の使い方」については別の機会に書きますが、24時間を出来るだけ効率よく使う意識は必須です。

同じ様なレベルの問題集や通信教材をやって、勉強時間は長いのに、結局テストの点はいまいち。
そんな方は、まずは「教材の選び方」から見直す必要があります。
同じレベルの問題を解き続けても、あなたの脳はあまり成長しません。
新しい知識や考え方を身につけることが「本来の勉強」ですが、同じ様な問題を解いてばかりだと、身につきません。

勉強は「机に向かえばいい」「問題を解けばいい」というものではありません。
成長してこそ勉強です。
成長スピードは、「何をやるか」に大きく依存します。
せっかく、遊びやスマホを我慢して勉強するのですから、出来るだけ短い時間で、最大限成長することを意識しましょう。
そうすると、「長時間勉強しているのに成績が上がらない状態」から「短時間の勉強で成績が上がる状態」になります。
そんな「教材」を探しましょう。


・世の中にどんな教材(問題集・参考書)があるかをそもそも知る。

では、どんな教材を選べばいいのか。
最初にお伝えしたいのは、「知らないことは選べない」という、重要な事実です。

あなたにとって「10時間の勉強で点数が30点上がる教材」と「10時間の勉強で点数が3点しか上がらない教材」が有った場合、当然前者を選びたいですよね。
しかし、多くの人が無意識に後者を選び、時間を費やしています。
なぜならば、前者の存在を「知らない」からです。

今の時代、Amazonで検索すればいくらでも良い教材を買えますし、ネットで検索すれば現役東大生がおすすめする教材なんかも沢山出てきます。
しかし、多くの人が「調べる」という行為をせず、たまたま手に入れた情報や目の前の選択肢だけを元に教材を選びます。

もったいないです。機会損失が大きすぎます。

まずは「自分が知らない選択肢が、世の中にはあるんだ」と認識してください。
そして「知ること」を徹底してください。


・「到達したいレベル」と「今の自分のレベル」を繋ぐ、「必要十分な」教材を揃える。

「知る」作業をして、選択肢を一通り揃えたら、次は何をするか。
レビューが高いものを買いたくなるかも知れません。

ちょっと待ってください。
「レビューを投稿した人にとっての良い教材」と、「あなたにとっての良い教材」は違います。
欲しいのは後者です。
後者を選ぶためには、「自分には何が必要か」という基準を設定する必要があります。
基準がなければ、選択ができません。

では、どうやって「基準」を見つけるか。

まずは、「到達したいレベル」を明確にします。
東大を目指すならば、東大の過去問や、過去の東大模試を集めた問題集、或いは東大レベルと言われる問題集をリストアップします。
教材を解説している記事やレビューを調べることで明確になるでしょう。

次に、「今の自分のレベル」を明確にします。
教科書ワークかもしれません。
もう少し難しいレベルかもしれません。

そして、「到達したいレベル」と「今の自分のレベル」との距離を測ります。
例えば、今の自分のレベルが教科書ワークレベルだった場合、東大の過去問だけを用意したところで、「わからないことしかない」状態になり、なかなか解ける様になりません。
いきなり5mジャンプしろと言われても無理です。

距離をなんとなく測れたら、「到達したいレベル」と「今の自分のレベル」を上手い具合に埋めてくれる、滑らかに繋いでくれる、丁度いいステップになる難易度の教材を探します。
これも、教材を解説している記事やレビューを調べることでおおよそわかります。
ちなみに、私が東大受験生の頃は、数学では「青チャート」でした。
ステップとなる教材は、1冊とは限りません。
「到達したいレベル」までの距離が遠い場合は、2冊になることもあるでしょう。
ただし、多過ぎると、時間が足りなくなります。すべて中途半端になりかねません。
できれば1,2冊にしておきたいところです。

このプロセスを経ることで、
・今の自分に合った問題集
・今のレベルから滑らかにレベルアップできる問題集
・到達したいレベルの問題集
がリストアップ出来たことになります。

リストアップ出来たら、「本当にこれで必要十分か?」を考えましょう。
難しすぎるのではないか、簡単すぎるのではないか、量は十分か等、疑いの目でリストを見て、必要に応じて変更しましょう。

リストアップした教材を販売している本屋さんが近所にあるならば、実際に内容をパラパラ眺め、確認しましょう。
そして、買いましょう。

もし、事前に内容を眺めることができない状態でAmazon等で買った場合は、届き次第、「本当に大丈夫かな?」と確認しましょう。
問題集なんて1000~2000円程度の安いもんです。
「せっかく買ったんだから」という理由で何十時間も無駄に使い、効率的な学力向上を阻害するよりは、勇気を出して「ベストな教材」を新しく買いましょう。



・選んだ問題集は「必要なレベルの問題をすべて自力で解ける」までやり込む。不必要に新しい問題集に手を出さないこと。

よく言われることですが、大事です。
問題集は、「解けた!」「解けなかった!」で終わると、価値が激減します。
解けなかった問題に対して「なぜ解けなかったのか」「自分に足りなかった知識や発想は何か」を考え、調べ、潰していくことで脳を成長させ、「自力で解ける様にする」「応用した問題も解ける様にする」ことが大切です。
そのプロセスを経ないまま、一周解いたから次の問題集に行く、という行為は非常にマズいです。
基本的に、全ての問題を自力で解ける様になる=その問題集から学べることはもう無いと思えるまで、やり込みましょう。
たくさんの問題に手を出すよりも、遥かに効率的です。
もちろん、簡単すぎると思える問題やページは飛ばしても構いません。時間の無駄ですから。



ということで、「教材を揃える」について書きました。

根底にある考え方は「どうすれば時間効率が最大化されるか」「どうすれば勉強の『密度』が最も高くなるか」ということです。

是非、お考えになってみてください!

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