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忽那諸島・中島 仮暮らし日記

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関東での生活を休止し、忽那諸島・中島にて、1年間限定で生活を始めた島暮らし初心者による日誌です。農音の活動はもちろん、島で生きるなかで見つけたおもしろいこと、不思議なこと、美しい… もっと読む
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みかんの木はメエともモオとも言わない

少し間があいてしまいましたが、その後も無事に中島で暮らしています。ムミです。10日ほど前のことになってしまいますが、10月13日、忽那諸島・中島で暮らし始めて1ヶ月目の日の日記です。 10月の上旬から、中島でずっとみかんづくりをされてきている土井さんという方の畑のお手伝いへ行くようになりました。 土井さんは、20年ほど前から個人で土井果樹園というWebページを運営されていて、そこでご自身が作られたみかんを販売されています。土井さんのみかんは農音のくつな商店ではまだ取り扱わ

みかんの荷造り

10月6日、忽那諸島・中島で暮らし始めて24日目でした。 中島では極早生のみかんの畑のみかんが色づいてきていて、柑橘の季節が訪れはじめていることを感じます。 今日は、農音で販売している定期便のための選果と箱詰めの作業を行いました。 10月の定期便は極早生の温州みかんとすだちです。 発送のために段ボールを組み立てて、みかんを一つ一つ目視で確認しながら箱詰めしていきます。ある農家さんはこの箱詰めのことを「荷造り」とおっしゃっていました。みかんと旅に出るみたいで、かわいいなと

津和地島おさんぽ

忽那諸島・中島に暮らし始めて22日目の10月4日、今日は中島を離れて、島を訪れてくださったお客さんと、津和地島をめぐりました。 津和地島は、中島の隣の隣の島で、同じ忽那諸島に属していますが、広島県の江田島・倉橋島や、かの宮本常一の生地である山口県の周防大島・情島と隣り合っている県境の島です。2021年の4月の時点で、人口が260名程度、65歳以上の人口が196名の高齢化率75%の島だそうです。 同じ忽那諸島とはいえ、集落の雰囲気や民家の造りが中島とは大きく異なります。なぜ

おみどりとお参り

10月3日、忽那諸島に暮らし始めて21日目、3週間が経ちました。 昨日、私が住んでいる地区では「おみどり」という秋祭りの前夜に行う神事がありました。 昨日のおみどりを見ることはできなかったのですが、今日の秋祭りに際して、神社のお参りへ行きました。今年は新型コロナウイルスの影響で、秋祭りとはいえ神輿曳きは行われず、神事のみで、地域の方々が好きな時にお参りに行くという形となっていました。 私も早速、ちょうど島を訪れて下さったお客さんと、朝から神社へ行ってみました。地域のおば

お行儀のいいイノシシと天の川

9月29日、忽那諸島・中島で暮らし始めて17日目でした。まだ遠くにいるはずの台風16号の影響なのか、じめじめとした1日でした。 今日も引き続き、森さんの畑へ援農へ行きました。南柑(温州みかん)の畑の摘果を行いました。山の上から下へ、一本一本剪定をしながら摘果をしながら進んでいきます。畑の場所の影響なのか、風がなく、でも日差しは強く、じめじめとして、作業をしていると汗が吹き出します。 作業をしていると、森さんが「ここ、イノシシが来とるね」とおっしゃって、見に行って見ると、み

みかんモノレール

忽那諸島・中島にて暮らし始めて14日目の9月26日、朝から曇り空でした。太陽が出ていないと、少し肌寒いくらいかも、と感じる朝でした。今日は日曜日ですが、10月・11月からの収穫シーズンを前に、日曜日も朝早くから作業をされる農家さんもいます。 今日も、引き続き森さんの畑のお手伝いだったのですが、今日は初めて、モノラック(みかん畑にあるモノレール)に乗り、山の上のほうにある畑に摘果にいきました。 ※モノラックは中島に限らず広くみかん畑で利用されており、荷物やみかんを運ぶ際に人も

せとか畑のすみでおはぎを食べる

忽那諸島・中島で暮らし始めて12日目の9月24日、今日も引き続き援農へ行きました。農作業が続いていて、流石に疲れが溜まってきたような気もするのですが、島の方々が朝早くから畑で働いているところを見ていると、がんばらないと、と思います。 今日は一日、森さんのせとか畑にて、夏秋梢を切っていく作業と摘果を行いました。みかんの木が大きくなると、生えてくる夏秋梢も多く、芽の根本の茎も立派になっていくので、芽切り鋏を握る手が痛くなってしまいます。 山の麓のほうにある森さんのせとか畑には

