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初めてのレンズは何を買えばいい?の最終的な回答

夏が終わった瞬間に台風が来て、秋が凄まじい速さで駆け抜けようとしてます。もうすぐ紅葉の季節、そして街なかのイルミネーションも飾り付けを始める頃ですね。秋よ、速い、速いよ。

そんなわけで写真好きには美味しいシーズンです。早くしないとまた来年の春までせっかく買ったカメラが押入れの肥やしになりますよ。

今回は、「一眼カメラ買ったけど、まだキットレンズ以外のレンズ買ってないよ!」という方向けに何を買えばいいか?のお話です。

あ、一応私はプロカメラマンです。副業ですがまあまあ稼いでます。読んで損はない。ちなみに本業はエバンジェリストですから説明もわかりやすいはずです。この記事は趣味ですからちょっとダラダラするけどね。

さて、初めてのレンズは何買えばいいか?の回答から先にいうと、フルサイズのセンサーサイズのカメラなら50mmの大口径レンズで決まりです。(APS-Cなら35mm、マイクロフォーサーズなら25mm)

フルサイズ50mmという焦点距離(画角のことね)は、人間の見た目のパースペクティブ(遠近感)に最も近いと言われています。それだけに適当に撮影すると全く面白みのない写真になります。風景なら28mm以下だし、ポートレートなら85mmが定番です。ちなみにiPhoneはだいたいフルサイズ換算で28mmくらいで、最近機種のiPhone 11の超広角は13mmだそうです。(補正しているのでそれほどでもないらしいけど)

ちなみにこれが28mmのレンズの写真です。iPhoneで普通に撮ってもこうなるはずです。

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続いて50mmです。iPhoneだと2xのボタンを押すと近い画角になります。

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そして、これが85mm(正確には80mmくらいで撮ってました)

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1枚目の広がりのある写真と3枚目の背景をほどほどボカした写真はわかりやすいですが、2枚めの50mmはまったくもって普通です。

けど、この何の変哲もない50mmが美しい写真を撮れるようになるためのステップとしては最適なんです。ほとんどのカメラマンが駆け出しの頃師匠から「50mmの標準レンズですべてを写せるようにトレーニングしなさい!」と言われて育ちます。

アングルによっては中望遠っぽくも見えるし、そこそこ広角にも見せられる。全ては見せられないから画面の中を整理して必然的に主題と背景を決める必要がある。

これが28mmだと全部が入ってしまうので何も考えないし、85mmだと主題しか入らないので、背景とか考えなくなります。昔の人はなかなかいいこと言います。

今は一眼買ったらもれなくズームレンズが付いてきますが、昔は一眼買ったらもれなく50mmが付いてきたんです。

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左は親父の形見のPENTAX SP。私が生まれた昭和40年頃のもの、付いているレンズはSuper Takumar 55mm F1.8。中古カメラ屋に行くと3歩歩いたら当たるほど出回ってます。右はばあちゃんの形見のOLYMPUS PEN EED。付いているレンズはF.Zuiko 32mm F1.7 ちなみにPENはハーフサイズ、今で言うAPS-Cサイズのフィルムなので、フルサイズ換算で45mm。

こういう感じで、だいたいのカメラには45mm~55mmの標準レンズが付いてます。昭和生まれの人達の幼少時のアルバムには、標準レンズで撮った写真が溢れているはずです。ちなみにこの写真を撮ったカメラは、α6500とSigma 30mm DC DN F1.4の組み合わせで換算46mm。

古いカメラに標準レンズが付いているのは、トレーニングに最適だったというわけではなく、設計がしやすく安価に明るいレンズが生産できたという製造側の理由が大きかったりするんですが、そんなわけで中古オールドレンズ市場には標準レンズが溢れかえっています。

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これは親父の使っていたSuper Takumar 55mm F1.8をミラーレス一眼に付けて撮ったゆるふわ写真。背景の光があたっている部分のボケが玉になっていてきれいでしょ?

このレンズ、中古屋行ったら5000円位で買えます。お買い得でしょ。

俗に「撒き餌レンズ」と称される各メーカーが出している安めの単焦点レンズもだいたいこの標準レンズの画角のF1.8のものです。

F1.8とかF1.4とか書いてあるのは開放絞りの明るさで、数値が小さいほど明るく、また背景がよくボケます。キットのズームレンズは3.5とか4.5とかで、プロが使うものは1.4とか1.2とかもあります。

最近は、メーカーの技術水準の高さを誇示するのに、ハイエンドの標準レンズをリリースすることが多いようで、目が飛び出るほど値段が高くて、重くてでかい標準レンズが次々と出てきました。

もうこうなると気軽にお散歩スナップとかできませんね。(笑

それはともかく、こういう感じで50mmの標準レンズはあらゆる意味で標準レンズなのです。そして安価に美しいボケを楽しみたかったらF1.8あたりの安い標準レンズを買うに限ります。

で、買ったら買ったで今度は「10万とか20万とかするレンズとどれくらい画質が違うのか?という疑問も出てきます。だいたい腕が悪いと機材のせいにしますからね。ゴルフも写真も。

そんなわけで次は実際に標準レンズを撮り比べた結果を書こうと思います。

っていうかホントはその記事の予定だったのですが、前フリだけで終わっちゃった。^^;


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