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「世界でいちばん幸せな男」を読んで「世界でいちばん幸せ」になりたい

はじめに

「世界でいちばん幸せな男」という本を読んだ。この本はアウシュビッツ収容所の生存者であるエディージェイク氏のそこでの過酷な体験と、幸福な人生を歩んでいくための哲学を記した本である。

アウシュビッツの壮絶な体験

悲劇の始まりは水晶の夜(クリスタルナハト)と呼ばれる出来事から始まった。それは一夜にしてナチス軍や近隣住民の手によってユダヤ人は半殺しにされ所有する財産が奪われ、破壊された。
そこからユダヤ人はアウシュビッツを筆頭とした各収容所に送られるようになる。そこでの様子は想像を超えるほどの過酷さで、ユダヤ人というだけで強制的に労働を強いられ、ナチス兵から憂さ晴らしで突然殴られたり、仕事の往復中につまづいて転んだだけでもその場で射殺されたりするなど理不尽極まりない仕打ちを受けていた。(他にも想像を超える残酷な行為が描かれていた)
エディ氏はその体験を通して家族、所有物、人への信頼全てを失ってしまう。

過酷な状況での唯一の希望

そんな家畜以下とも思えるよな生活の中でも、エディは生き続けた。あのような状況に追い込まれて生きる希望をかろうじて保てたのは、収容所で友人となったクルトの存在である。収容所ではお互いを励ましながら労働に耐え、明日も生きているとクルトに会えると思うことがエディ氏の最後の生きる希望となっていた。
収容所は生きていく上での何もかもが足りない環境。そんな状況でさえも希望を見出せるとしたら人との関係中だけしかないかもしれない。たった1人の友人がいるだけでも世界は新たば意味をもつ。

本を読んで「世界でいちばん幸せ」を実践してみた

本書を読むまでは「世界でいちばん幸せ」とあるのでエディ氏独自の斬新な幸せにになる方法があるのかと思ってしまっていた。しかし、答えは単純で

「いま生きているだれもが幸運だ。ひと呼吸ひと呼吸が贈り物だ。人生は美しいものにしようと思えば、美しいものになる。幸せはあなたの手のなかにある。」


という至極シンプルなものであった。
自分の見ているもの、周りの人達が、ある(いる)ことそのものが美しいのだ。その人たちとの世界一深い関係を築く。自分から見た世界一美しい景色に気づく。「オンリーワン」という意味合いに近いかもしれないが、その感覚が「世界でいちばん幸せ」に通ずるものだと思う。
その本を読んでから、一息ついて周りに意識を向けると、友人と話をした夜の公園、秋の高い空と白い雲、公園の落ち葉達。こんなにも美しさや幸福に満ち溢れている。
そして家にいる時に、 TVもついていない部屋で妻に面と向かって「愛しているよ」と突然伝えた。妻の口角が少し上がった後、「愛しているよ。」と呟いた。静かだった。
エディの言っていた「世界でいちばん幸せ」がちょっと分かった気がした。

こんなにも自分の周りには美しさや喜びに満ち溢れているとは思わなかった。
これらを感じているのは世界に1人しかいない自分。つまり誰もが独自の幸せを持ち、飛躍すれば「世界でいちばん幸せ」になりうるのではないか。
ノイズが溢れる世の中だからこそ、一度立ち止まり今自分だけが覗ける美しい瞬間に立ち合いたい。

本の一片だけをピックアップして感想として書いたので、まだまだ学べる箇所が多いと思割れる。気になった方は是非ご一読を。

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