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楽しかったデイヴィッド・ホックニー展

こんにちは。mikaです。

ちいさな美術館の学芸員さんの「マイベスト展覧会2023」という企画に参加させていただきました。

思い返せば、今年もいろいろな展覧会に足を運びました。
(一番行きたかった諏訪敦さんの展覧会に行けなかったのが残念だったけど…)

どれも素晴らしく甲乙つけがたいのですが、2023年のマイベスト展覧会は、東京都現代美術館で開催された「デイヴィッド・ホックニー展」にしました。

デイヴィッド・ホックニーを2023年のマイベスト展覧会とした理由は、
「来場されていたお客さんが皆幸せそうだったから」です。

自分が楽しかったのはもちろんですが、会場から「幸せな空気感」を一番感じられたのがこの展覧会でした。

まず会場に入って目を奪われたのが、こちらのラッパスイセン。

コロナ禍に「春が来ることを忘れないで」という
メッセージとともに公開されたそう。
愛があるなぁ。
~図録を撮影~

鮮やかな色って心を明るくしてくれますよね。

東北出身の方がこんなことを言っていたのを、この絵を見て思い出していました。

「東北の冬の銀世界は美しいけど、雪が降るということは曇り空であるということ。鮮やかに晴れ渡った空を長い間見ることができないと、気持ちが落ち込んでしまう」と。

ホックニーの作品は、鮮やかな色が使われているものが多くエネルギーをもらえます。鮮やかなラッパスイセンを見て、色ってメンタルにも影響するなぁとしみじみと感じ、色の持つ力を再認識しました。


また、ホックニーは、どこまでもリアリティを追求するアーティストだったようです。

「両親」
日々の暮らしの中から切り取るリアリティ。
~図録を撮影~

「目に見えるとおりに描こうとすると、作品から真実味を失われるように感じた」というホックニーは、身近な人達を観察して写し取ろうとしたそうです。

じっとこちらを見据えている母親、書物を読んでいる父の表情、洋服のシワなど、その人の人柄や生活が簡単に想像できてしまうほどすごい。

ホックニーは、自分の前に広がる世界をいかにリアルにするかを考え、どのように表現するかを追求し続けているからこそ、新しい表現にたどり着けるんですね。

あらためて人間の複雑な視界を通して、いろんなものを作品として表現することは、本当にすごいことだと感じました。


イギリスのイーストヨークシャーを拠点としてからのホックニーは、移りゆく自然を目にして、一枚だけの絵では描ききれないと感じてシリーズで季節を描くことを構想したそうです。

「ノルマンディーの12ヶ月」
青々と葉が茂っている風景。
全長90メートルもある大作。

ホックニーの作品を見ていると「自然」がとても偉大なもので、いかに生物に力を与えてくれる存在なのかを、あらためて感じることができました。

ホックニーの世界を自由に歩き回り、エネルギーと癒やしを与えてもらった素敵な展覧会でした。

あと、最後にもうひとつ。
この展覧会の図録がコンパクトで最高!
絵本のようでとても素敵でした。

わたしは図録が好きで、家に帰ってからもたびたび読み返したりするので、けっこうな頻度で購入します。
でも美術展の図録って、たいてい大きくて分厚くて持って帰るのが大変。

最近はオンラインでも購入できたりするのですが、当日の夜にゆっくりと図録を見ながら余韻に浸りたいタイプなので、できればそのままミュージアムショップで買って帰りたい。

旅行中だと他の荷物も多く、泣く泣くあきらめることもあるのですが、このぐらいの大きさにしてくれると本当にありがたいです!
迷わず買って帰りました。

デイヴィッド・ホックニー展については、こちらでも記事にしていますので
あわせてご覧いただければうれしいです。

最後までお付き合いいただきありがとうございました。

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