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人間ってすごい
今日はものすごく普通のことで、当たり前のことを書く。
病気や怪我などされてる方には、傷つけてしまうのかもしれないけど、
私の今日の頭の中は、、、
"人間ってすごい"。
この人間ってすごい、という思考になった小一時間の出来事。
…
今日午前中、娘をばあばに預けて、病院で乳がん検診を受けてきた。
病院の駐車場に入ると、いつも駐車案内のおじさん方が招くほうに車をすすめて停める。
いつものことながら、平日なのに病院ってこんなに人がいるんだな。と思いながら、今日も随分と奥の方まで案内されてしまった。
車を出ると、左一つ間をあけて車を停めた親子か知り合いか分からないけど、おじいさんとおじさんの2人が同じタイミングで病院の入り口に向かって歩いていた。
自然と2人の会話が耳に入ってくる。
『ちゃんと受けた人のほうが強いから無症状のまま撒き散らすんよ。
僕は一回も受けてないけど』
あぁ、コロナのことか。と思いながら、2人を追い越す。
少し前に目をやると、コロナ3回目の接種会場の案内看板があった。
"3回目か…。わたしも一回も受けてないや、、
おじさんと同じだ。
おじさんは疾患持ちなのかしら。"
なんて考えながら、歩みを進め、エスカレーターに乗って、二階の病院玄関に着いた。
(私は授乳中だったので子への影響が不安で受けてなかった。が12月に卒乳したのでどうしようかな、と思っているところ。)
病院はここらへんでは結構大きな病院で、病院内も広く、廊下も長い。
病院に入ると検診センターに向かってその長い廊下を歩く。
すると見覚えのある顔が向こう側から歩いてきた。
2年前に退職した元職場の後輩君だ。
元職場は病院が営業エリアなので、元職場の人と病院でバッタリ!なんてことは以前にもあったのだけど、この後輩君と会うのは、退職してからはじめてかな。
熊のように大きい体で向かってくるからすぐに分かった。
向こうは、というと、私には気づいていないようで、私がすれ違うときに、後退りして変な動きをしたことで、"あ!!!"と気づいてくれた。
お互い
『久しぶり〜!』
からはじまる。
後 : あ、今ここ担当なんです。
私 : うんうん、そうなんだってねー。前に違う病院で○○君と会ったときにちょっと聞いたよー。
後 : どうしたんですか?今日、、
私 : ここで検診なんよーー。
後 : そうなんですねー、!そういえばテレビでSaucyDogみるたびに、nonotoさんのこと思い出すんですよ〜。見る目あるなーって、すげー。ってなります。nonotoさんが教えてくれたんすよー。まだそんなに売れてない頃に、SaucyDog。
私 : えー、そうだったけーー。えへへ〜。
という感じで会話。
他にも少し話したのだけど、
とりあえず毎日疲れているであろう後輩君を元気づけたいと思って、
私はちょっとおちゃらけたような可笑しな動きと顔面はニコニコニヤニヤを繰り返しながら、喋った。
イメージするなら、ピエロみたいな感じ。
大袈裟に手振り足ぶりしながら、おどける。
たぶん、とても変な動きだったとおもうけど、一通りの会話を終えた後輩君は、
『nonotoさんに会えて、元気でましたー!!!』
と言ってくれたので、"よし!よかった!"と思いながら、"仕事頑張ってね〜!"と後輩君とはそこでバイバイをした。
予約時間は大丈夫かな、と思いつつ、足早に長い廊下の先の階段を1階分のぼって、3階の検診センターの自動ドアをくぐる。
受付に名前を言って、問診票を書いたのち、
看護師さんの問診があり、その後マンモグラフィーを撮るために画像診断センターに移動した。
撮影してくれる先生は、20代に見える若い女の子だった。
こんな若い子に自分の乳房見られるのかー。
卒乳して無惨にも萎んでしまったの、見られるの恥ずかしいなー。なんて思いがちらつく。
