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美しい風景画を鑑賞した気になる絵本

「ルリユールおじさん」を読み、絵本ではなく、絵画を鑑賞したような気持ちに浸っている Kaori です。

皆さん、荒木博行さんの「book cafe」@ voicy をご存知でしょうか?私は、昨年末くらいから、ハード voicyユーザーで、特に荒木さんのこのチャネルは、ほぼ毎日聞いています。もちろん、聞いた後に、ご紹介された本をちゃんと読めればいいのですが、なかなかそこまで手が回らず、でも、荒木さんの概要や感想を聞くだけでも、ためになります。


そこで、久しぶりに絵本のご紹介があり、気になったので、購入しました。

私は、子供の絵本を選ぶ時、いわゆる「子供らしい」本を、ほぼ選びません
。子供らしい本は、保育園にもたくさんあるし、そこでも読み聞かせしてもらっている。だから、自分たちが購入する本は、大人の「私も」読みたくなり、手元に置いておきたくなる「美しい」本、と勝手に決めているのです。(親、いや、私の勝手です。夫は感知していません...w)

そして、この絵本。本当に、美しい絵本です。

絵だけでなく、お話も美しい
「ルリユール」とは、フランス語で「もう一度繋げる」という意味があり、本を製本するお仕事のことです。そして、「ルリユール」という言葉の音色も美しいですよね。そう感じるのは私だけでしょうか...。

最初の方のページは、文字がほとんどないのですが、絵をみていると、そこから物語が聞こえてきます。パリの街並み、ルリユールおじさんと植物が大好きな女の子ソフィーの出会い。

作者の「いせ ひでこ」さんがこの本を描かれた想いも美しいなと思います。

旅の途上の独りの絵描きを強く惹きつけたのは、「書物」という文化を未来に向けて繋げようとする、最後のアルチザン(手職人)の強烈な矜持と情熱だった。手仕事のひとつひとつをスケッチしたくて、パリにアパートを借り、何度も路地裏の工房に通った。そして、気づかされる。本は時代を超えてそのいのちが何度でもよみがえるものだと。- あとがきの抜粋 -

そう、これは、絵本だけれど「スケッチ」なのです。私が、この絵本を風景画のように美しいなと感じた理由があとがきを読んで分かりました。まるで、パリの街角に椅子を出して、風景をスケッチされている絵描きさんの絵を後ろから覗き見た気分を味わえます。

大人の絵本をお探しの方がいれば、とてもおすすめです。それでは、本日、あいにくの雨ですが、空気も潤い、涼しいですし、家で過ごすには最高ですね。それでは、皆さん、良い午後をお過ごしください。

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