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てごねパンで気がついたこと

手捏ねで我流のパン作りを始めて、
はや2年が経ちます。

その間、気がついたことがあるので、ちょっと書いてみようと思います。

以前から、パンは体に良いのか、悪いのか、という疑問が以前ありました。

実際にパン作りをして、今となってはパンは体に悪いものとは思えません。

そうでなければ、結構な頻度でパン作りをすることもなかったと思います。

(体に合わない場合、体調がすぐれないなどはすぐに気がつきます。)



グルテンフリーなんて言葉も聞きます。

パンを食べる人間が病気ばかりで、頭も良くないのか?

と疑問を投げかけてみれば、
決してそんなことはありません。

パンの歴史も相当古く、一万年以上前から、パンが作られていたと言われています。

ソクラテス、プラトンを初め、古代の偉人もパンは食べていたはずです。

昔のものと今のパンが
違うのは想像できますが、

現在、パリのソルボンヌ大学の頭のいい
学生が食べているのは、
おそらく普通のバゲットパン(フランスパン)のようなものだと思います。

とは言っても、パン食で体調を崩された方、
不調の方も多々おられるようです。

パンの危険性を訴えた本もたくさん出ていますね。

いろんな意見はあると思いますが、
結論から言って、パンを選び、
よく噛んで食べることができれば
問題ないと思いました。

(体質等は除外して考えています。合わない場合は、パンをやめるのがベストです。)

特に自分で材料を選び、手作りすれば、
むしろ頭も働いて良いと実感しています。

というのも、材料選びからして、
どこの誰が、どんな製法で製粉しているのか、
どう材料等を
組み合わせて作っていくといいのか、
永遠と答えのないパン作りが続きます。

これが結構ハマってしまいます。

たとえば、私の場合ですが、

酵母の種類、
ビールで仕込む、
水の種類をえらぶ
手作り酵素ジュースを使う、
松葉サイダーを使う、
自家製の米ぬかを少し入れてみる、

などいろんな案が出てきます。

私は、柔らかくて真っ白なパンよりも、
どっしりした、重いハード系のパンが好きです。(あまり売ってないような気がします。)
噛み締めて味わい、美味しいと思う性格です。

また、機械に任せるよりも、体を使ってすることが好きです。
粉の色や触感、香りなどを感じたい。

その流れで、パンは
手ごねで作るようになりました。

粉から手に伝わってくるもの、
触り心地、
水分、
風味、色などを
感じとるだけで何か元気になってきます。

今は我流ですが、
初めは適当なレシピ本を参考にしました。

ただ、あるとき、パンの学校の老舗、
コルドンブルーの本や動画を参考にしてみました。

コルドンブルーのパンの作り方を見て、衝撃的な事実がわかりました。

砂糖もバターも使っていなかったことです。
素材も日本のレシピとは違います。

ヨーロッパのパンと日本の一般的な食パンは全くの別物なんだな、ということに気がつきました。

また、コルドンブルーでは、
グルテンを極力作り出さないような
作り方でした。

パンを作る時は決して力を入れてこねない。
(グルテンを出さないようにするらしいです。)

砂糖、バター、グルテンだけでも、
一般的なパンのイメージから離れます。

柔らかいパンで思い出すことがあります。

以前、歯医者さんに通っていた時、
診察時間の変更があり、
近辺のコーヒー屋さんに立ち寄りました。

コーヒーだけ注文したのですが、
ありがたいことに、食パントーストが
サービスで出てきました。

さて、せっかくだし食べたい、
でも歯医者さんに行くから、
どこかで歯を磨こう、
と考えました。

実際にパンを食べたところ、
口の中に入れたら、しばらくして溶けていました。

歯に残ることもありません。
つまり、歯を磨くまでもありません。

口の中でとろける食パンでした。

なるほど、これだとパンを噛んで食べることもない。

噛まない、唾液が出ない、頭も働かない、
色々と悪い影響を想像できます。

良く噛んでたべましょう、と言われても、
溶けてしまうなら、実際は難しいと思います。


柔らかくて、ほとんど噛まないで
食べられる。

しかも、甘くておいしい。

企業戦略としても、多くの人に
いかに快感を感じさせるか、が重要になってるからでしょうか。

噛むことが大事なのは、多くの人が分かっていてもできないことです。

健康よりも、柔らかくて甘いを優先させる。

たくさん買わせ、食べさせる、
売られている時点で、
多くのパンが商品化しているわけだから
かもしれません。


もちろん、大量の砂糖や
栽培歴など不明の材料も考えられますが、
噛まない食事が大きな問題の一つだと私は考えています。

何気に色々と配合等かえてパンを作っていますが、自分作るものは、
噛まないと食べられません。

いかに噛んで食事をするか、一つの課題です。

そこで、おいしい、でも噛まないと食べられない食事を作っていく。

これで噛まない、は解決できると思うようになりました。

パンを買うにしても、
なるべく噛めそうなもの、
何かこだわりを感じるもの、
硬そうなものを選ぶと良いと思います。
(原材料は信頼できるパン屋さんに任せるしかありません。)

パンはお菓子だ、と割り切って
パンをいただくにしても、
なるべく噛んで食べたいものです。

甘い、柔らかい、白くてきれい、
食べやすい、と言った今、
よく売れているものじゃなくて、

黒く、
甘くない、硬い、など真逆の視点で選ぶのもありかと思います。

時代とは逆行したような、昔のしょっぱい梅干しを選ぶかのように。

でも、なんだかんだ言って、
手間を惜しまず、

楽しみながら、健康で美味しそうなものを
作っていくのが
ベストだと思います。

美味しく、体に良い、
てごねパン作りの永遠の課題です。

ライ麦粉をベースに自家製赤しそユカリ、米ぬかなどいろいろ入ってます。毎回配合はかえます。
京料理や和菓子で裏漉しやふるいにかけることは重要。粉も同じです。
発酵は24-36時間、気温次第で増減します。
古いガスオーブンですが、火力のおかげで美味しく仕上がります。
焦げあり、細かいダメ出しはありますが、
濃厚です。おいしく、体に良いは永遠の課題です。


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