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 6月から、また施設に子どもたちが通い始めてくれている。
 まだ、分散登校が行われている間は、子どもたちにも比較的時間があるので、今回の『コロナ禍』での『課題』を踏まえて、少しだけ家庭学習応援施設MyPlaceでも新しい取り組みを取り入れた。
 もちろん、どんなに焦っても仕方が無いので『進み出す原動力は絶対子どもから』『学びの決定権も子ども』『アドバイスはしても否定はしない』という根っこにある考え方だけは変えずに、より将来にも生きる『学びのきっかけ』になるような取り組みを心掛けてアップデートを行った。

①『自分に必要なこと』の可視化

 これは、何度だって諦めずに伝えていくつもりだが、僕は子どもが『自分に必要なこと』だと本心から感じて努力すること・熱中することは全て『学び』だと捉えている。
 ただ、多くの子どもや親にとっての『学び』とは、教科にあること、学校で取り扱われること、自分が経験してきたことだというバイアスが存在している。
 だから、小学生には、6月から『自分に必要なこと』を書き溜めていくことを投げかけるようにした。
 ストレス発散のために思いっきり踊る!も、人と話すことが緊張してしまうからカードゲームを自分から誘う!も、自分の大好きな漫画をとことん読んで、主人公の絵を描く!だって全て『自分に必要な時間』だと認識しながら熱中することは全て『学び』のきっかけに繋がると思う。
 小学生と話していて、勉強が苦手と話す子のほとんどは、「普段何してる?」だとか「好きなこと何がある?」という質問に対してあまりハッキリしない答えしか返って来ないことが多い。ただそんな子のお家の人と話すと『テレビばっかり見ている、タブレットばっかり見ている』という答えが返ってくることがある。
 つまり、多くの小学生にとって学習を停滞させる原因は『受け身』であると言うことなのではないかと考えている。
 まずは、やりやすいことから『自分に必要なこと』に注目させて困ったらこの中から自分の気分にあったことをやってみてはどう?というサポートを提供することにした。

②自分の『リズム』の確立

 中学生にも、もちろん根本的な投げ掛けは同じなのだが、中学生に関しては少し所謂『学習Like』な側面も提供してやらなくてはならない。なぜなら、多くの子が『受験』を経験するからである。
 兵庫県の場合、公立高校の選抜試験以外に半分は学校の成績で評価が決まる。つまり、そこでもそこそこの結果を出しておかないと自分の実現したい『進路』が実現出来ない可能性を含んでいるからだ。
 なので、全ての教科の『予習・学校・復習』で『自分に必要なこと』を書き出し、いらないものはハッキリ削り、『必ずやらなくてはいけないもの』や『自分がやるべき学習』を書き出すことでタスクの管理をしながら自分に合った『学習リズム』を作るきっかけになるように提案している。
 リズムがなかなか作りにくい子どもにとって、「やらなくてはいけないことはわかってはいるけれど、何をやろうか考えている間に時間が経ってしまう…」というのは『あるある』ではないだろうか?
 「困ったらこれを見る!」というものを作っておくことで、『自分に合った学習習慣』へと繋いでいけるだろうし、今後の人生においては自分に必要なことに意識を持たせながら生活する習慣は後々生きてくるだろうと思っている。

③学習サポートシートの導入

 家庭学習応援施設MyPlaceでは、基本的な学習の内容や分量を決める決定権は全て子どもが持っている。もちろん、大人から見れば、効率の良くない勉強法や、ついつい手が止まってやっているフリになっている子がいるのはわかっている。そんなことで「子どもの学力」が向上するのか、という批判は合って当然だし、実際に『学力が伸びるか』だけのことで言えば、本人次第という返答しかできない。
 だからと言って僕は『ルール』で縛ったり、『宿題』や『やり方』を強制したりすることはしない。
 何度も言うが、これは『子どもの学力』だけのことで言えば超が付くほど効率の悪い方法だと思う。ただ、僕は自分の目の前や、受験の時のために『瞬間的』に頑張るような子どもに育つよりも、持続可能な学習法を身に付け、ずっと使える『学び方』を獲得してもらうために『勉強嫌い』を増やさないことに注意を払って子どもに投げ掛けるようにしている。
 なので、今回導入した『学習サポートシート』には、自分の学習の足跡を記録するように導入した。
 そのシートを見れば、自分がどんな学習に時間を費やし、どんなことを質問し、何がわかったのか。を記録させることで本人が自分の『学び』を振り返るきっかけを提供しようと考えている。
 単にドリルをやり終えた。〇〇分机に向かっていた。という『事実』ではなく、『自分の中に何が残ったか?』という基準で学ぶことを繰り返しどこかで『自分の成長』に意識が向かってくれればなと思っている。

 サボろうと思えばサボれる環境をあえて作ることで、『頑張るか』『サボるか』の決定権は子どもに渡される。もちろん、こちらのやり方の方がかなり難しい。でも、いつかは『やるかやらないかの勝負の世界』へ飛び込む現代の子どもたちを『従わせる』教育方針で育てることは僕にはできない。


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