日本語という参入障壁 :アイルランド留学【33日目】
「海外で働く」というと大きく2パターンに分かれるかと思います。
「①日本企業に所属しながら海外駐在する」、「②現地の企業に採用される」という感じではないでしょうか。
①はかなりイメージしやすいですよね。商社やメーカーだと海外駐在や出張も盛んだと思います。就活の時も、海外志向の強い人は、こういった業界を受けている人が多いのではないでしょうか。
前職でも、海外売上比率が50%以上あるメーカーだったので、その後のキャリアとして海外駐在も当然考えられました。現地のマネジメントを担当することになるので、国内で責任者レベルの職務を経験した30歳前後の人が行くことが多かったです。海外駐在というとなんとなく響きがよく、漠然と憧れているところもありました。
ただ、経験者の話を聞くと、また印象が変わってきました。
もちろん企業によって異なるかと思いますが、前職の場合だと、海外にいっても基本的にやる業務内容は変わらないとのことでした。部下が現地の外国人になるくらいです。また、客先も、現地に進出している日本企業の幹部みたいな人がほとんどで、英語でのコミュニケーションがそこまでできなくても、なんとかなるレベルだったそうです。
また、友達が務める別のメーカーの場合は、海外駐在者は、自社の出張者や取引先日本企業の接待ばかりしているとのことでした。駐在手当も出るので、いい暮らしはできるそうですが、日本人村的な所に住むので、現地のコミュニティはかなり狭く、そこがまた窮屈でもあるようです。
「あれ?住む場所が違うだけで、日本で働くのと変わらなくない?結局、日本人という枠組みの中で働き続けるしかないじゃん。」
前職で海外駐在という道がありながらもそれを捨てて、自費での海外留学を選んだ理由の一つがこの気づきでした。(もちろん駐在するとしたらあと5年は働く必要があったので、そこまで待てないというのもありましたが笑)
「働く場所」ではなく、「枠組みに縛られずに働けるか」ということの方が自分の中の価値観に即していると気づいたので、日本企業に属したまま海外にいくのは少し違うのではないかと思ったのです。
そこから、「②現地の企業に採用される」ということも一つの目標にしてこうして留学に来ました。これさえできれば、日本という枠組みに必ずしもとらわれなくなるとも思っていました。
しかし、また今になって新しい気づきがありました。
「海外の現地企業がわざわざ語学レベルの低い日本人を採用するメリットがない」ということです。当たり前ですね。笑
圧倒的に技術力のあるソフトウェアエンジニアみたいな人ならともかく、人とのコミュニケーションを主軸にして仕事をしてきたにも関わらず、語学さえままならない奴を雇う必要性がありません。
しかも、海外の労働市場に出てくると、アメリカやヨーロッパ、中国などから出てきた超優秀な人たちとバチバチやりあう必要があるので、さらに勝ち目がありません。大学時代にフラフラとして、その専門分野を活かしたキャリアを築いているわけでもない自分が、圧倒的に専門性を磨いて語学も堪能なエリートたちに勝てるはずがありません。
今の私が良い待遇で働けるとしたら、「日本語が堪能である」ということがメリットになる企業でしかありえません。それ以外にビジネスに活用できる能力はほぼありません。
じゃあそれはどんな企業になるの?ということになりますが、日本に進出している外資企業か、やはり日本企業になるのですね。笑
結局、今の自分が一番価値が発揮できる(⇨待遇もよくなる)のは日本企業であるというという結論になってしまいます。海外駐在の話で、日本で働くのと変わらないなんていう文句を書きましたが、それもそのはずで、もしそうでなかったら日本人が駐在するメリットなんてありません。現地人を雇った方がよいでしょう。
私たちの雇用は、想像以上に「日本語という参入障壁」に守られているんだなぁということをしみじみ感じます。よくも悪くも。
ある程度の刺激と待遇を得ながら働いていくなら日本企業や外資の日本法人、待遇を捨ててでも刺激を求めるのではあれば現地企業という感じでしょうか。あとは自分がどういう価値観の元に生きていくかですかね。
私は「枠組みに縛られない」ということを大事にしたいので、短期的に見ると現地企業ですが、それよりもまずは自分が思うように仕事を選べる足がかりとなるような実績と信用を作る方が、長期的なキャリアは広がると思います。そうなると、やはり力が発揮しやすい日本企業で働くのがベターであるとは思います。結局元に戻ってきた感はありますが、前職の場合は、他社で通用するスキルがほぼつかないので、判断が間違っていたとは思いません。(あとはモチベーションが低下していたので、続けていても多分だらだらしてしまっていました笑)
性格的に、たぶん一つの企業でずっと働くということは耐えられないので、それ相応の覚悟はもって、実績をあげていかなければと思います。
なにはともあれ、とりあえずは英語がんばるぞ!!
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