📘️ Book Club ：アジャイルの「3Amigos」とは？問題を解決、ソリューションを定義するためにできること。

2021年12月15日 08:30

デザイナーとして働く上で、異なる視点を持っている人々の意見はとても価値があると常に思っています。

問題を解決したり、ソリューションを定義するために協力することは、とても大切なチームのアクティビティです。これが正しく行われ、チームが合意することができた場合のコラボレーションの最終結果は、多くの場合作業の増分をより明確にし、チームの共通の理解につながります。

今回は、そんなチームのコラボレーションを強化させるソフトウェア開発における「3Amigos」についてご紹介します。

アジャイルの「3Amigos」とは？

ソフトウェア開発における「3Amigos」とは、開発されようとしている機能について共通の理解を深めるのにチームで集まってフィーチャーに対して異なる視点から意見を交換するワークショップです。

💡通常は小さいグループで集まり、協力してユーザーストーリーについて話し合います。

主な成果は、イテレーションボードに取り込むために必要な最終的なストーリーの変更を行うことです。

「3Amigos」のアプローチは、プロダクトオーナー、デベロッパー、テスターで構成されていますが、必要に応じて4人または5人のアミーゴに拡張するスペースがしばしばあります。

私の会社で行われる「3Amigos」は通常、UXデザイナー、ソフトウェアデベロッパー、およびテスターで構成されます。これらの3つの役割は、フィーチャーにに対して異なる視点を提供します。

デザイナーは機能の影響について考えており、ソフトウェア開発者は機能を構築するときに最適なソリューションを考えており、ソフトウェアテスターはそれをテストする方法につて考えます。

プロダクトオーナーはチームは物事が順調に進んでいること、メンバー全員が同じページにいることを常に確認する必要があります。基本的なレベルでは、これは、計画されているものがビジネスの利害関係者の期待と一致することを保証することを意味します。
デザイナーはチームにフィーチャーのデザインを紹介し、フィードバックを受け取ります。さらなるデザイン変更が必要な場合もあれば、デベロッパー、テスター、またはプロダクトオーナーとの迅速な会話を通じて実装の詳細を固める必要がある場合もあります。
デベロッパーはプロジェクトの大きさを明確にして、作成する必要のあるコードをデザインする方法を決定することが重要なポイントです。多くの場合、特定の詳細を定義することで、開発の選択が決まる可能性があります。
テスターにとっては、一般的な問題のあるテストをどのように達成することを優先して考えます。テスターは常に、何をテストするかを定義するのに役立つコンテキストを探します。これにより、実際のテストをどのように行うかについての良いアイデアを得ることが非常に簡単になります。

またこのワークショップで作業の増分の詳細について話し合うことにチーム全体が関与することとの間でバランスを取ることを目的としています。

この作業を怠ると、理解の必要性について多くのあいまいさが見つかることがあります。すべてのスクラムチームメンバーが独自の考え方をしているからです

異なる視点はギャップを生み出す傾向があります。そしてこの問題はスプリントの終わりに向かってのみ対処される傾向があり、スプリント内でこれらの問題に対処する時間がない場合、プロダクトバックログにアイテムを追加する状況に陥ってしまうことになります。

「3Amigos」の利点

目的は、それぞれの理解のギャップを埋めることです。

デザイナーはチームにユーザーストーリーを説明し、同じ理解と期待を持っていることを確認します。この場でチームメンバーからのフィードバックを収集し、確認することができます。デザイナーはここで不足している情報を追加したり、ユーザーストーリーを修正します。

デベロッパーは、要件の理解と、増分を構築するために必要なことについて話し合います。また、アーキテクチャのレイアウトとワイヤーフレームのデザインについてチームと話し合い、何が構築されるかについての共通の理解を形成します。また機能的な側面と非機能的なことについて詳しく説明し、増分をテストするために特定されたテストケースを詳しく説明します。

QAは、すべての受け入れ基準がテストケースによって満たされていることを確認します。エッジケースや欠落しているシナリオを見つけることにより、テストケースを充実させるのに役立ちます。エンジニアリングチームのメンバーは、テストの制約につながる可能性のある技術的な制限についての知識を共有します。

「3Amigos」アジャイルデリバリーアプローチを使用することには多くの利点があります。

1つは、チームが開発のためにストーリーを準備する方法で非常にスリムで効率的になることです。「3Amigos」セッションを成功させると、次のような他の多くの点でチームに利益がもたらされます。

