見出し画像

ZOZOのコーディネートおすすめAIが本気出してきてる。学術的な方向に

ZOZOのリサーチ子会社がいい感じに結果を出してきてます。

コンピュータービジョン分野というのは、コンピューターにおける画像・映像認識などの視覚的領域を指す言葉のようです。今回採択されたECCVはその中でもトップレベルで権威ある会議だとか。

かなり突飛な求人で話題を呼んで、発足から2年(以下の記事は1年前のもの)が経ったのですね。

ZOZOってファッションの会社でしょ?って感覚が一般的な認知でしょうから、非Tech企業が達成した快挙としては結構印象的ですね。

2つ目のリンクにもあるように"ファッションテック"という言葉もあり、今やデジタル領域を持つ全ての産業がテクノロジー企業と化している、というか、Tech系と非Tech系の垣根が溶けてきているという状況です。

ありとあらゆる産業・業界・企業にIT系エンジニアが必要なワケですから、そりゃ引く手数多なこともエンジニアスクール系企業が伸びるのも納得です。


話を本題に戻すと、今回の報告では「コーディネート選択」において深層学習と集合マッチングを活用したことについて発表されています。

ありがたいことに少しだけ理解をサポートしてくれる画像が載っています笑

画像1

https://techblog.zozo.com/entry/deepsetmatching
ZOZO研究所 技術ブログより引用

左側のような手持ちアイテムがあったとして、それに合うような残りのアイテム(ここではボトムスと鞄)をオススメするには、結構めんどくさい計算が必要ですよ、ってことですね。

言われてみれば、コーディネートってかなりの複合情報を処理していることに気付きます。

テイスト・色・素材・シルエット(+サイズ感)、これらの相性と トレンドによる補正、って感じでしょうか。人間の頭がいかに複雑な処理機構を備えているか、改めて驚きます。

しかもここでやろうとしているのは、部分コーディネートに対して、補完する部分コーディネートを提案することなので、より複雑な処理が必要になってきます。

これを機械学習(AIと思ってください)と集合マッチングで解決を試みています、っていうんだから、すんごいことです。


ZOZOは今やファッション業界で一番データを持っている企業でしょう。斬新な挑戦を繰り返し、伸びなければ思い切って撤退する姿勢もまたベンチャーらしさが溢れています。

一人のファッション好きとして、非常に楽しみにしています。


と、言いつつ、ZOZOのビジネスってどこか難しさというか、若干の摩擦を感じますよね。

今回のコーディネートに関してもそうですけど、オシャレな人は自分でコーディネート考えられるので、極端に言えば不要です。
ちょっと前に終了した「おまかせ定期便」も、オシャレな人には不要なサービスですよね。

服に対して特段の思い入れが無い方が求めてるのって、おそらく"無難"であることで、複合的にコーディネートを考えてくれるほどの精度はオーバースペックな気もしたり。

すなわち、"市場における母集団"と"提供価値"と"経済合理性(≒利益率)"との間に今はまだギャップがあると言わざるを得ないなぁ、というのが肌感です。


ここから精度が大きく向上して「オシャレなあなたも納得の"思いがけない出会い"を生み出します!」みたいなレベルに到達した時に、上級者層にめちゃくちゃぶっ刺さるサービスになるような気がします。

まぁあとは衣装の調達システムとしての活用で、一部スタイリストさんにお任せするしかなかった領域を置き換えにかかったり、スタイリングまでは守備範囲にないカメラマンの方とかが柔軟に動けたりするようになる、って展開は余裕でできそうですね。

あとはデータベースを絞っても使用可能な方法を取るなら、実店舗ののスマートミラーに映し出してレコメンドしたり、モールの一角に置いてレコメンドと該当店舗の案内をしたり。

うーん、意外とありますね、伸び代も広がりも!
ワクワクします、何か考えついたらぜひ教えて下さいw


ということで、お付き合いいただきありがとうございました。

お相手は わたくし
納木 まもる  でした。

次回も楽しんでもらえますように。

末尾ハンコ



読んでいただいてありがとうございます。貴重な時間をいただいていることは自覚しつつ、窮屈にならない程度にやっていきます。