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大学生は、地域に「お客さん」としてではなく、「一緒にまちのことを考える存在」になりえるのか?

 先日、某所で依頼された「大学生が 地域や企業で連携して活動するということ」に ついてレクチャーのまとめ。

 地域の学生が、ボランティア活動やゼミ活動などで、地域社会と関わる動きが広く知られるようなって久しい。しかし、今回の講座企画者は、いまだ学生は地域にとって「お客さん」にとどまっており、「一緒にまちのことを考える存在」になりえていないのではないか、という問題意識を持っていた。

 そのため、この講座の主題は、地域や企業は、どのように学生を受け入れると、お互いスムーズなのか?今後、地域や企業が大学生と一 緒に面白い取組をするには、どうすればいいのか?という問いであった。

 前提として、話題提供者である筆者のキャリアを記しておこう。自分自身、学生ボランティアとして関わることからスタートした人の一人である。1999年に大学入学し、まちづくりゼミに所属、地域活動に関わってきた。また、日赤と協働する学生ボランティア団体の代表も勤めた。2006年からは、まちづくりNPOに勤務し、今度は学生ボランティアを受け入れる地域側の仕事を経験した。2012年からは、大学教員として学生と地域活動との関わりをコーディネートする仕事を経験してきた。このように一応、学生ボランティア、受け入れNPO、自治体職員、大学教員、それぞれの立場を経験してきたというキャリアを踏まえての話題提供の依頼であった。

 とはいえ、筆者が学生ボランティアの当事者であったのはもう20年近くも前の話。現在、ボランティア活動に参加する学生の気分とは、どんなものなのだろう?最近の学生がボランティア活動をどう考えているか、ということは、筆者自身もよくわからない。なので、ちゃんと調べた人の先行研究にあたってみた。ここでは、日本財団学生ボランティアセンター『全国学生1万人 ボランティアに関する意識調査2017』を参考にする。

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