野村章洋 / Akihiro Nomura

CureApp Institute, 共同代表。 デジタル医療エバンジェリスト、循環器…

野村章洋 / Akihiro Nomura

CureApp Institute, 共同代表。 デジタル医療エバンジェリスト、循環器内科専門医。 主にデジタル療法(DTx, Digital Therapeutics, Digital Therapy)、治療用アプリについてまとめています。

最近の記事

Carrot -禁煙アプリ+呼気CO濃度測定器-

勝手にデジタル療法企業探訪、その③。 企業概略Carrotは、ニコチン依存症、つまり喫煙者に対して継続的な禁煙を促すデジタル療法を開発するアメリカの会社です。Pivotという名前の、スマートフォンにダウンロードする禁煙治療用アプリと、呼気の一酸化炭素(CO)を測定する呼気COチェッカーを組み合わせたシステムをデジタル療法(DTx)として提供しています。 背景ニコチン依存症は、 喫煙を介して心血管疾患や各種がんを引き起こすことが広く知られており、 禁煙によりそれらの病気の発

    • デジタル療法(DTx)とは何か?

      前の記事の中で、日本における規制当局の承認が必要な医療機器プログラムについて説明いたしました。 上記では個別に患者に対して病気の診断や予防、そして治療を提供するSaMDについて書きましたが、本稿では特に、2021年11月現在における、 治療を目的とするデジタル療法(DTx: digital therapeutics, digital therapy) について述べたいと思います。 1. デジタル療法・DTxという用語についてデジタル療法(DTx)とは、その名の通り

      • デジタルヘルス関連アプリの分類について

        一つ前の記事で、モバイルヘルスは通常モバイル端末、 つまりスマートフォンのアプリを介してヘルスケアが提供されると書きました。 ここで、そのように提供される「アプリ」も様々なタイプがあるのですが、 その分類についての概略のお話をいたします。 注:どのアプリが規制当局の承認が必要なのかはとても線引が難しい問題です。 なので、この分野の開発・研究を進める場合は、然るべきタイミングで一度下記のようなPMDA等の相談窓口をご利用されることをおすすめいたします。 デジタルヘルスとい

        • モバイルヘルス(mHealth)とは?

          先の記事(下記)で書きましたデジタル医療に使用されるICTの例として モバイルヘルス(mHealth)についてお話いたします。 モバイルヘルスは「mHealth」と表すこともあり、 その名の通りモバイル端末を用いたデジタルヘルスの総称です。 そしてモバイル端末の代表は現在はスマートフォン、つまりスマホです。 モバイル端末は生体センサー類の小型化・高性能化により、 従来のような歩数や脈拍の測定だけでなく、 心電図計測、皮膚温の測定、血中酸素濃度の推定、 さらには血圧やスト

        Carrot -禁煙アプリ+呼気CO濃度測定器-

          電子健康情報(EHR)と個人健康情報(PHR)

          先の記事(下記)で書きましたデジタル医療に使用されるICTの例として 電子健康情報(EHR)と個人健康情報(PHR)についてお話いたします。 最近、マイナンバーカードとの連携うんぬん等の議論で耳にすることが多いかと思われます電子健康情報(EHR)と個人健康情報(PHR)という用語。この用語に加え、電子医療情報(EMR)という言葉がわかると、その関係性を理解しやすいのではないかと思います。 まず、一昔前のデジタル化といえば、紙カルテの電子カルテ化だったこともありましたが、ま

          電子健康情報(EHR)と個人健康情報(PHR)

          医療分野におけるバーチャルリアリティ(VR)

          先の記事(下記)で書きましたデジタル医療に使用されるICTの例として ここではバーチャルリアリティ(VR)についてお話いたします。 バーチャルリアリティ(VR)については、最近はゲームなどの分野でPlaystation VRやOculus Questの普及により少しずつ認知されてきている技術であり、医療分野でも手術支援システムやバーチャル空間でのリハビリテーションシステム、また医学教育分野への応用が進められています。 バーチャルリアリティ(VR)は、 コンピュータによっ

          医療分野におけるバーチャルリアリティ(VR)

          医療分野で用いられる人工知能(AI)とは

          先の記事(下記)で書きましたデジタル医療に使用されるICTの例として 人工知能(AI, artificial intelligence)について「ざっくり」お話いたします。 人工知能の定義は一義的に説明できるようなものはないのですが、 日本人工知能学会の見解としては 「大量の知識データに対して、高度な推論を適格に行うことを目指したもの」 とされています。 このような定義だけでなく、第一線の人工知能研究者がそれぞれに定義した「人工知能とは何か?」リストもみられますが、一

