📘️ Book Club：UXデザインのケーススタディとは？ケーススタディの書き方、ケーススタディの例。

2021年11月24日 06:56

UXのケーススタディは、デザイナーがポートフォリオに含めるデザイン作業の例です。採用担当者に重要な洞察を与えるために、デザイナーはテキストと画像で説得力のあるストーリーを伝え、問題をどのように処理したかを示します。そのような物語は、デザイナーのスキルと考え方を示し、潜在的な採用者としての魅力を最大化します。

💡 ケース・スタディは私たちがどのようにプロジェクトを進めたのか、またデザインの決定を明確に表現できる方法で、クライエントのコラボレーションの様子も伺うことができる唯一の方法です。

今回は、ポートフォリオにおけるケーススタディの役割、ケーススタディの構造、ケーススタディを作成する手順を調べてみました。最後にケーススタディの例をご紹介したいと思います。

ケーススタディで差別化しよう

今や、作品を見せるだけではもはや十分ではありません。 Center Centreによると、UXデザイナーの仕事の成長は今後10年間で22％増加すると予想されています。 UXはホットフィールドで、とても競争率が高くなっています。

したがって、ポートフォリオは、単にビジュアルがいいだけでは良いものとは言えなくなってきています。 UXプロフェッショナルにとって重要なスキルは、コミュニケーション能力です。UXのケーススタディがない場合、クライエント、採用担当者、また採用マネージャーは、あなたが今までに何をしてきたのか、そして彼らがあなたを採用する上で、信頼を持つことができにくくなります。

ライティングは重要なスキルですが、デザイナーはそれを十分に習得したり、勉強したりすることはめったにありません。ただし、UXケーススタディに関しては、ポートフォリオの成功において最も重要な変数の1つです。

実を言うと、UXプロジェクトについて書くのは簡単な作業ではありません。ただし、次の手順に従うことで、より明確に書く方法を明確に理解できるようになります。

UXケーススタディの構造

UXポートフォリオ、またケーススタディに取り組むとき、弁護士のように考えることがポイントです。弁護士はどのようにして訴訟に勝つのでしょうか？ 強力なコミュニケーション、そしてさらに強力な証拠です。

💡 ポートフォリオ内のプロジェクトは、訴訟の証拠のようなものです。そのため、ポートフォリオのプロジェクトを慎重に選択する必要があります。

1. 概要
2. 問題提示
3. オーディエンス
4. 役割と責任
5. 範囲と制約
6. プロセス
7. 結果と教訓

→ GoogleドキュメントのUXケーススタディテンプレート（英語版）
この無料のGoogleDoc UXケーススタディテンプレートでは、UXプロジェクトを提示する方法を紹介し、スキルと経験を紹介しています。

UXケーススタディの書き方

ケーススタディを書くときは、長さを気にする必要はありません。作成したケーススタディをより視覚的なものに移行するときは、それらを編集して、テキストの一部を視覚的に伝達する方法についても検討します。

STEP1. プロジェクトにタイトルを付けます
人々が犯す大きな間違いは、強いタイトルがプロジェクトのコンテキストを与えることができるときに、プロジェクトのタイトルに十分な詳細を与えないことです。

STEP2. アウトラインを書く
詳細を始める前にアウトラインを考えてください。アウトラインの目的は、プロジェクトの「全体像」を理解するのに役立つことです。これにより、ケーススタディを構成する方法や、プロジェクトが複数のケーススタディに値するほど大きいかどうかを判断できます。

上記の7つのセクションからアウトラインを書き始め、各セクションの下に箇条書きを記入し始めます。文型について心配する必要はありません。

STEP3. 詳細を入力します
アウトラインができて全体像が見えたので、詳細を入力し始めることができます。「プロセスとあなたがしたこと」このセクションを細かく書くことをお勧めします。ここでは、高校での科学実験を記録するのと同じように、実行した手順を記録します。

次のような質問に答えてみましょう。

何をしましたか？たとえば、どのような調査方法を使用しましたか？
なぜそれをしました？たとえば、なぜその調査方法を選んだのですか？
結果はどうでしたか？たとえば、研究目標を達成しましたか？
何を学びましたか？たとえば、次回同じ機会があったらどうしますか？

STEP4. 見出しを書く
この時点で、あなたはおそらく「誰がこのケース・スタディを読むだろうか」のようなことを考えているでしょう。このステップは、ストーリーの重要なハイライトに集中できるように、すべてを抽出し始めるのに役立ちます。

