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経営者から信頼されるための4ステップ

コンサルタントとして仕事をしていくうえで、お客様である”経営者”から信頼を得るということはとても重要なことです。経営者から信頼されずに、経営コンサルタントとして成功するということはあり得ません。私自身もまだまだ経営者から信頼を得るということに関しては道半ばですが、これまで経験してきたことで、少しでもお伝えできることを共有したいと思います。

◆経営者という仕事と役割を知る

友人から信頼を得るために、その友人が何を大事にしているかを知るのと同じように、経営者から信頼をされるためには、まず経営者にはどのような人が多いのか、経営者とはどのような役割をしている人なのかを知る必要があります。
 経営者とは誰もが知っている通り、「会社の経営をしている人」です。
 経営者の仕事は、会社の経営をすることで、経営という仕事は「会社の方向付け」「資源の最適配分」「人を動かす」という3つに分類されます。
そして、その経営という仕事を通じて、どうすればお客様にもっと喜んでもらうことができるか、会社で働く社員をどのように幸せにしていくか、社会に貢献するために何をすべきか・・・などを考えるのが経営者です。
 

 経営者の判断によって、会社は良くも悪くもなります。経営者が判断を間違えると、最悪の場合、会社が倒産します。
倒産すると、お客様、取引先、その会社で働く従業員に多大な迷惑をかけます。迷惑をかけるという言葉では足りないくらい、お客様や社員の人生に大きな影響与えます。当然、社員には家族がいる人もいます。その会社の業績が悪化したり、倒産したりすることは、社員だけでなく、その社員の家族の人生にも大きな影響を与えます。※ここでいう大きな影響は、マイナスの影響です。

つまり経営者というのは、お客様、取引先、そして働く社員とその家族など、多くの人の人生を背負っている存在です。
経営者にとって何か判断をするというのは、多くの人達の人生を背負っての判断ということになります。そのため、何かを判断をする際、「まぁよく分からないけど、これでいいか」というような中途半端なことで判断する経営者は1人もいません。もちろん、リスクや金額の大小によって程度の差はありますが、会社に影響のあるものにおいては、「本当に会社のためになるか、会社のために必要か」ということを考えた上で判断されます。

経営者が簡単に人を信用し、そして万が一それが間違っていた場合・・・会社は大きな危険にさらされます。そうならないためにも、経営者は他の社員と比較して何倍も人を見る目が厳しく、経営者から信頼を得るというのはハードルが高いということが想像できると思います。

◆経営者から信頼を得る4つの段階

経営者から信頼を得るといっても、最初から全幅の信頼を置いてもらえる関係になることはありません。

私は経営者に信頼をしてもらうためには、次の4つの段階があると考えます。

【第一段階】 直接会って、話を聞いてもらえるレベル
 (アポイントがもらえるか)

【第二段階】 経営者から話をしてもらえるレベル
(ヒアリングをして、悩みを打ち明けてもらえるか)

【第三段階】 提案したことに対して、受け入れてもらえるレベル
 (お金を頂いて仕事をもらえるか)

【第4段階】 経営者から信頼されるレベル
 (この人の言ったことなら、大丈夫だと思ってもらえるか)


1.第一段階は、アポイントをもらって、話を聞いてもらえるレベルになることです。

この段階でのポイントは、「身だしなみ」「ビジネスマナー」、「一般常識」(日経新聞を読む)だと思います。

これは経営者に限った話ではないですが、身だしなみや一般常識がない人とは、なかなかアポイントを頂くことは難しいと思います。
たまたまどこかで経営者の方とお会いする場があったとしても、身だしなみやビジネスマナーのない人の話を聞いてくれるほど、経営者は暇ではありません。
最低限の身だしなみ、ビジネスマナー、そして一般常識があることが、この第一段階をクリアする条件だと思います。

また一般常識があることも1つの条件だと思います。一般常識というのは新聞に書いてあることぐらいは知っておくというレベルです。
有難いことに、私が新卒で入社した会社では、毎朝、日経新聞を読むように言われてきました。人材サービスの企業で、経営者への新規営業をする仕事でしたが、経営者と話をするのに、日経新聞に書いてあることを知らなくては会話ができないと教えられました。
日経新聞にも、世の中で起きた全てのことが書いてあるわけではありません。世の中で起きている出来事のうち、新聞社が抜粋して特に知っておくべきニュースを取り上げてまとめているのが新聞です。それぐらいは知っておかないと、経営者と話をすることはできません。
逆に言うと、日経新聞を毎日読んでいれば、共通の話題として、経営者と会話することができるようになります。

