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晴れの日も雨の日も

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そのとき感じたことを感じたままに綴るエッセイ集。晴れの日のように澄みきった気分のときも、雨の日のように翳りに覆われるときも、その気持ちを、透明な言葉で伝えたい。
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ハレの日の美術館

よく晴れた5月のある日、私たちは美術館で結婚式を挙げた。 結婚式といっても、参加者は私と…

如月桃子
2年前
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わたしの街になっていく

夏のあいだ、西へと向かう帰り道を運転していると、夕陽を背にする山が見えた。 それは、私の…

如月桃子
1年前
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水色の朝

朝起きたときから、目のまえの景色がうっすらと青みがかっていた。 頭にはもやがかかったよう…

如月桃子
2年前
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M君の肖像

先日、久しぶりにFacebookにログインした。 FacebookとInstagramを見なくなって、しばらく経…

如月桃子
3年前
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あの頃の自分にかけたい言葉を、君におくるよ。

つい先日のこと。 しばらく連絡をとっていなかった友人Kちゃんから連絡が来た。 私は、彼女…

如月桃子
3年前
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気づけば、「あのころ」ができていた

あのころ、ぼくらは。 というような語り出しの歌詞や物語を、どこか白々しく思っていた。 ま…

如月桃子
3年前
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カメラの天使

「カメラを持つと、暇な時間がなくなるの。」 とカメラの天使は、私に言った。 カメラの天使というのは、私の親友で、彼女はみんなから天使ちゃんと呼ばれていた。 彼女は、見た目も中身も天使そのものだった。 彼女のことは、何度も大学の授業で見かけていた。いつもかわいらしい彼女は、どの教室にいても目立っていた。 フランス語の授業で、彼女は私のすぐ後ろの席だった。 でも、話しかける勇気はなかった。 ところが、そんな私に転機が訪れる。 私の大学では、大学に入ってから専門に分かれるのだ

紅茶と本と、いとしのおともだちたち

先日、久しぶりにティールームを訪れた。 ティールームは、街の中にあるけれど、そこは小さな…

如月桃子
4年前
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