これを行うための最良の方法は、ツイートでのみケーススタディを書かなければならないふりをすることです。クレイジーに聞こえますが、機能します。

私たちが取り組んでいるアウトラインのセクションごとに、1つの見出しまたは文を書きます。ただし、エネルギーを集中させるプロセスセクションは除きます。

[プロセス]
セクションでは、各ステップの見出しが必要になります。以前の架空のホームデポユーザー調査の例を使用すると、プロセスセクションの見出しの一部は次のようになります。

どのような種類の調査を行い、なぜそれを行ったのか。
例：分析により、顧客は配送セクションでのチェックアウトに苦労し、場合によっては見捨てられたことが明らかになりました。その理由を理解するために、8つのユーザビリティテストを実施しました。

調査からの発見。
ユーザビリティテストでは、ビジネス顧客と住宅顧客の配送ニーズが異なることが明らかになりましたが、現在のチェックアウトエクスペリエンスでは対処されていませんでした。

製品開発に対する研究の影響。
チェックアウトの2つの新しいバージョンのプロトタイプを作成し、顧客が製品ごとに配送先住所を選択できるようにしました。

💡 140文字の制限に固執することで、ケーススタディの最も重要なポイントを特定するように強制されます。これは、実際のポートフォリオを作成するときに見出しになります。

あなたが強い見出しを持っているかどうかをテストする良い方法は、誰かが見出しをざっと読んであなたのプロジェクトの要点を理解するかどうか自問することです。そうでない場合は、見出しを書き直します。UXポートフォリオのユーザーにプロジェクトをすばやく理解してもらいたい場合は、これらが最も重要なポイントです。

STEP5. ケーススタディのテキストを実際のポートフォリオに抽出します

ポートフォリオに選択する形式に関係なく、文章は明確で簡潔である必要があります。1回の編集ではダメです。スライドを使用してKeynoteで作業しているとすると、プロセスは次のようになります。

1. あなたが書いた見出しを取り、Keynoteのスライドごとに1つの見出しを配置します。

2. いくつかの情報を1つのスライドにマージする可能性があることを考慮してください。たとえば、概要と問題の説明を組み合わせることができます

3. ここで、戻ってケーススタディから最も重要で関連性のある詳細を引き出し、詳細や証拠を裏付けるものとして各スライドに配置する必要があります。

実際の例
Simon PanのUXポートフォリオウェブサイトでは、すばらしいケーススタディが拝見できます。ビジュアルデザイナーでもあるのでとても見た目も良いのですが、ここでは内容に焦点を向けてみます。彼のUberのケーススタディは優れた例です。なぜそれが機能するのかを見てみましょう。

1. プロジェクトの問題とフレーミングを明確にします。サイモンのケーススタディは、問題を明確に述べ、プロジェクトを構成しています。 そのため、Uberのことを聞いたことがなくても、プロジェクトを理解するのに十分なコンテキストがあります。

2. プロセスの説明。サイモンは物語のように書いているので、とても読みやすく、注意を引き付けます。よく考えられた記事のように感じます。ビジュアルデザインは言うまでもなく、重要なポイントを引き出すのに役立ちます。以下のスクリーンショットでは、彼はディスカバリー・プロセスの一部を説明しています。また、ユーザーリサーチの見積もりを使用すると、ストーリーをさらに生き生きとさせることができます。

3. 思慮深い結論と考察。 最後に、サイモンは結果、考察、洞察でケーススタディを締めくくります。人々はあなたがしたことを知りたいだけでなく、あなたがしたことの影響を知りたがっています。

ケーススタディの例

チェックイン・アプリ
チェックイン・アプリのエクスペリエンスの向上

プロジェクトの概要
役割：エンドツーエンドのUX
時間：80時間（2021年11月/ 18月）
ツール：Figma、Whimsical、Proto、Zoom
プロジェクト:概念的な機能を既存のアプリに追加し、チェックインアプリののエクスペリエンスを向上させる

概要
チェックイン・アプリを使用すると、ユーザーはオーストラリアのビクトリア州にあるCOVID-19連絡先追跡用のビクトリア州政府のQRコードを使用して、企業、職場、施設にチェックインできます。 2021年6月10日の午後11時59分から、ビクトリア州政府はビクトリア州政府のQRコードを使用してチェックインすることを義務付けました。

問題
ユーザーは、連絡先追跡の目的で詳細が記録されていることを知るために、チェックイン・アプリを介したチェックイン確認が必要でした。ユーザーは、QRコードが「読みにくい」と言ってチェックイン・アプリにチェックインする際に接続の問題を頻繁に経験しました。

