物販席で隣のアイドルのチェキがバカ売れしていた話
まだ私がバンドを始めて間もない頃(多分十数年前)、対バンがアイドルだった。私たちのバンドはロックバンド。少し違和感もあったけど、ライブは楽しかった。
ライブハウスではライブ後に出演者や出演者の専属スタッフが物販席でCDやグッズを売る。
その日の出演は4、5組いて、物販席もギチギチでみんな譲り合って売っていた。
私たちも当時レコーディングしたてのホヤホヤデモCDをなんと100円で売っていた。
だかしかし売れない。
そしてタイトル通り隣のアイドルのチェキがバカ売れしとる。一枚500円。
オーマイガー。
正直悔しかった。意味が分からない、私だって女の子だし。ぷんぷん、とまで思った。
こちらはお金をかけてレコーディングをし、宣伝のためにお買い得価格の100円で売っているのだ。缶コーヒーよりも安い。
(アイドルちゃん達はめちゃくちゃ可愛かったので当時はガラケで写真撮ってもらった気がする。)
なぜか、、
(対バン客層の違いをあまり言い訳にはしたくないけど。ちょっとそれもあるけど。)
私たちには当時、お金を払って手に入れたいと思ってもらえる作品を作れなかったんだ、と少しして分かった。なぜそんな簡単なことが分からなかったんだろう。
客をなめるな と当時の自分に正座させて説教したい。
お客さんはライブハウスまでに来る電車賃がかかる。途中でカフェに寄るかもしれんし、入場料、ドリンク代、帰りにラーメンも食べるかもしれん。
お客さんが足を運んでくれるってそういうこと。
そうやってお金を払ってくれるお客さんのハートを掴むって並大抵の努力じゃ足りない。
私はもう息切れてしまったけど、そうやって努力を積み重ねて諦めずに日々努力し続けている人達を私は心から尊敬する。
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