就活と恋愛と自分自身の確立①~就活の軸~

2023年4月。
大学3年に進級。ガイダンスの日早々から卒業後の進路、そして就職の話をされる。私はこの頃、特に行きたい業界も無かったし、どうやって就活を進めればいいか正直分からなかった。

同じ時期に、新しい場所で接客業のアルバイトを始めた。地元の小さな喫茶店だ。以前にも接客をメインとした飲食店のアルバイトを2年半ほど経験はしていたので、ある程度は慣れていた。しかし、以前のバイト先ではただ料理提供するだけ…そしてたまに受けるクレームの対応…正直、嫌々バイトしてる面もあった。私より後に入った後輩の子も2ヶ月ほどで辞めてしまうくらいだった。そんな中、2月末に閉店するまで私は必死でアルバイトを続けた。そして4月、現在のアルバイト先である喫茶店で接客をしている。

ここでは、一緒に働くパートの方も学生の方も、下の名前で呼び合うほど距離が近く、とにかく温厚な方が多い印象だった。お客さんも常連さんが多く、とても新鮮な場だった。そこで1、2ヵ月くらいしてくると、常連さんを始めとしたお客さんに感謝されたりすることが多くなった。私にとっては非常にやりがいを感じた。「ありがとう」という言葉がとても好きになった瞬間でもあった。

私自身、人と話すことも好きでおしゃべりだ。そこで、就職先は人と直接コミュニケーションをとることで、直接感謝される場で働きたいと思った。これが今の「お客様の役に立つこと」という就活の軸に繋がっているのだ。

2023年6月。
かの有名な就活サイト「マイナビ」主催の合同企業説明会に参加した。ここが就活の始まりだ。まずはどんな企業があるかを調べるために、友達と共に足を運んだ。いくつもいくつも話を聞くのは正直大変だった。でも、そこで私は良い発見が出来た。

「百貨店」
正直ブランドで引かれた部分もあり、話を聞きに行った。女性の働きやすい環境、そして接客だけでなくデザイン思考を活かした売場レイアウトの作成…もう全てに一目惚れをした感覚だった。
「やっと自分のやりたいことが見つかった。絶対に百貨店で働きたい」
この気持ちがだんだんと強まり、私は完全に百貨店業界に絞り、地元愛知で働けるようにひたすらにマイナビやリクナビを使って漁りまくった。

同時期。
同じ保育園の幼馴染みの男の子と久しぶりに飲みに行った。サシで行ったのは初めてだった。最初はたわいもない話ばかりしていたが、最終的には付き合うことになった。彼氏が出来たのだ。
とにかく舞い上がっていた。今までろくに恋愛してこなかった自分にまさかこんな事が起こるなんて。頭の中はとにかく彼でいっぱいになっていた。

しかし、ここで問題なのは…
「来年から彼は上京する」
この言葉がどうしても引っ掛かっていた。私は転職したくない意思でひとつの職業を選ぶのに必死だった。でも、自分自身は愛知が大好き…。葛藤が続いたのだ。当時の私は、ここで彼を選び、上京する方向で就活を進めることにしてしまった。

これが、さらに自分を苦しめることになるとはこの時深く思うことはなかった。目先の事しか考えていないことに気付いていなかったのだ。

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