100年前のみかん山

9月22日、忽那諸島・中島に暮らし始めて10日目でした。道端に彼岸花が咲きました。今日は朝から曇り空だなと思っていたら、9時頃から突然大雨が降り始め、1時間ぐらいするとあっという間に止みました。そのあとは蒸し蒸しと暑い1日になりました。 午前中は農音の事務所で作業をしました。ついついおしゃべりに花が咲いてしまいます。お昼にあゆみさんがすだちのお素麺を作ってくださいました。すだちの青々とした香りがとても美味しかったです。 午後からは引き続き、森さんの畑のお手伝いに。ただ、今

みかんの予防と消費と

忽那諸島・中島に暮らし始めて9日目の9月21日、5時半に海辺にいる青い美しい鳥の鳴き声で目が覚めました。たまにお家の目の前の防波堤に飛んできては、綺麗な歌声を聞かせてくれるあの青い鳥の名前は何だろう?イソヒヨドリじゃないかな、と思うのですが。 今日も森さんご夫婦の畑のお手伝いに行きました。 7日目の日誌にも書いた、わたしと同い年の伊予柑・甘平の木が植っている畑の摘果の続きをしました。 このあいだ、だいぶもいだかなと思っていたのですが、改めてみかんの木を見てみるとまだまだた

みかんのオモテとウラ

忽那諸島・中島に暮らし始めて1週間経ちました。9月20日、朝から太陽が眩しい1日でした。今日は朝から、昨日に引き続いて森さんご夫婦のみかん畑のお手伝いに伺いました。 午前中は、昨日の畑とは違う場所にある、温州早生みかんの畑に行き、マルチシートを敷く作業のお手伝いをさせていただきました。 マルチシートを木の根元に敷いておくとで、みかんがより甘く美味しくなるんだそうで、この手間を加えることでより高い値段で出荷することができるようになるんだとか。 温州みかんの木は比較的背が低めで

同い年のみかんの木と出会う

忽那諸島・中島で暮らし始めて6日目の9月18日。台風14号が過ぎ去って、日差しの厳しい1日のはじまりでした。ここのところ曇りがちだったのですが、打って変わって、空も海も真っ青の朝でした。 今日は、農音の事業の一つである援農(人手を必要とする農家さんのお手伝い)として、森さんご夫妻(仮名)の畑のお手伝いへ行きました。初めての農家さんのお手伝いで、ドキドキしましたが、ご夫婦が温かく迎えてくださいました。 山の比較的上のほうにある、みかん畑に摘果の作業に行きました。 昨日の台風

みかんと台風

忽那諸島・中島に暮らし始めて5日目の9月17日、朝6時前にカモメたちの声で目が覚めます。カーテンを引いてみると、日の出が間もない薄青のやわらかい光がすりガラスの向こうに透けて見えました。 今日の晩から台風14号が上陸するかもしれない中島ですが、午前中は雨が降ったり止んだり、時折晴れ間が出たりと忙しないお天気でした。 私は中島で暮らし始めて初めての台風なので、少し心配です。いつもは凪いでいて穏やかな海が、どんな風に変わってしまうのか、あまり想像もできません。 島の人びとの

島の野菜を通じたやりとり

忽那諸島・中島で暮らし始めて4日目、今日は朝からカモメ達が元気に鳴いていました。明後日から台風が来るみたいですが、カモメたちは無事に過ごせるのかな。 新しく住み始めたお家は海が目の前で、防波堤のむこうから時おり波の音が聞こえてきます。 その音を聞いていて、ふと、数年前まで阪急電車の線路の真横に住んでいたことを思い出しました。線路脇のお家で暮らし始めたときは、線路を電車が通るたびに、その音で眠りから目が覚めたり、気になったり、始発の電車に乗っている人たちのことを想像したりし

美味しいみかんのために:いのししと摘果

忽那諸島・中島で暮らし始めて3日目です。 昨日に続き雨が降っていて、遠くに見える釣島や興居島が鉛色に染まっています。 新しく住み始めたお家の目のまえにある防波堤にはカモメが群れで座っていることが多く、時おり賑やかに鳴いているのですが、今日はいません。雨の日はどこで休んでいるんだろう。 お昼前から農音事務所で代表の田中さん、あゆみさんと打ち合わせ兼おしゃべりをしました。 初めての島暮らしで、これからの生活について昨晩突然不安になってしまったのですが、あゆみさんが聞いてくださっ