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家が欲しい、20日目(一級建築士編)

夫が会社の仕事をお願いしたことがある建築士と話をすることに。

事務所にお伺いして数十分、話が弾まない…。一級建築士がこういう感じなのかこの人独特の空気感なのかわからないが、わたしも社交的なタイプではないので本筋と関係ないおしゃべりをするよりは全然良い。が、それにしてもリズムが謎だ。
各部屋をこのような感じにしたいです、と作ったイメージマップを検討中物件の情報と一緒に事前に送っていたのだがそれについてもほとんど触れられず、私たちの話を黙って聞いている。Siriに話しかけた時の画面みたいな人だな…。私話しすぎかしら、と思うくらいリアクションがないので自然と口数が少なくなってしまう。そして無言の時間が流れる…き、気まずい。リノベーションに浮かれすぎてあまりに現実離れしているのか、はたまた無言の否定なのか…同じことを2度言う勇気はないままどんぶらこどんぶらこと流されていく。何かのタイミングで「先ほどのはこういう感じですか」と持ってきてくれた写真集はドンピシャで「あ、聞いてくれてたんだ、ていうか伝わってたんだ!!」とびっくりした。その後もリアクションはないが的確に意図を汲み取ってくれているので、敬意を込めて心の中でAIメガネとお呼びすることにした。
写真を見たりしている中で「この仕様はダサいから嫌」と伝えたかったのだが「この仕様が好きかもしれないな、えーとダサいじゃなくて…好きじゃないですって言い方がいいかな?」と一瞬言葉を選んでいたら「あ、それダサいですね」とハッキリバッサリ言ったので、ものすごく良いな!となった。好きが一緒の人より嫌いなものが一緒の方がうまくいくと思うので一気に信頼できた。
レンガセカンドの間取りを見てもらい、もしかしたら風呂の壁が抜けるかもとなり、次回内見に同行してもらうことになった。その辺が自由に動かせるならレンガセカンドで決まるかもしれない…。夫は前向きだ。私はどうだろう、うーん虫…道…まあもう一回見てみて…とまたしても曖昧にしてしまった。

帰り際にAIメガネが「ここどうですか?散歩してる時に見たんですけどかっこよかったです」と言ったのは何回か内見候補に上がっている物件だった。エリアが少しズレているのと、夫が玄関が向かい合っているのは嫌だと言ったのでなんとなく気になるままになっていた。3階でベランダに花壇有りというのもよくわからず二の足を踏んでいたのもある。斜めに段々になっているベランダが「ミサトさんのマンションみたいだな」と思っていたのでつい「これエヴァみたいな」思わず口にしたらAIメガネが「ああそうですね」と少し笑ったのでAIも笑うんだなーと思った。帰り道だったので外観を見て帰ることにした。

最終的にAIメガネに我が家をお任せしたいとなったのはダサいの感覚が一緒だったのと、率直で忖度がないところ、エヴァのマンションが通じたところにあるかもしれない。
あと「普通」を言わないところだ。
夫と 家の話を始めたときに普通はやめようねと言った。奇抜にしたいというわけではなくて、わたしたちが住むんだから「一般的にはどうなのか」より「私と君がどう思うか」を話し合おうね、と決めたのでAIメガネのスタンスはとてもうまくいきそうだなーと思った。





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