          医療分野で用いられる人工知能(AI)とは

          遠隔医療・オンライン診療

          先の記事(下記)で書きましたデジタル医療に使用されるICTの例として まず遠隔医療・オンライン診療についてお話いたします。 この「遠隔医療」と「オンライン診療」という2つの用語、 良く似ているのですが、厚労省から指針と定義が示されている部分でもあり その意味合いが異なります。 まず遠隔医療とは、 「情報通信機器を活用した健康増進、医療に関する行為」 とされ、オンライン診療だけでなくオンライン受診勧告、遠隔健康医療相談、また医師同士のコミュニケーション(いわゆるD[oc

          遠隔医療・オンライン診療

          デジタル医療の捉え方・考え方

          一つ前の記事で、用語としてのデジタル医療の定義をいたしました。 ここでは、 具体的にデジタル医療とはどのようなものを指すかについてお話いたします。 現在、デジタル医療という言葉を使用する場合、それは、   「医療現場の課題」 という目的に対して、   「最新・最先端のデジタル技術」 という手段をかけあわせて、 医療における様々な問題を解決することを指すことであると考えます。 医療現場の課題の中でも、 特にデジタルに相性の良さそうなものが示されており、 ①患者の

          デジタル医療の捉え方・考え方

          デジタル医療にまつわる用語について

          デジタル医療についてを記事などを見ていると、 デジタル〜と名のつくいろいろな用語が出てきます。 ここでそれらの用語のうち、 ・デジタルヘルス ・デジタル医療 ・デジタル療法 (Digital therapeutics, Digital therapy, DTx) について、用語の関係性の整理をいたします。 まずデジタルヘルスとは、 モバイル端末を含む情報通信技術(ICT)を用いたあらゆる医療・介護・健康支援 を指し、最近では医療ビッグデータ、ゲノム情報、人工知能(

          デジタル医療にまつわる用語について

          デジタル医療とは何か?

          デジタルヘルスやデジタル医療といった言葉を 良く見たり耳にすることが多くなってきました。 そもそも、現在言われているような「デジタル医療」という言葉、 いつ頃から本格的に言われ始めるようになったのでしょうか? 少し経緯を遡ってみますと、 直近の起源はおそらく2013年6月に当時の安倍内閣が打ち出した 日本再興戦略にさかのぼるのではないかと思われます。 このとき、健康・医療といった分野は、   ”税金がかかる社会的な負のコスト” としてネガティブに捉えるのではなく、

          デジタル医療とは何か?

          Mindmaze -VR在宅リハの先駆者-

          勝手にデジタル療法企業探訪、その②。 企業概略企業名: Mindmaze (スイス) 設立: 2012年 URL: https://mindmaze.com 対象疾患: 脳梗塞後/運動器リハビリテーション 規制当局承認:  MindMotion PRO [FDA, K162748] [CE marked]  MindMotion GO [FDA, K173931] [CE marked] MindMazeは、脳障害に対するリハビリテーションを提供するデジタル療法を開発

          Mindmaze -VR在宅リハの先駆者-

          Freespira -パニック障害/PTSD DTx-

          治療用アプリ(DTx, digital therapeutics)開発企業探訪、その①。 企業概略企業名: Freespira / Palo Alto Health Sciences (米国) 設立: 2013年 URL: https://freespira.com 対象疾患: パニック障害、PTSD 規制当局承認: 2013年 パニック障害 [FDA, K131586] 2018年 PTSD [FDA, K180173]

          Freespira -パニック障害/PTSD DTx-

          Zwift Virtual Tour de France Stage 1

          今週も雨予報が続く。Zwiftでの朝練も続きそう。 ちなみに前回のEtapeのほうをTour de Franceだと思っていたのは内緒...こちらが本物だったみたい。 今日はTour de France仕様にデコレーションされたWatopia Hilly Route Reverse (1周 9.1km、獲得標高 100m)を4周するStage 1。いきなり全開レースになりそうだったので、5分以上前から脚をまわして衝撃に備える。 スタート、6 W/kg x 1分間で先頭集団

          Zwift Virtual Tour de France Stage 1

          Zwift L'Etape du Tour Stage 1

          今週末から始まったvirtual Tour de France. ヴァーチャルでツールが開かれる日が来るなんて...実際には今月末から本物が始まれば良いのですが、それでも3戦目以降のヴァーチャルフランスでの大会は見ものです。このためについにJSPORTSオンデマンドを契約してしまった... 土曜日はまたも雨ということで、早速今週から始まったTour de France連携企画に参加。Stage 1はWatopia mountain route。あまりラジオタワー登っていなか

          Zwift L'Etape du Tour Stage 1

          Zwift Watpia Figure8

          7/2木曜練の備忘録。 今日は朝練開始30分前に起床。 この時間に起きると朝ごはんを少量食べてからすぐ練習が開始するため、一発目にいきなりマックスには持っていけない。レース走の日はなおさら。今日は上りで2本の予定ということで1本目は無理だろうな−と思いつつ開始。足も重い。昨年のシーズンと比較してまだフィジカルは全然戻せていない。 ということで1本目の上りはL3程度でしのぐ方針に。250W前後で約10分。先行グループには追いつくも、そこから引き離すまでは至らずゴール。 お腹