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フシギおしゃべりP-miちゃん

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フシギおしゃべりP-miちゃんのまとめ。 ジャンル・コメディ。ロボット好き向け。
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#小話

フシギおしゃべりP‐miちゃん(1)

フシギおしゃべりP‐miちゃん(1)

最近同棲していた彼女に別れを切り出され、出て行かれてしまった。何でも好きな人が出来たから別れてほしいんだとさ。…前からその男に乗り換えていたんだろうな。くそっ! 俺のどこがいけなかったと言うんだ!

俺は独り言を呟きながら、元カノが置いていきやがった荷物をまとめていた。こうなったら全て捨ててやる。
元カノの歯ブラシ、マグカップ…掃除はどんどん捗っていく。その時だった。
あ…。
これはアヤカが可愛が

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フシギおしゃべりP-miちゃん(3)

フシギおしゃべりP-miちゃん(3)

「チュンチュン」
「チュンチュン」

う、うん…。うるせえな。
俺は、ぼうっとした頭で体を起こした。
「……ん? 今何時だ!?」
俺は焦ってスマホを見て時間を確認しようとした。あれ、スマホがない。
「ココニ アリマスヨ スマホ。チュンチュン」

机から無機質な音声が聞こえる。…というかお前、口調が元に戻ってねえか?
昨日ペラペラ喋っただろうが。色々ロボットに言いたいけど、今は一つに絞って突っ込んだ

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フシギおしゃべりP-miちゃん(4)

フシギおしゃべりP-miちゃん(4)

帰り道の、工場の間から見える夕焼け空が好きだ。

アヤカが出ていって2週間経った。
俺の悲しみはまだ癒えないままだ。仕事に専念している間はアヤカのことを忘れられるが、家に帰るときは否応なしにアヤカを思い出してしまう。あのピンクに染まる夕陽と雲さえも今の俺の心を癒すことは出来ない。

それに……。
家にはアイツがいる。

あの生意気ロボットが。

どこかに寄って時間を潰せればいいけど、何せ俺はあまり

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