夏の青春恋愛映画を期待して「打ち上げ花火、下から見るか?横から見るか?」を見たら「ひぐらしのなく頃に」の「鬼隠し編」だったって話。
夏の青春恋愛アニメ映画!を期待して見たら、ホラーだった。怖いよね、この話。
ちょっと他の人の感想の見てみようかな。
セクハラ描写に食いつかれたりもしています。
結局何が言いたいの系の疑問を呈する人も。
逆に、細部への注目から、現実世界と妄想世界が入り交じるのが混乱の原因であり、見極め方はこれだよ、という人も。
細かいところがちょっとずつ不気味なんですね。望む結末につながるタイムリープを繰り返した結果、例えば風力発電の羽が逆回転してるとか、止まってるとか、花火が異形になるとか、街が謎のドームに覆われているとか。明らかに異世界に迷い込んでる。「現実によく似てるけど、違う世界」へ迷い込む恐怖。SIREN2みたい。
見終わった後の味わいがあんまりにホラーだから、「あれ?これ少女の母、前夫、殺してない?」みたいな想像までしましたね。少女んち、家がね、デカいんですよ、妙に。なんの財力かと。悪い想像をさせる余地を敢えて作ってんすよ。
私が一番こえーと思ったのは、駅で家族や仲間が追いかけてくるシーン。あそこ、ほんと、ゾンビ物に見えたんですよね。物理化された「小さなまちのしがらみ」そのものだもんね。
本作ではヒロインまで怖いんですね。ヒロインの少女が演じている役割がね、「メフィストフェレス」なんですよ。主人公を「いけない道」にいざなう悪魔のポジション。
例えばね、少女のいざないを受けて、この二人が仮に東京まで出てきたらどうなったかっていうと、たぶん「天気の子」なり「バケモノの子」になったと思うんですね(あ、そういえばこれ、どっちも「子」だな)。なんせ駆け落ちする未成年ですもんね。少女は露骨な違法労働をほのめかしてたし。既存の福祉サービスの網から漏れ落ちて貧困化する人々になっていたと思うんですね。だから、あの街から脱出できたらできたで、バッドエンドだった。
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