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同い年のみかんの木と出会う

忽那諸島・中島で暮らし始めて6日目の9月18日。台風14号が過ぎ去って、日差しの厳しい1日のはじまりでした。ここのところ曇りがちだったのですが、打って変わって、空も海も真っ青の朝でした。

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今日は、農音の事業の一つである援農(人手を必要とする農家さんのお手伝い)として、森さんご夫妻(仮名)の畑のお手伝いへ行きました。初めての農家さんのお手伝いで、ドキドキしましたが、ご夫婦が温かく迎えてくださいました。

山の比較的上のほうにある、みかん畑に摘果の作業に行きました。
昨日の台風で降ったたくさんの雨で地面が柔らかくなっていて、斜面の上のほうにある木のみかんをもごうとする時に、少し油断すると斜面が崩れて足をとられて転んでしまいます。私は慣れていないこともあってか、何度かマンガのように滑って転んでしまいました。幸い、雨で地面がやわらかく、あまり痛くはなかったのですが、それでも転んだのなんていつぶりかな?と思わず自分でも笑ってしまいました。

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みかんの木と木の間を潜り、かき分けながら、小さな実や、傷ができてしまっている実を落としていく。かがんだり背伸びをしたりで、身体をたくさん使います。9月の後半といっても、正午付近は日差しが厳しく、作業をしていると汗が滲みます。そんな中でも、山の上のほうにある畑からは、ふとした瞬間に瀬戸内海の景色が目に入って、その美しさにはっとさせられます。

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作業のあいまに、畑のすみでお茶とお菓子をいただきながら休憩をしました。休憩中には、三人でおしゃべりをしました。

今日摘果をした畑は、伊予柑の木に甘平を接木している木の畑で、木によっては伊予柑と甘平の両方が一つの木になっているんだそうです。接木した木から色々な種類のみかんが採れるなんて知らなかったので、植物っておもしろいなあ、と感じました。

ふと、「この木は何年ぐらいの木なんですか?」とお聞きしたところ、森さんから、「ムミちゃんと同い年ぐらいの木やなあ」とのお返事が。

昨日の日誌にも書いた、平成3年の台風で、海の潮がみかん畑に降り注ぎ木がたくさん枯れてしまったという被害が、森さんのこの畑にも及んだんだそうです。
その際に、もともとあった伊予柑の木に、甘平の木を接木して、今に至るんだそう。

私が生まれたのと同じくらいの時から毎年ずっと、森さんご夫婦がお手入れやお世話をして、木は毎年美味しいみかんを育んできたんだなあと思うと、森さんご夫婦にも、みかんの木にも、そして時間の蓄積にも、畏敬の気持ちを抱かずにはいられませんでした。

このほかにもお仕事をしながらたくさん興味深いお話しを聞かせていただきました。みかん初心者・島初心者の私にもかかわらず、お手伝いをさせてくださった森さんご夫婦、ありがとうございました。

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帰り道に見えたお月さま、とってもきれいでした。もう少しで満月かな。

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