ヘリコロイド付きアダプター「Voigtländer VM」で最短撮影距離からさらに近づいて、なかなかの撮影倍率を稼げるように思いました。ここではいつも主立って壁に写る影のグラデーションをときに淡く捉えたいと思い撮っていますが、優しいトーンの出方が魅力にも思いました。他方で床のタイル、ハイライトが余裕で粘りながら、アンダーからハイライトまでディテールをしっかりシャープに表現しつつ、この描写性能にポテンシャルの高さを思いました。という、いつの間にか「完璧なおじさん趣味」になっていることを内心悲しく思います。ここでもハイライトの粘り、なかなかに思いました。最短割り。開放からシャープで硬さと柔らかさが混在するかのような中に、色乗りは上級サーファーのようでありつつ、なかなかにこってりハイコントラストなハイライトとアンダーの共存。大正時代のモダンな眼鏡を掛けつつ趣味はyoutube鑑賞、過去に医学部に受かりつつも、20浪目で口癖は「息抜きが大切だから」でパチンコ通いしているプロの予備校生、かのようなレンズかもしれません。「見かけは古典的、しかし中身は先鋭的、実力もあり遊び上手なのに、なかなか日の目を見ないレンズの意」ですが、不適切な部分があれば訂正したいと思います。被写界深度の新解釈に挑戦する気持ちで、合焦ゾーンを薄目にしてみて。清らかな水の写り方、透明感も申し分ないガラスと金属の集合体です。カメラ:ソニーα7 II | レンズ:VoightLander 単焦点レンズ ULRTON 35mm F1.7 Vintage Line Aspherical VMマウント(シルバー)| アダプター:Voigtländer VM