見出し画像

タイムズカーシェアのビジネスモデルを図解〜利用しやすいサービス?レンタカーとの違いは?

こんにちは!
野見山です。

4歳と0歳の2人の子どもがいることもあり、最近はタイムズのカーシェアを利用して休日を過ごすことが増えてきました。

そこで今回は、タイムズカーシェアのビジネスモデルを紹介します。
以下の内容を知りたい人向けです。

・カーシェアのビジネスモデルを図解で把握したい
・カーシェアとレンタカーの違いをユーザー視点で知りたい

■タイムズとは

・会社概要

社名:タイムズモビリティ株式会社
設立:1965年11月8日
資本金:500百万円(2020年4月30日現在)
従業員数:1,254人(2020年4月30日現在)
事業内容: レンタカー、カーシェアリング、自動車(中古車)販売

タイムズというと、「Times(コインパーキング)」を良く目にするかと思います。その駐車場事業を運営しているのがタイムズ24です。レンタカーやカーシェアリング関係のモビリティ事業を運営しているのがタイムズモビリティであり、両社とも親会社のパーク24のグループ企業となっています。

・市場規模

2020年のレンタカーとカーシェアリングの市場規模の見込みは6,700億円で、「所有から利用」といったシェアリングエコノミーの需要増加を背景に、拡大を続けています。

画像1

出典:パーク24 2019統合報告書

また市場規模とは別の観点で、カーシェア車両数と会員数の指標を見ても、カーシェア市場が拡大を続けていることが分かります。

画像2

出典:パーク24 2019統合報告書

・PEST分析

外部環境の分析として、直近のコロナの状況を踏まえたPEST分析です。

画像3

PEST分析をした結果、公共交通機関の代替でカーシェアの需要が増加している一方で、旅行・観光等の需要低迷からレンタカー需要が減少していることが分かります。

・直近の業績

直近の2020年10月期第3四半期の決算の業績を紹介します。昨年度までは増収増益傾向でしたが、2020年10月期はコロナ禍の影響を受けています。

レンタカー事業は旅行・観光需要の低迷から減収減益傾向。

画像4

出典:パーク24 2020年10月期第3四半期 決算説明会資料より

カーシェアリング事業は、コロナ禍の影響を受けたものの、公共交通機関の代替需要が増加したため、レンタカー事業ほどの影響を受けていないことが分かります。

画像5

出典:パーク24 2020年10月期第3四半期 決算説明会資料より

・主要KPIの状況

次に、タイムズの主要KPIである、①車両数、②拠点数を紹介します。2019年度の日本全体のカーシェアの車両数は34,984台のため、タイムズのカーシェア車両が全体の約7〜8割を占めていることになります。

画像6

出典:パーク24 2019統合報告書

■ピクト図で見たビジネスモデルの概要

タイムズのカーシェアのビジネスモデルを図解すると、以下のようなイメージです。

画像7

・ユーザーは月額費用を支払うことで、シェアサービスを利用できる。
・オンライン上で予約から決済まで行い、セルフサービスで車両利用。
・タイムズパーキングの駐車場を、カーシェア車両のスペースとして活用。

■ビジネスモデルキャンバスでポイントを把握

ビジネスモデルキャンバスで、ビジネスモデルを俯瞰的に見ると以下のとおりです。

画像8

タイムズカーシェアのビジネスモデル上でポイントとなっている、以下4点について確認を進めていきます。

①駐車場の空きスペース活用で顧客の利便性向上
②人手を介さない、いつでも利用できるサービス
③収益構造の他社との差別化
ユーザーの負担低減を意識したスキーム

■①駐車場の空きスペース活用で顧客の利便性向上

ビジネスモデルの特徴の一つで、グループ企業保有の駐車場スペースにカーシェア車両を配置しています。

業界No1の駐車場数を保持しているため、ユーザーはレンタカー店舗よりも借りられる場所が多い利便性を享受できます。

またグループ企業保有の駐車場スペースを保持していることが、他社に向けたカーシェア市場への参入障壁となっていると考えられます。他社がタイムズのビジネスモデルを模倣しようとしても多額の固定費がかかるためです。

■②人手を介さない、いつでも利用できるサービス

特徴その2が、予約・利用・支払まで全てをWebもしくはアプリで完結できることです。

僕自身の日々の使い方も、Webで近くの駐車場の車両を予約して、駐車場に出向いてタイムズカードをかざして即利用してます。手軽に利用できる点が気に入ってる点です。

レンタカー店舗と違って、営業時間に縛られる必要もないため、ユーザーにとってはいつでも・自由度高く利用できるサービスとなっています。レンタカーのように長時間利用でなくとも、気軽に短時間利用できるようになっています。

■③収益構造の他社との差別化

「15分220円からで、ガソリン代も不要で、どうやって利益を出しているのか?」

サービス利用当初に、僕が疑問に思ったことでした。その秘密は他社と差別化した収益構造の違いにあるのでポイントを紹介します。

収益構造

出典:パーク24 2019統合報告書

・グループ企業の駐車場スペースを活用しているため、駐車場代の固定費が削減となる。
・人手を介さずに運営しているため、レンタカー店舗でかかっているような人権費が不要となる。

■④ユーザーの負担軽減を意識したスキーム

シェアリング系のビジネスモデルを構築する際、ユーザーにとってリスク(負担)の少ないスキームになっているかが検討論点になります。

ユーザー数を増やすために、タイムズが工夫している点を紹介します。

・月額費用880円は当月に利用した場合は、利用料に充当される。利用した月は実質の月額費用はなし。
・運転マナーが良い、乗車中にガソリン給油などをする優良ユーザーが、サービス利用で有利になるポイント制度あり。

■おわりに

今回の記事では、タイムズカーシェアのビジネスモデルをお伝えしてきました!

身近なサービスを図解すると、色々と発見が得られたので、また別のサービスを取り上げたいと思います。

それではまた!

(次のビジネスモデル図解ではNewsPicksを取り上げています。)


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?