エッジケースと関連するストーリーは早期に調査され、適切な時期にトリアージできます
作業の増加の意図についての共通の理解を構築します。
誤解や混乱を早期に特定し、作業の増分を提供する際に学習をより早く行うことができます。
与えられた仕事の増分についての議論に関与する必要がある人々の数に合理的なガードレールを提供します。

一般的なルール

「3Amigos」のディスカッションは3人に制限します。特定の作業の増分に関連する他の利害関係者がいる場合は、それらをディスカッションに含めます。
「3Amigos」の議論をチームに拡大します。このプラクティスの目的は、必要な各視点を可能な限り小さなグループに含めることです。
「3Amigos」は定期的な会議になります。特定の作業の増分についてのディスカッションにどのような視点を含めるべきかについての便利なガイドとしてではなく、チームが行う別の式典として扱われます。

「3Amigos」アジャイル・セッションを成功させるためには？

ワークショップ成功の鍵

セッション全体を通して、誰もがストーリーを簡単にチェックできるようにしておきます。
チケットの範囲の定義に全員に参加してもらい、承認基準の作成、改善を一緒におこないます。
デザイナーはストーリーがきめ細かく意味のあるものになるように制作し、チーム全員にそのデザインを確認してもらいます。
このワークショップは15分という間に早く、合意に達し、物事を適切な速度で進めるのを目的と知っています。進展がほとんどないと感じた場合は、トーリーの議論をやめるべきです。実際、それは、アミーゴの1人が通常アクションの所有権を取得することで、即時セッションを超えた次のステップをかなり明確にするので、有益です。何でもそうですが、ある程度のプッシュバックが予想されます。

プッシュバックの一般的な領域

デベロッパーがソリューションを実装するためのテクノロジーまたは方法論に同意できない。
ストーリーが大きすぎる。
デザインがない、選択されていない、またはデザインに主要なユースケースがない。
テスターがどのようにフィーチャーをテストするか解っていない
基本的なACが欠落している。
AC：アクセプタンスクライテリアープロダクト・バックログに記載されているアイテムの1つに対して必ず1つ以上定義します。チームに開発したプロダクトがユーザーやクライアントに受け入れてもらえるかを考える機会を与える為に存在します。
「3Amigos」のための場所でストーリーを取得するには、いくつかの作業が必要です。しかし、その作業は十分に費やされた時間であり、スループットの観点から数回返済されます。追加の準備は、主に簡単な会話であり、おそらくストーリーの準備に関するチェックリストです。これらは、多くの人（おそらくチーム全体）が関与する、何時間にもわたるリスクを伴う従来のグルーミングセッションよりもはるかに効率的な時間の使用です。

テスターのお仕事

これらのセッションの出力は、多くの場合、テストを導き出すことができる一連の合意された受け入れ基準です。その結果、機能、その理由、および機能が存在するコンテキストについての理解が深まります。

このイベントでのテスター役割は、多くの場合、明確な質問をすることです。

ビジネスタイプの質問
デザイン中の機能に質問しましょう。たとえば、ダウンストリームとアップストリームのシステムが検討されているか、または、この機能が既存のシステムの他の部分にどのように影響するかを考えます。
まだわからない場合は、機能の背後にある理由を理解して、目的の結果をよりよく理解するように努めています。

技術的リスク
もう1つのタイプの質問は、技術的リスクについてです。
これらはソフトウェア開発者に向ける傾向があります。セキュリティ、つまりバックエンドの統合について質問します。

既存のAPIとそれが与える可能性のある影響について質問します。
技術的なリスクを知っていると、追加のテストが必要かどうかを判断するのに役立ちます。したがって、機能受け入れテストとともに、追加のタイプのテストをお勧めします。

まとめ

「3Amigos」は、小グループが協力してユーザーストーリーについて話し合い、洗練するワークショップの形式です。

主な成果は、イテレーションボードに載せるために必要な最終的なストーリーの変更を行うことです。

プロダクト制作中の混乱や誤解を早期に特定し、より迅速な配達を可能にします。そして開発者がチームとして、必要な作業の増分について話し合うこともこの場でします。「3Amigos」はまた受け入れ基準やその他の属性を確認するのに役立ちます。

［参考資料］

私も、色々勉強中なので、皆さまの、ご意見・ご感想をお聞かせください。
お読み頂きまして、ありがとうございました。

メルボルンを拠点にプロダクト・デザイナーとして働いています。主にデジタル・プロダクトの制作に携わっています。

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