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乱筆感想「怪盗スライ・クーパー」義賊アライグマ一族の秘宝を巡る冒険

はじめに


今回は、2003年3月6日に販売SCE・開発サッカーパンチプロダクションズよりリリースされたPS2用タイトル「怪盗スライ・クーパー」についての感想を綴っていきます。
本作はリリース後も根強い人気があり、PS3用タイトル「スライ・クーパーコレクション」や、つい先日配信されたばかりのPS4/PS5用タイトル「怪盗スライ・クーパー」としてリマスター化されていたりします。
筆者は後者のPS5版をプレイしての感想となっています。

ちなみに開発は「Ghost of Tsushima」「inFAMOUS」を開発した"サッカーパンチプロダクションズ"であり、上記二作品をプレイした事があるが、スライ・クーパーは未プレイという方が多いのではないでしょうか?
遊んだ事はないものの興味はあるという方は、是非とも参考にしてもらえると幸いです。

2020年発売で、"元"の襲来に蹂躙される対馬を描いた侍オープンワールドゲーム。
この作品でサッカーパンチプロダクションズを知ったという方が多いのではないだろうか。


あらすじ

本作の主人公アライグマの青年"スライ・クーパー"
代々義賊の家系に生まれた彼は悪党からしか盗みを働かない怪盗である。
そんな彼は幼い頃に、一族に伝わる秘伝書「ラクーナの秘伝書」を巡る争いによって、父を悪党集団"デアボリック・ファイブ"により殺害され秘伝書を奪われてしまう。

「ラクーナの秘伝書」
先祖の残した秘術が記載されている。
いくつかのステージの金庫に厳重に1ページずつ保管されており、入手する毎に各先祖の秘術をスライが習得できる。

養護院で暮らす事になったスライは、そこで相棒となる、亀の"ベントレー"とカバの"マーレー"と出会う。
成長したスライ達一行は秘伝書を取り戻すべく、世界に散ったデアボリック・ファイブに立ち向かう事になる。



登場人物や物語について

怪盗"スライ・クーパー・ラクーン"
一族の秘伝書を取り戻すために奔走する、クールで仲間思いの主人公。
後述のカルマリータ警部を気にかけるような仕草が見かけられる。
天才ハッカー"ベントレー・ワイズタートル"
IQ255越えの頭脳明晰な彼は裏方として、現地でのスライの補佐を担当
運転手"マーレー・ザ・ヒッポ"
ドジっ子キャラの彼は各地でトラブルに巻き込まれるもののスライ達の手助けもあり大活躍?を多々成し遂げる。
宿敵"カルマリータ・モントーヤ・フォックス"
ルパン三世の銭形警部的ポジションの彼女。
敏腕エリート警部でスライを捕まえるべく世界を駆け巡る。

世界各地に散った"デアボリック・ファイブ"のメンバーを追う中で、アメリカ・イギリス・中国・メキシコなどのステージを巡ることになります。
メインキャラと同様に敵ボス達も生物をモチーフとしたキャラ作りがされていて、作品の雰囲気としては「ラチェット&クランク」や「ジャック×ダクスター」に近いといえます。

メンバーの一人
"パンダ・キング・ザ・カンフーマスター"

物語の描き方に関しては、そこまでボリュームがあるわけではなく、ステージ開始時とクリア時に必要最低限の各ボスの生い立ちから撃破後の動向が描かれているといった感じだ。
この点に関しては、筆者は物語性ではなくアクション性を求めて今作をプレイし始めたので、特に問題は感じませんでした。


怪盗設定を活かしたステルスアクション

まず最初に、このスライ・クーパーには体力ゲージなるものが存在しません。

UIの一切ないスッキリとしたゲーム画面。
情報量が少ない分、没入感の高さが生まれている。

「アクションゲームなのに体力ゲージが無いの?」と思われた方もいるでしょう。
それはなぜか…
それは、敵のワンパンを食らったら一発ノックアウトだからです。 

ダメージを受け倒れるスライ。
倒されると直前のチェックポイントに戻されてしまう。

シビアな体力設定ですが、スライは怪盗であって戦士という描写がされていないという点や、後述する怪盗らしさを引き立てるステルスアクションも相まって、違和感なくシビアなアクションに打ち込む事ができました。