ユーザーがチェックイン・アプリですばやく簡単にチェックインできなかった場合は、わざわざチェックインしない可能性があります。ほとんどの人は、コンタクトトレーシングのための独自の方法を持っておらず、一定期間にわたる正確な動きを正確に特定することは困難でした。
接続が改善されたときにアップロードするチェックイン情報を保存する方法はありますか？

解決策
ユーザーには時間がほとんどなく、チェックインが面倒なこともあることを認識しました。ユーザーのデータをキャプチャして保存し、接続が強化されたときに自動的にアップロードされるようにする機能をデザインしました。ユーザーは、チェックインするために情報がその場でアップロードされるのを待つ必要がなくなりました。ユーザーは、チェックインデータが記録されることを確信できました。

プロセス：調査 → 定義 → デザイン → テスト → 提供

研究目的
→ コンタクトトレーシングの目的でチェックインするときのユーザーエクスペリエンスを理解する
→ コンタクトトレーシングの目的でチェックインすることに対するユーザーの態度を理解する
→ チェックイン・アプリの使用に関してユーザーが抱く懸念や躊躇を特定します
→ チェックイン・アプリでユーザーが経験する問題点を発見する

研究方法
チェックイン・アプリを使用してチェックインするときにユーザー、ユーザーの動機、およびユーザーが経験した問題点を完全に理解するために、この情報を収集するには定性的調査が最善の方法であると判断しました。
→ 競争分析と二次調査
→ 1対1のインタビュー
→ オンライン調査

研究目標
チェックインのエクスペリエンスを向上させる機能をデザインするために、チェックインアプリを使用するユーザーのエクスペリエンス、態度、成功、および問題点を理解する。

調査の実施
3つの直接連絡先追跡アプリと2つの直接連絡先追跡アプリを比較して、それぞれがどのように機能し、どの機能が提供されているかを理解しました。

ズームを使用して8人のユーザーに約30分間インタビューし、過去6か月以内にチェックインした18歳以上の62人のユーザーを調査しました。

競合分析
QLD、WA、NSW、ニュージーランドの連絡先追跡アプリと英国のNHSアプリを比較しました。 NZ COVID Tracerアプリは、機能と使いやすさの点でユーザーにより良い体験を提供することがわかりました。

研究の主な発見
ほとんどの人は、「大丈夫」、「気にしない」、「やらなければいけないこと」のチェックインに対して中立的な態度を示していました。

ほとんどの人は自分のデータがどのように使用されているかわからないが、収集されている情報はすでに「公開情報」であり、「それほど大きな懸念事項ではない」と感じていた。

最も一般的な問題点は、QRコードの読み取りが遅い場合があることでした。ユーザーは、電話がローカルストアのWi-Fiに接続されている（またはモバイルデータへのアクセスが悪い）と、エクスペリエンスが著しく遅くなると報告しました。

すべてのユーザー（チェックインアプリを使用していた）は、アプリの他の機能をまったく使用していませんでした。
59/62の調査対象ユーザーの主なチェックイン方法は、チェックインアプリを使用することでした。

チェックインしなかった調査対象ユーザーの理由には、QRコードのスキャンの問題、ローカルWi-Fiの問題、忘れた、気にならなかった、またはあったQRコードへのアクセスまたは可視性に関する問題、また、地元の3つの企業（大規模小売店、大規模スーパーマーケット、小瓶店）に、チェックインに対する顧客の態度について尋ねたところ、次のように報告されました。
ほとんどの人は、「今はチェックインに慣れている」と言って、チェックインについて「まぁまぁ」または「かなり便利」だと回答しました。

ある企業は、「チェックインをどれだけ長く続けなければならないのか」を知りたがっている人の割合はごくわずかであると報告しました。

まとめ

これらすべての手順を実行すると、UXポートフォリオのユーザーにとってより読みやすく、スキャンしやすいものに編集された長いケーススタディが得られます。

そして、あなたが書いたUXのケーススタディは多くの目的に役立つことを忘れないでください。もちろん、それらはあなたのポートフォリオの基盤ですが、あなたの履歴書、LinkedIn、カバーレター、そしてあなたがインタビューで言うことにもフィードすることができます。次回は英語でケーススタディを書いた時の例をご紹介したいと思います。

私も、色々勉強中なので、皆さまの、ご意見・ご感想をお聞かせください。お読み頂きまして、ありがとうございました。

メルボルンを拠点にプロダクトデザイナーとして働いています。主にデジタル・プロダクトの制作に携わっています。

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