"授乳を終えた乳って、こんなに萎むんですねー悲しいですー"と、自分を慰めるような庇うような会話を若い女の子先生としたかったが、そんな会話もせず淡々と先生の指示どおりに動いて、乳房を機械に挟んでもらった。
毎日何人もの乳房を見て挟んでる先生にとっては、こんな私の恥ずかしさとかどうでもいいんだろうな、とは思いつつ。
無事に撮影を終えて、着替える前と部屋を出る前の2回、ありがとうございました〜。とお礼を伝え、部屋を出た。
また検診センターに戻ってきた。
次は、視触診だ。呼ばれて部屋に入ると、今度はおじさん先生だった。
"えー男性なのかーえーーー"と内心。
だってそうでしょうよ。先生といえども男性に見られるのも触られるのも恥ずかしい。
そんな思いは"仕方ない"という言葉で落ち着かせ、看護師さんの指示する通りに、診察台に座り上半身裸になる。
12月に卒乳をしたばかり、のことを一応伝えた。
まず、先生に右手を上げてと言われ、右手をあげる。
"げ、脇丸見えやんけ"と、思いつつ、
次は左手も。
"私の今の脇どんなだっけ?"と不安になる。
その次は、分泌物が出ないかの確認で、
乳首をぎゅっと摘んでください、と言われたので、右乳首を摘む。
間髪いれずそれは出てきた。
ピューっ、、、。
思わず笑ってしまう。
先生も、笑いながら、卒乳してもまだ出るんですね〜と。
おそらく、マンモで乳を挟まれた後だったので余計出やすい状態になってたんだな、と自分の中で納得しながら服を着て、ありがとうございました、と部屋を出た。
結果は後日郵送。
無事に、乳がん検診を終えて、病院玄関近くの駐車場精算機に駐車券を差し、病院を出た。
"あーーー終わったー!!!"
恥ずかしさと同居した時間を終え、少しだけ晴れ晴れとしていた。
病院玄関は2階なので、1階分の階段を降りる。
私にしては軽やかな足取りで。
そのとき、ふと。
どうしてこんな絶妙に足が動いてくれるんだろう。
左、右、と軽快なリズムで踏み外すことなく、若干のジャンプも交えながら降りている。
うーん、、
私の脳が指令を出して体が動くのは分かる。
分かるんだけど、考える間もなく思う通りに動いているではないか。
不思議だなぁ。
駐車した場所は、随分と奥の方。
少しだけど小さい雨がちらつくなか、寒空の下を歩く。
歩きながら先程の思考が頭をめぐる。
何も考えてなくても、ぼーっとしていても、体は動いている。歩いている。
どういうことだろう。
たぶん医学的な観点からみれば、誰かが正確に解説してくれるのだろうけど、
私が求めているのはそれじゃなかった。
私の少し前を、杖をつきながらゆっくり歩くお婆さんがいた。
ゆっくりだけど、歩いている。
周りを見渡す。
みんな動いてる。
すごいなぁ。
あれ?今わたしのおでこは、この寒空の冷たい空気をもろに感じている。
どうやって冷たいって感覚がわかるだろう。
温度センサーが体の至る所に設置してあるのかな。
私はおでこが広く面長。おでこを出すとバランスがおかしいことになるので、いつも前髪で隠している。
が、風にはよく負けてしまう。
今日もそうだった。
おでこがヒヤッとしていた。
寒い寒い、ということに囚われて、体を縮こめがちだけど、この"寒い"と感じられることってすごいよなぁ。
人間って、すごいなあ。
あ、動物もかー。
全ての動作や感覚が不思議に思えた。
不思議ですごいことのように思えた。
たぶん当たり前すぎて普段はそんなに考えないこと。
当たり前ってすごいんだなぁ。
と。
駐車場に停めてある車にたどり着くまでにこの思考を繰り返しては、感動していた。
…
私はたまにこういう自分の中で沸いた不思議をよく考える。
自分の思考は外に出さない限り、自分しか知り得ない。
でも、ちょっとしたこういうこと、書き出してみると、面白いかもしれない。
そう思いながら、
今はお昼寝をしてくれないイヤイヤ期真っ最中の娘と、過ごしている。
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