敵にはそれぞれ視界が設定されているので、基本的にはそれを避けた行動をとることになります。
敵にもよりますが、ライトによる視界の可視化がされており、専用モーションの用意された物陰に隠れてやり過ごすステルスアクションや、背後から忍び寄って撃退といったアクションが可能です。

奥の敵に気づかれぬよう物陰で息を殺すスライ。

敵もスライと同じくワンパンで倒せるため、常に生と死が隣合わせの対峙となり、簡単操作性のライトなアクションゲームながらシビアさもあるというメリハリの効いた物となっています

アクションの雰囲気としては、ガラメカのないステルスメインの「ラチェット&クランク」を想像してもらえると分かりやすいかもしれません。


ガラメカ的武器の不在

先祖代々伝わる「セプター(杖)」を使ったアクションのみで、基本的には殴るといった選択肢が殆どでアクションの幅が狭いと感じました。

各年代・地域で活躍した先祖達も愛用したセプターが確認できる。

ラクーナの秘伝書のページを入手する毎に秘術が増えていき、"ローリング回避、スローモーション攻撃、目眩まし、設置型爆弾、デコイ設置、落下・水没死無効化"等が使用可能になります。
習得する事でアクションの幅が一応は広がるのだが、予備動作が長く使い勝手の悪い技が多く、使用技がだいたい定まってしまうのが幅を狭めてしまっていて残念でした。

ワンパン死のゲーム性とは合わないかもしれないとは思いつつも、飛び道具や爆弾(投擲)のような武器の追加や、秘術が全体的に扱いやすく仕上がっていればアクションの幅に広がりが出て良かったのではと感じます。


ペナルティ少なめ救済要素は多めに

シビアな面を持つとはいえ、全年齢対象の作品らしく救済要素も設けられており、「オメガシールド」という一度の攻撃だけを防ぎ壊れてしまう防具が用意されています。
このオメガシールドは、蹄鉄のようにも見える「Ω」型の物をスライが背負う形で表示され、一つ所持で"銀色"、二つで"金色"と変わってきます。

背中で銀色に輝いている蹄鉄のような物が「オメガシールド」
敵の攻撃や落下死から一度だけ守ってくれる。
(金Ωは2回ガード可)

他にも救済要素が用意されていて、今作には「残機」があるのですが、それがほぼ意味がないと言ってもいいほどに残機を使い果たしてもペナルティが軽いのです。
ただステージの始まりまで戻されるだけであり、死亡を重ねると"オメガシールド"を付与してもらえるので逆にお得と言ってしまってもよいでしょう。

様々なジャンルの用意されたステージ 

通常のアクションパート以外とは別の、様々な形式のステージが用意されているのも、今作の特徴です。

宝箱を蟹に持ち去られないようにしながら宝箱を破壊するシューティングゲーム(以下STG)
追尾カメラによるマーレー護衛STG
彼もワンパン死なので迫りくる敵に要注意だ。
レースステージも存在し、
ニトロを使ったブーストレースが味わえる。

その他にも鶏を時間内に捕まえるものや、移動式タレットで突き進むステージ等があり、バラエティに富んだステージ構成といえます。


サクッと遊べるボリューム面

スライクーパーは最近の肥大化した作品群と比べると、ボリュームが少ないと感じてしまうほどにコンパクトに内容が収められた作品です。
目次の「登場人物や物語について」で触れた内容が主軸として存在し、その過程で各ステージ毎に存在する宝箱を開けるために必要なボトル集め(1ステージ20~40本ほど)とタイムアタックのやり込み要素くらいしかないのです。 

本作は全てのボトル集めをしたとしても、6~7時間ほどでクリアできてしまいます。
これは人によってはマイナス点にもなりえる部分だと感じます。

画像は筆者のプレイ時間(右下)

筆者はPS3版経験者だったのでクリア時間に関しては特に不満は感じなかったのですが、やはりやり込み要素に関しては、同時期発売で同系統作品の「ラチェット&クランク」と比べてしまい少ないとは感じてしまいます。
逆に言えば、サクッとしたアクションゲームを遊びたいプレイヤーからすると丁度良いと言えるでしょう。


おわりに

個人的には、なかなかに楽しめた作品でした。読者の中で、もし興味を持たれた方がいればPS+プレミアムに加入すれば遊べますので、是非とも遊んでみてください。
長くなってしまいましたが、ここまで読んでくださった方、ありがとうございました!

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