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時空間を超えて苦手だった祖父からもらったメッセージ。

GWno旅が続いている。
昨晩は昨年12月に亡き友と泊まった宿に滞在しラウンジの本棚を眺めていたら、会津出身の作家コーナーみたいなところに母方の祖父の本を発見。

少し前に父の話をした

今度は母方の話

母の父は、簗取三義という。


小説家と日本酒の評論を生業にしたそうで、昭和の時代、神田で出版社などを経営していた。

二等兵物語という小説が当時ベストセラーとなり映画化されたそうだが、入ってきたお金を酒と女に使ってしまい、おめかけさんとの間に子供を何人もつくり・・と朝ドラに出てきそうな話だけど、当時はそういうことがあちこちであったんだろうな。女性が苦労していた時代、寅子ちゃんも頑張っているし・・。自由な時代と環境に置かれた自分を心からありがたいと思う。


祖母や母たち子供はとても苦労したとずっと聞いていた。
会津の貧しい農家の出身だったそうだが、急に入ってきたお金が彼の身を滅ぼしてしまったのか・・・。

母から、あまり良い話を聞かなかったこともあり祖父の印象はよくなかったが、私は直接何かされたわけではなかったし、そして賄賂(?)をたっぷりもらっていた気も・・。
夏休みや正月に祖父の家にいくと、孫の私たちによく万札を、財布から直接出し裸のままくれた光景を思い出す。

賄賂が功を奏したのか、祖父を真っ向ら避けることはなかったのだが、
同時に実は子供ながら、なんでこの人は優しい言葉をかけることもないのにお金をくれるんだろう?という違和感もあったのだ。

今思うと祖父は子供の私たちにどう接したらいいかわからなかっただけなんだろう。でもとにかく幼い私には祖父は良い印象ではなかったのは事実。

そんな祖父の印象が変わってきたのは最近。
仲良くさせてもらっている霊能者の友人とランチをしていた時に、今後の私に必要なこと、として「祖父の本を読みなさいと伝えてと言っている」とのことで・・・。
彼女は人間としてまっとうな方なので、素直にアドバイスを聞き入れ実家で祖父の本を初めて読んだのが半年前。

実家を漁り読んだ本は、昭和初期のヒット作だったらしい「二等兵物語」という小説。映画にもなった戦争で兵隊に駆り出された祖父のノンフィクション。



ベストセラーといっても、現在まで増刷されるようなものでもないので期待せずに読んだが、なかなか楽しめたことと、祖父は祖父なりに世界と向き合ってきたことがわかった。

酒癖と女癖が悪くて、堪え性がなくて、そんな自分が嫌いで、去勢をはっていたんだろうなと。貧しくて大学に行かれなかったことを悔やんでいたと言っていたし。だから苦学生ながらも高学歴な父のことを罵倒したんだなとか。

要するに祖父は生き下手くんだったんだな・・・私に似てるじゃん。
自分に自信がないあまり、去勢を張って頑張って生きてきたんだな。

と、そんなこんなで私の中で、祖父が割と身近に感じるようになってきていた今日この頃。
まさかこのタイミングで祖父に本に再び出会うとは思ってもみなかった。

昨年12月は全く気づかなかった。
会津出身の作家の本がたくさんあったので、多分その頃も同じようにそこにあったはずだけれど。


昭和の初期の頃の年季が入っていたが、紙質や印刷がレトロで味わい深い。

めくってみると冒頭にこんなことが書いてあった。

物事をなんでも難しくして喜んでゐる人があるが、何も難しくしなくても解るのを難しくする必要はないではないかと思ふ

大地に唄ふ  簗取三義   


ありゃーこれ私のことじゃないかと、ガツーンと来た。

夫によく、ややこしくするな、と諭される。
わざわざ難しくしているつもりは毛頭ないのだけれど、いろいろ考えているうちに、いろんな人の顔が浮かび、みんなにとってよいようにと思うと、物事がややこしくなるのだった。


最近はだいぶ、そこが削ぎ落とされた気がしないでもないけれど、まだまだやっぱりそうなんだろうなと。

亡き親友が連れてきてくれた宿で亡き大昔の祖父からのメッセージ。
肝に銘じたいと思う。


時空を超えて全ては繋がっているんだな。


物事を難しくしない。真面目な私には結構難しいことでもあるのだけれど、夫にもいつも言われていることでもある。

ご先祖様レベルで、問題なんだなー。全力で止めにかかっているような・・。

心がけたいと思う。

昨晩止まったお宿は、こちら

今日は実は感動的なお部屋に泊まっている。またそこもあらためて記したいと思う。

自分のことばっかりの話を最期まで読んでくださってありがとうございます!

感謝です



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