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災害支援キャンプ報告

こんにちは
のまはら学生スタッフの尾山です。

今回は、先日で開催された「災害支援キャンプ」の報告を行いたいと思います。5回目の開催を迎え、前回よりもさらにアップデートした内容も盛り込まれ、充実した1泊2日のキャンプとなりました。

(この活動はJR西日本あんしん社会財団の助成を受け実施しました)

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コロナ禍のため、もともと開催予定であった9月より約2ヶ月遅れての開催となりました。

1日目は午後からスタート。早速、講師の方をお招きし、災害ボランティア講座が始まりました。

災害ボランティア講座

奈良県社会福祉協議会の川口均先生より、「災害ボランティアのすすめ」をテーマに約1時間ご講義いただきました。2011年紀伊水道大水害を始めとし、過去に国内で発生した自然災害から、災害ボランティアのあり方を学ぶことができました。

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災害ボランティアと聞いてイメージしやすい災害直後の復旧作業だけでなく、避難者の心を癒すボランティア活動や地域の地場産業を立て直す支援など、様々なケーススタディに基づいたお話はとても勉強になりました。

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最後には、防災の備えに関する簡単なワークショップも行い、予定時間をオーバーするほど充実した内容でした。

トランシーバー

続いて、今キャンプの大きな目玉である、トランシーバー訓練を行いました。最近では、ネット電話などが普及しトランシーバーを使う機会は減りつつありますが、災害の備えとして各自治体で配備が行われるなど、緊急時には有用な情報伝達手段である点は間違いありません。

水や衝撃に強いタフさや山間部でも圏外になりにくい一方、同時通話ができない特性を理解し、通話時の順序やマナーを学ぶことで、現地でトランシーバーを使いこなせる人材を育成することが目的でした。

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代表の高橋さんの簡単なレクチャの後、トランシーバーの操作に慣れながら、2人で協力し迷路を解くゲームを行いました。

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離れた場所から、迷路の答えを見ながら道筋を伝えるプレイヤーと、指示に従い限られた時間の中で迷路を解いていくプレイヤーの2人組で行うものでした。迷路の印刷された紙の上には、半径2cmの穴が開いた紙が置かれ、解答者は迷路の全体像を見ることができません。

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4組のうち前半2組は、制限時間内にゴールにたどり着くことができずリタイア。何マス分進んでどちらに曲がるのか、平面地図のため難しくないように思いますが、トランシーバーの発信者と受け手の相互理解がずれると、すぐに迷子になるパターンが見られました。

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また、伝えることに意識がいき、通話をするためのプレスボタンを押さずに話し始めたり、逆に押し続けて相手の声を遮ってしまうなど、指示が明確に伝わらないこともあり、普段使う電話との違いに慣れが必要だとも感じました。

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その中でも、ついに3組目でゴールに到達!
カギは、「突き当たりまで進む」といった受け手にわかりやすいメッセージと、万が一道を外れた際の対応策として、ポイントごとにつけられた印でした。視覚的に判断できる情報を伝えていくことで伝達ミスを防ぐと共に、リスクマネジメントも同時に考えることで、やり直しを最小限に抑えていました。

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さすがのうまさに、思わず唸りました・・・

ポリ袋ご飯作り

場所を、農園近くの野外活動センターに移し、ポリ袋を使った夕食作りが始まりました。今夜の夕食のラインナップは

・ポリ袋で炊くご飯
・にんじんバターライス
・鶏肉のトマト煮込み
・肉じゃが(コンロ調理)
・焼きいも

災害時にガスや電気が止まったことを想定し、直火での調理を体験しました。さらに、食器の用意が必要なく、配膳の手間をも省くことができる点でアウトドアの場面で特に活用されるポリ袋ご飯に挑戦しました。

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まずは、火起こしから。ファイヤースターターを使って、紙に火をつけ、順に火を大きくしていきました。マッチ棒に比べ水に強く、場面を問わず火を点ける際に活躍するファイヤースターターは常備していて損はないと思いました。

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同時に、食材を切り分け順にポリ袋に入れていきます。(写真は鶏肉のトマト煮こみ)。人数分に等分する作業は、なかなか時間がかかりました。人数が多くなってきたときに、どれほど実用性が必要であるか、さらに検討が必要だと感じました。

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そして、火起こし班の頑張りにより直火で沸騰に近い状態までもってきた大鍋の中へin!ポリエチレン袋を使用していたのですが、鍋の内側に接触しすぎるあまり、溶けて水が流入してしまう袋がちらほら。耐火性の袋を用意するか、鍋に直接触れない工夫が必要だと感じました。

待ちに待った夕食

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ぐつぐつ煮ること数十分
遂に、全ての料理が完成しました。

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いざ実食。予想以上のおいしさに驚きの声があがりました。バターライスは芯の残り具合アルファ米に似た食感で、とてもおいしく食べることができました。トマト煮込みは、玉ねぎやナスの火の通り具合があと一息というところでしたが、とても食べやすかったです。

課題はもちろんありましたが、屋外でみんなで囲む食事のお陰か、おいしさも倍増しあっという間に完食しました。

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夕食後は、火を囲み懇親会を兼ねた反省会ということで、大いに盛り上がりました。標高500mだけあって、夜は5℃を下回るくらい冷え込み、火はジーンと暖かかったです。

2日目朝食

2日目の朝食も引き続き、ポリ袋とアルミホイルを使った調理法を実践しました。

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直火の火力で中が焦げ付かないよう2重にアルミをまくなど工夫しながら、火の上へ。コンロと違い直火は火力が常に変化し続けるため、逐一コントロールしながら調理を行うことは、技術が必要だと痛感しました。

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2度目ということもあり自然と役割分担が行われ、作業もスムーズになったため、約1時間で朝食を作ることができました。

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片付けのち

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朝食後は、片付けのちセンターを退所するため、リヤカーで坂を駆け下ります。アスレチックで体を鍛えて、農園へと帰りました。

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まとめ

初の11月開催でしたが、次回の3月につながる貴重な経験となりました。トランシーバーやポリ袋調理など初めての体験も多く、しっかりフィードバックを行い、これから準備していく「災害支援キャンプ冬」にも活かすことができればと思います。

長文読んでいただきありがとうございました。
それではまた次回!

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