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自分と一緒に過ごすこと


一人で旅をしていると言うと「寂しくないの?」と聞かれることがしばしばある。


寂しいと感じることが全くないと言ったら嘘になる。フランスの南部でチャリ野宿旅をしていた時、2週間ほど一人で過ごしていたら、さすがに他の人との会話が恋しくなった。

でも基本的には一人でも十分楽しい。


I like to be alone. 一人でいることが好きだ。
I like to spend time alone. 一人で過ごすのが好きだ。

というと、他人とは過ごしたくない、友達との付き合いは好まないと思われることがあるが、そうではない。一人が好きなことと、他人といるのが好きなことは矛盾ではないと思っている。


唐突だが、英語にCompanyという言葉がある。
「会社」という意味もあるが、ここで指しているのはそれではない。ぴったりと当てはまる日本語の言葉がみつからないが、強いて言うなら「いっしょにいること」「付き合いをもつこと」。


例えば

(1) Do you need some company? 一緒にいてあげようか?

(2) Thanks for keeping me company. 付き合ってくれてありがとう。

(3) Keep company only with those who uplift you. 自分を高めてくれる人とだけ付き合いなさい。


私が一番好きなのはこれ。

Enjoy your own company.
自分との付き合いを楽しむ。


自分という人間とは、死ぬまでの付き合いだ。
どんなに好きでも嫌いでも決して離れることはできない。楽しい時も辛い時も、成功してる時も、うまくいかない時も、常にいっしょにいるのは自分だけだ。

だからこそ楽しまなきゃ損である。


一人の時間が耐えられない寂しがり屋さんは、自分との付き合いを避けているのかもしれない。テレビを見たり、仕事を詰め込んだり、友達と会う約束を必死に組んで、雑音で自分の声をかき消そうとする。

でも周りに100人固めてごまかそうとしたって、孤独な人はどこまでも孤独である。寂しさをなくすには自分という幼馴染がいることに気付き、うまく付き合っていく以外に方法はない。


Enjoy your own company は「自分に優しくする」や「自分を慰める」とも少し違う。うわべの励ましや、機嫌取りのような態度は、自分には簡単に見透かされてしまう。

ただただ「一緒にいる」だけでいいのだ。

日向ぼっこがしたいらしい、散歩に連れて行ってあげよう。
悲しそうだから、ビールでも飲みながら思いっきり泣かせてあげよう。
今日の夕飯を何にするか、一緒に考えよう。
めんどうな用事があるらしい、付き合ってあげよう。

おだてもしない。非難もしない。ただ寄り添うだけ。

If you make friends with yourself, you will never be alone. (Maxwell Maltz)
自分と友達になれれば、独りになることはない。(マクスウェル・マルツ)


そうしてはじめて、他の人に対しても
Good company (いい友達、仲間)であることができるのだと思う。


2020年11月19日 千葉県南房総より
もえん






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