京大の講義が無料公開ー新時代に学問ができることー

本当にいい時代になったものです、京都大学の講義が誰でも受けられます。

ダイレクトに飛べるリンクは下部に貼り付けますので、一旦この記事を読んでみてください。
言わば、この無料講義のビジョンやフィロソフィに関してのお話ですね。オリエンテーション的な立ち位置です。

今回の講義は京都大学・人文社会科学部の先生方が分野横断的に「今この情勢だからこそ考えるべき内容」について、ある意味では問いかけのようにして語り、コメントを通じた質疑応答もおこなうそうです。

上記記事の中から、主催・出口教授の印象的なコメントをいくつか引用します。

人文学は自然科学とは異なり、個々のソリューションを見いだすものではありません

人文学は、人類が到達してきたさまざまな『座標軸』を提供して、その中から方向性を見出していく学問です。(中略) その中ーウィズコロナを前提にした生活ーで『どんな生き方をするのか』と聞かれたときには、人類が蓄積してきたこれまでの座標軸を見て考えるしかありません」

「(前略)  価値を一(いち)から作っていくということになると、前提となる科学的な事実も重要ですが、どういう価値が必要とされるのかも重要です。だからこそ人文学と科学の連携・協働が求められているのではないでしょうか」

昨今の情勢変化で、社会のほとんどの側面において、大きな変化が求められています。どれだけの人々が当事者意識を持てているか、明確な数字はありませんし、むしろ知りたくもない(期待すらしていない)と感じるのが正直なところですけれど、変化できる人は一人でも多い方がいいに決まっています。

しかし変化を促すには、科学的知識や見解に立脚した"外的対策"に加えて、人文学的見識や視座を踏まえた"内的対策"の両輪が必要である、というのが主張ですね。

僕個人は、かなり科学側に寄った位置にスタンスを取っていますが、全面的に同意です。


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主催する京大の『人社未来形発信ユニット』の当該ページリンクはこちらです。ご興味あればぜひ。

講義内容は前述の通り、人文学分野横断的です。

哲学/環境史/倫理学/地域研究・メディア学
人類学/臨床心理学/映画学/認知神経科学
文化心理学/公共政策/現代社会論

いやーこれは面白そうですね、無料公開は期間限定だそうですので、お見逃しなく!


ということで、
お付き合いいただき、ありがとうございました。

お相手は わたくし
納木 まもる  でした。

次回も楽しんでもらえますように。

末尾ハンコ

<編集後記>
今日はちょっと長めにここを書きます。そして至って真面目に書きます。

本来、学問とは開かれたものであってほしい、というのが僕の私見だったりします。とはいえ、法人として経済活動をすることで研究活動が成立している側面もありますので、クローズドであることに価値を持たせているのも当然理解しています。

なんて言いつつも、オープンにしたところで、学ぶ人の割合は大して変わらないと思うんですよね。今だって、発行された著作物には恐ろしい量の知識や経験が刻み込まれています。公共の施設に行けば、さほどコストをかけずにその情報を仕入れることができる。にも関わらず、日々学ぶ人は決して多くない。

僕が今回のような情報をシェアしたところで、面白がってくれる人はさほど多くない。仮にnoteユーザー全員が見てくれたとしても、反応はたかがしれているし、当然それだけの拡散を望んでいるわけでもない。

いけないいけない、なんか愚痴っぽくなっちゃいますが、実際のところ、僕はこのバランスでいいと思っています。これもまた多様性の一端で、ある意味での役割分担なのです。どちらがいいという訳でもなく、こういう学問的な内容が楽しくて、学ぶことの負荷が低いのであれば、こっちを担当すればいいんです。


こういうことを楽しむ人が、もっと生活を楽しめるように。そんな人と人との繋がりの中に、学術的な学びの要素がもっと増えるように。もしかしたらその先に、マイクロなコミュニティにおけるイノベーションが起きるかもしれない。社会を大きく変えるワケではないけれど、関わった人の人生がほんの少しだけど確実に前に進むような体験が創造できるかもしれない。

なんてことを思って、僕はこういう情報をみんなで一緒に味わいたいのです。決して多くなくていい。たくさんの人に届いてほしいとも思わない。でもきっと、こういう情報で胸躍る人がいて、ホッとする人がいて、SNSの中にこういう場があっていいと思うんですよね。

学ぶことは人類が持つユニークなエンターテインメントの一つなんですが、これはメジャーな様でマイナーな存在だと思っています。
いいじゃない笑  マイナー上等じゃない笑

規模の経済では語れないことをやるには、マイナーであり続ける必要があります。この先に、新しいSNSの世界があると思って、見えない先を探っていきたいのですよね。

まぁ、アレです。
ほんの少人数かもしれないけど、一緒に盛り上がろうぜ!ってことです。
ウケのいい形なんて狙っちゃダメなんです。
周りから奇異な目で見られるくらいが最高なんです笑


読んでいただいてありがとうございます。貴重な時間をいただいていることは自覚しつつ、窮屈にならない程度にやっていきます。