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「母の思い出・絆」

参加した【劇場型ライティング講座】へ提出した課題②です。


私には妹が3人いる。
すぐ下の妹とは学年が2つ離れているが、実際は1才2ヶ月位しか離れていないので年子みたいな感じである。
ちなみにその下の2人は5才、8才離れている。
なので、年の近い次女とはよくケンカをした。
生意気な事ばかり言って来るので、次女の存在自体がムカつき毎日のように口ゲンカしていたので、母も毎日怒っていた。
母が怒ってヒステリーになり、父ともケンカするという感じだった。
(私たちがケンカするから夫婦仲が悪かったと思っていたが、実際は夫婦仲が悪いから子供たちがケンカしていたのかもしれないと今は思う)

とにかく私と次女はケンカばかりなので、小さい頃は母の笑った顔の思い出がほとんど無い。
怒ってる顔しか思い出せない位だ。
可愛がってもらえた思い出もない。優しくしてもらえた思い出もない。
いや、実際はあると思うけど、思いだせない。

次女とのケンカは小学校低学年まで頻繁だったと思う。
その後も時々ケンカしてた。
本格的に次女と関わらなくなったのは私が中学に入学してから。
学業や部活が忙しいのと、小学生とケンカするのがバカらしいと思ったからだ。
敵を作り、攻撃が激しいのは自分には似合わないと気づいてケンカは一旦やめた。
長い戦争だった。

母の日の幼い頃の思い出がひとつある。
いつも次女とケンカして怒られているからか、何が原因か忘れたけど、幼稚園の頃に書いた母の日の絵はプレゼントせずに自分で破って捨てた記憶がある。
その頃、母は私が幼稚園で書いた絵を、居間のとなりの部屋に飾ってくれていた。
普通に渡したら他の絵と一緒に飾って貰えたはずなのに。
私はそれらの絵を眺めるのが好きだったが、そこに母の日の絵が無いのが寂しかった。

GWのイオンはこどもの日🎏のお祝いよりも母の日のコーナーが沢山あって賑わっているように思えた。
毎年母の日商戦がスゴイと思って見ているが、今年もスゴイ。
何がスゴイかって?
特に目についたのが熊の形の大きなブリザードフラワーである。ランドセル位の大きさの物がズラーーッと並んでいて圧巻だ。
このサイズには驚きだ。
キレイだけど、貰った時は嬉しいけどね・・。
こんなに大きくて枯れないお花は、不要になった時に捨てるのも相手の心を捨てるみたいで辛い。
逆に貰ったら困っちゃうと思った。
大きすぎるので置き場所にも困る。
個人的に生花や食品の方が嬉しいと思った。

私は母の日にプレゼントを送った事がほとんど無い。
幼稚園の頃に書いた絵を捨てた思い出位だ。
何度か欲しいものがあるか聞いたが、母は「何もいらないよ」と嬉しそうに答えていた。

そういえば、かなり前に視力がアップするメガネが付録についているという理由で雑誌「ゆほびか」が欲しいと言われた事がある。
そうだ、そういえばプレゼントの催促をされた事がある。笑
地元の本屋でも売ってると思ったが、すでに売り切れだったので帰省のタイミングで買ってきてと言われたのだ。
普段、催促された事がなかったので嬉しい気持ちで引き受けた。

母はよほどスゴイ付録を期待していたのか?
渡した時「なんだ、こんな感じか」とがっかりしていた。
本気で視力アップのメガネが欲しければ雑誌の付録に期待してはいけないと思う。
ちゃんとお店に行ってメガネを買おうよ。と私は心の中で思った。
贈った私は半分がっかり、半分笑ってしまった。

実家は本家なので、お盆の時期やお正月に親戚が集まってきた。
親戚の方々はそれぞれ、菓子折りや、タオルのセット等色々お土産を持ってきてくれた。
母は一応笑顔で受け取るが、お客さまが去ったあと、箱をあけていつもがっかりしていた。
その他、結婚式の引き出物等、いろいろ贈り物を貰った時、母は喜ぶ事はあまりなかったように思う。
「なんだ、こんなものか」といつもがっかりしていた記憶がある。
喜んでいるところを見たこともある。多分。
でも頂き物をさほど喜ばない人というイメージが、しっかり根付いてしまった。
書いてて思ったが、この人は人生に諦めとかガッカリが当然だと思って生きている人なのかもしれない。とふと思った。

そして、今年も母の日はプレゼントは買わないと決めている私がいる。
がっかりされたくない気持ちが強いんだと思った。
毎年夏の帰省時にプレゼントを渡していたのだが、今年も帰省は難しそうなので母の日とは別に何かプレゼントを贈ろうとは思っている。
収穫の時期に美味しい野菜を贈ってくれる両親に感謝の気持ちを贈りたい。

話は変わるが父は数年前、お墓を建てた。
ずっとお寺に納骨していたのだが、お墓へ変更したのだ。
町営の歴史ある墓地なので、古い時代の墓石の中に近代的な墓石がキラキラ光っていた✨✨
その墓石には絆と彫られている。
父は「流行ってるからさ~」と言っていた。
流行に流された風に言っているが、今思えば私の存在理由にピッタリの言葉だ!
嬉しい!
シンクロリン!

両親の自慢の庭には今年も沢山の樹木や花が咲き乱れているだろう。
見に行けないのが残念だ。
元気を確かめたい気持ちもある為、欲しいものがあるか電話で母に聞いてみようと思っている。
「何もいらないよ」と笑って言われそうだけど。
これもひとつの家族の絆かもしれない。

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