フォローしませんか?
シェア
よく晴れた5月のある日、私たちは美術館で結婚式を挙げた。 結婚式といっても、参加者は私と…
私が、初めて自分で決めた場所に暮らしたのは、大学4年生のときのことだった。 それまでずっ…
こうしたら、絶対にしあわせになれる、という方法はおそらく存在しない。 「善く生きる」方法…
小学生の頃、長期休暇の前にはかならず成績表が配られた。 家に帰ると、私はまずそれを母に見…
「コンクリートに括りつけて、海に沈めてしまいましょう」 同僚が言い放ったその物騒な言葉を…
季節外れにもほどがある。 ということは、私も重々承知しているのだが、今日はクリスマスの思…
長かった夫の休みが終わってしまう。 「終わってしまう」と少し感傷的に書いてみたけれど、実際のところはあまり寂しくも悲しくもない。 むしろ、少しうれしい。 夫が休みのほうが、もちろん楽しいのだけれど。 休みが終わっても、夫と一緒にいられる。 ただそのことがうれしいのだ。 遠距離で暮らしていた間は、休みが終わるということは、しばらく夫と会えなくなることを意味していた。 夫と会う休みの日は、特別で、非日常だった。 非日常が、日常になっていく。 それは、特別感が薄れていく
対面キッチンのある食卓は、実家の東側の一番大きな部屋にある。 食卓に朝日が差し込む前に、…
挽き立ての豆で淹れたコーヒーと、焼き立てのパン、じっくり煮込んだスープに、サニーサイドア…
ある映画で、イタリア人の男が言う。 ”I thank God for fear…”と。 直訳すれば、「恐怖をあ…
私たち夫婦が、結婚指輪を手にするまでのお話です。(糖度高めです) 私たちは、今年の5月に…
放課後の空気が好きだった。 校庭や体育館で汗を流す人。 吹奏楽部の誰かが奏でるトロンボー…
お気に入りのマグカップにヒビが入ってしまった。 ホットミルクを作ろうとして、マグカップを…
夕飯を食べながら、何気なくテレビを見ていたら、芥川賞のニュースがやっていた。 今年は直木賞と二人ずつの受賞なんだ、 芥川賞を受賞したうちの一人は宮城県の出身でドイツ在住 ふーん… と思っていたら、次の瞬間テレビに映った受賞のインタビューを見て、口の中のものを吹き出しそうになる。 テレビに映し出されていたのは、私の研究室の先輩だった。 「研究室の先輩だ…」 と放心状態になった私を心配したのか、近くにいた親が「大丈夫?うれしい?悔しい?」と聞いてくる。 そのとき、私の胸