2.第二段階は経営者から話をしてもらえる。悩みを打ち明けてもらえるレベルになることです。

ここでのポイントは「誠実さ」「素直さ」、「根気強さ」だと思います。

経営者と会話ができたとしても、世間話をしているだけでは、仲良くなることはできても、信頼を得ることはできません。
コンサルタントとしての仕事は、企業の課題を解決するためのアドバイスをすることです。そのためには、まず企業の現状を知り課題を整理することや、経営者が何について悩んでいるかを知らなくてはいけません。
ただ、皆さんも人生の経験上分かると思いますが、自分のことを誰に対しても話せる人は少ないと思います。まして、弱い部分や悩みやとなるとなおのこと他人に話すのはハードルが高くなります。
経営者から、企業の課題や経営者自身の悩みを聞くことは、とても大変なことです。

経営者が自分の悩みを打ち明けても良いという関係になるには、経営者が課題・悩みを話したくなるまで「誠実に」、「素直に」、話を聞き続ける姿勢が大事だと思います。
誠実さは話を聞く姿勢に現れます。素直さは話を聞くときの反応に現れます。経営者から悩みを話してみようと思われていない段階で、自分から「御社の課題は何ですか?今悩んでいることはありますか?」と聞いてしまうと、表面的であたりさわりのない回答しか返ってきません。

話を聞いて、聞いて、さらに聞き続けた先に、経営者から「この人は誠実に話を聞いてくれる人だから、自社の悩みを少し話してみてもいいかな」という感情が生まれるのだと思います。

3.第三段階は、提案したこで仕事をもらえるレベルになることです。

この段階でのポイントは、「お客様のことを良くしたいという思う気持ち」「提案力」です。

大事なのはお客様の企業を良くしたい、この経営者のためになんとか力になりたいという気持ちです。その想いが、良い提案につながりますし、必死に考える原動力になります。
それがなく、単に自分の出来る範囲のことで、キレイに作った提案というのは、経営者に響かないことが多いです。
最低限の論理的な根拠などは必要だと思いますが、最終的に経営者がこのコンサルタントに仕事を任せてみようと思うかどうかを後押しするのは、この「想い・熱意」という部分も大きいのではと思います。
※ここについては、また別の機会に詳しく書きたいと思います。

4.第4段階は経営者から信頼されるレベル
 (この人の言ったことなら、大丈夫だと思ってもらえるか)

経営者から信頼を得るために、第1~第3段階を経て、この最終段階で信頼して頂くためのポイントは、「実行力」と「成果・結果」だと思います。

最初にも書きましたが、経営者は、会社を存続させる責任を背負っています。その判断1つで、多くの人の人生に影響を与えます。

そのため、どうしても「成果・結果」からは目を背けることはできません。最後はやはり、経営者が期待する成果・結果をだすこと。その結果を出すための実行力があるかどうかが、信頼を得るポイントになるのだと思います。

もちろん、たった1回結果を残しただけでは信頼を得ることはできないですし、何回結果をだせば信頼を得られるかは、経営者によっても異なります。何度も何度も結果を出していくうちに、信頼してもらえるコンサルタントになるのだと思います。


◆最後に
私の経験上、経営者とはとても孤独な存在です。いくら信頼をしている経営幹部であっても、やはり経営者からは言えないこともあります。経営者自身が弱い部分を見せるという事、弱音を吐くということは、社員の前ではほとんどありません。弱音を吐いてしまうと社員全員に大きな不安を与えるからです。
そんな経営者にとって、コンサルタントとは、社内では言えない悩みをも聞ける存在であるべきだと私は思います。

今回のコロナのように予期せぬ事態で経営が厳しくなった時、経営者が本当に困っている時、苦しい時に隣で話を聞ける存在になっていれば、経営者に信頼されているといえるのだと思います。

私自身、まだまだそこのレベルにはなれていないですが、そうなるように日々精進していきたいと思います。

最後まで読んで頂き、ありがとうございます。


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