方向音痴のお陰で

私はきっと方向音痴。
いつも行きたいと思っているところには、Googleマップの音声案内がないとたどり着けない。道案内してもらう時に西やら南やら言われてもどうもピンとこない。

自分の住んでいた藤沢はざっくりと海の方が南。
そう思いながら暮らしていた。

そして私は道の途中を覚えてなくてピンポイントで、映像として場所を覚えているので唐突に見たことある景色が現れてびっくりすることが多々ある。

そうやって知ってる場所同士を結んで結んで私は道を覚えてく。だからか小さい頃から無計画に歩いては行き止まりに当たったり、戻ったりといろんな道を歩いては道を記憶した。

そのお陰でまったく土地勘のない新天地、奈良でも無計画に歩いたり自転車で走ったりしながら時に行き止まりに当たったり戻ったりを繰り返して道を覚えているこの頃。

行きたいところにつくには、Google先生を頼らないといけないのでいちいちスマホを開くのは面倒だけど逆に方向音痴だから楽しめることもある。

方向もよくわからないまま無計画に歩いていると、「ポンっ」とでた道先でインスタや雑誌で気になってたお店に出会うことがある。

「あっ!こんなところに!」
なんだか宝探しの宝物を見つけたような気分になる。また来れる再現性がないため、一期一会のようなご縁のようなものも感じたり。
先日も雑貨屋さん行こうとうろうろとしていると、たまたま見つけたカフェで大好きなマンデリンのコーヒーがおいしく飲めてさらにはお店の人が美味しいコーヒーの淹れ方まで教えてくれてわからなければいつでも連絡くださいとショップカードまでくれて素敵な出会いの方向音痴の旅となった。

そんな昨日も絶賛人生の夏休み中で仕事を決めてない為、「暇だなあ。」と贅沢な悩みを抱えたままに無目的に自転車を走らせた。

西大寺方面の道をまだ覚えてなぁと西大寺方面に走らせている途中に、「ならクル」という奈良のサイクリングコースの看板を見つけた。

行き先は生駒。しかも距離まで書いてくれている。
10㎞かからず行けるらしい。予定変更で生駒へ向かうことにする。看板をたどって行っていたはずなのに、なぜか途中から「ならクル」の看板が消えた!おそらく自分が道を間違えたのだろうけど(笑)わざわざスマホを開いて案内を聞きながらそれ通りに生駒に向かう気分にもなれず、そのままぶらぶらと自転車を走らせる。自分がどこにいるかもよくわからないまま。笑

走っているうちに、なんとなく自宅方面を示す道路看板が出てきたのでそれを見つつ、自宅方面であろう方向へ進むことにした。

そうするとなぜか予想していた地名の場所ではなく、西ノ京というところにでた。ここも知っている地名で自宅近くにはなったのだけど土地勘はない。けれど家が近くなってきたことはわかったので一安心。ちょうどカフェを見つけたので入ることに。

カフェに入ると「自転車好きなんですか?。」と店員さんが話しかけてくれて、こっちに引っ越してきたばかりの話や自転車の話などをした。店員さんもお店のことやお店ができる経緯や「あっちに行ったら平城京で平城京の西にあるからここは西ノ京という地名だ」ということを教えてくれた。

おじさんの話のお陰で帰る方角がなんとなくわかり一安心。

そんなこんなで新たなカフェを見つけたり、方向音痴だからこそ出会えたものが昨日もたくさんあった。

本当にいきたくなったり、もう一回いきたくなったりしたらGoogleマップが音声で方向を教えてくれる便利さで方向音痴のお陰でも行きたいところにいけるし、逆に方向音痴だからこそうろうろしてる間に行き止まりのどんつきにあるお店に出会ったり、人に道を聞いたり、よくわからない場所に出て一期一会のような出会いもできる。

人生もまさにうろうろと迷いながらの27年間だけどそんな風にうろうろと迷いながら生きてきたからこそ出会えた人、こともある。そんななかでざっくりとこんな風に生きたいなぁとかこれは大事にしたいとかなんとなく見つかってきた。

人生も道も方向音痴でもいっか。

そんな風に思った。

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