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恋に落ちてもいいが、恋人はいらない。

エピローグ epilogue

寂しい。
会いたい。
人肌恋しい。

ひとりぼっちが怖い。

この部屋で1人になるのが本当に怖い。

今すぐ、抜け出したくなる。

今すぐにでも、バックパックひとつで、世界中を旅したい。

孤独に感じないから。

旅をしている限り、今まで経験したことがない世界が広がっていて、

新しい情報をぐんぐん吸収することができて、
心が一気に満たされる。

私は1人じゃないよ、怖くない。

と感じる。

恋に落ちてもいいが、恋人はいらない。


私にとっては、人生そのものが旅であれば、
それ以上何もいらない。

つまらない、平凡な日常になったら、負け。

でも、ある日
誰かを恋しくなって、何も考えられないほどになったら、どうしたらいいの?

誰かを追い求めて、
会いたいって執着して、
遠慮して、
外から見たら明らかに恋をしていて、
緊張して自分らしくいられなくなって、

最後は距離を取られてしまうのが本当に怖い。

まったく取り繕っているわけではないのに、
本当の自分を出せなくなって、
自分の中では納得のいかない私の姿が、彼の前には現れる。

もじもじしている、か弱い私。
自分から行動を起こせない私。
返信を待ってうずうずしている私。

どれも、恥ずかしい。私ではないと感じる。

認めたくない。

向き合いたくない。

意図せず、つまらない人生になっているような気がする。

自己肯定感が下がる。
彼のことで頭がいっぱいで、好奇心が劣化していく。

彼と一緒にいれば、もう二度と冒険する必要がない。
ずっと一緒にいたい、離れたくない。
あなたの袖を掴んでいるだけでいい。
あなたの肌に触れていたいだけ。
あなたのことをもっと知りたい。

彼といる私は、

まさに空っぽ。


わかっている。
これは、私の問題であり、私の勝手。

でも、あまりにも痛くて、怖くて、
これ以上一緒にいられない。

私は私らしく生きて、
あなたはあなたらしく生きて。

バックパックを片手に、

さようなら。





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