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ロードトリップ 7日目

最終日の明日は空港に向かいそれぞれの家へ帰る移動日なので、実質今日がナショナルパークを楽しめる最終日となる。計画ではイエローストーンを再び訪れる予定だったが、先日の洪水による入場制限のため、計画を変更せざるを得なくなった。とはいえ既に代案は考えてあったので、行き先に困ることはなかった。本日の行先はグランドテトンナショナルパーク。イエローストーンの下の方にあるナショナルパークだ。
時間にゆとりがあったので、朝はゆっくり起き、わたしとドイツ人2人でキャンプ場付近を散策した。わたしたち以外のメンバーは泊まっていたキャンプ場のオプションの乗馬体験に申し込んでいたので、それに参加していた。わたしたち3人はお喋りしながら何もない原っぱを歩く。大人数で行動することに飽き飽きしていたわたしたちには束の間の休息のように思えた。今回のロードトリップについて思うこと、それぞれの出身国のこと、オペアのこと、オペアを終えた後のこと…2人ともわたしより3〜4歳年下なのに、しっかりした自分の考えをもっていたり、将来について真剣に考えている。自分が彼女たちの年齢だった時、こんなに先のことまで考えていただろうか。いい歳していまだに宙ぶらりんな自分が恥ずかしくなる。

3人でアメリカじゃないみたいだよね、とか言いながら散歩を楽しんだ。

朝の散歩を終えて戻ってくると、ちょうど乗馬体験に行っていたメンバーも戻ってきた。支度を整え車に乗り込み、グランドテトンナショナルパークへと向かう。


グランドテトンナショナルパーク


あたり一面、緑が豊かだ。昨日のイエローストーンでも緑はないことはなかったが、やはりゴツゴツした岩肌をみていることが多かったので、緑を見るとなんだか心も安らぐようだった。目の前には川が広がり、流れる水も透き通っていて一点の曇りもない。川底までしっかり見えるほどの綺麗さだ。やはりきれいな水が豊富なところにはきれいな緑が生い茂るのだなと思った。

澄んだ水と豊かな緑に心癒される。

もう6月後半だというのに、遠くにそびえたつ山々には雪がまだ溶けきれずに残っているのが見える。それほど標高が高いってことか。

少し長めのハイクをしてみようかということになり、向かい側から歩いてきた年配のご夫婦にこの先に何があるのか、どのくらい時間がかかるのか尋ねる。「30分ぐらい歩けばかなり大きめの滝が見れるところにたどり着くよ」とのことだった。時間もあることだしゆっくり歩きながら滝を目指す。

目の前には湖が広がる。

30分ほど歩いてみたが、滝が見えてくる気配は一向にない。「あの年配のご夫婦が言ってたの本当?だいぶ違くない?」と言いながら足を進める。さらに30分歩いてみたが何も見えない。ついには雷が鳴り出し、激しい雨も降ってきた。山の天気は短時間でガラッと変わりやすい。少しやり過ごせばすぐ晴れることはわたしたちもわかっていたが、ここまで歩いた疲労もあり車に戻ることにした。とはいえ私たちのうちの3人はかなり先を歩いており姿も見えなかった。圏外なので連絡もつかない。とりあえず車を停めているところで待てばいずれ帰ってくるだろうということでわたしたちは先に引き返すことにした。

3人もようやく戻ってきたところで、再び車に乗り込み、パーク内の食料品店で今夜と翌朝用に食料を手に入れる。疲れ切っていたわたしたちは早めに宿へと戻った。今日の宿は昨日泊まったところと同じだ。ただ、この宿は少し特殊で、テントとワゴンに泊まることができる。わたしたちはどちらもひとつずつ予約していたので、4人のグループに分かれて一夜で交代しようと言っていた。わたしのグループは昨夜ワゴンで寝たので、今夜はテントだ。昨夜テントに泊まった組に寝心地はどうだったか聞いてみる。イタリア人の一人が「全然寒くなかったし快適だったよ〜」とのことなので、まあ一夜過ごした人たちが言うのだから大丈夫かとたかを括っていた。ちなみにワゴンの中にはヒーターがあったにもかかわらず、明け方はかなり冷え込んで寒かったので、寒さ面が気がかりだったのだ。

昨夜を過ごしたワゴン。中もかなり広めで、1台につき最大6人泊まることができる。
これがその例のテント。見た目は可愛いが、キャンプ初心者には向いていない。

だが、これは全くの嘘だった。テントは昔の仕様で下は砂利、その上に簡易ベッドが並べられているだけだった。ワゴンの中には明かりもヒーターもあったが、テントには本当に何もなかった。小さい頃夏はよくキャンプに行っていたので慣れているわたしでも、さすがにこの中で寝たら凍えて体調を崩すだろうと容易に想像できた。「いやいや、さっき快適だったって言ってたの完全嘘じゃん!よくあんなにさらっと息するように嘘つけるな〜ほんと!笑」とこちらのグループももう呆れている。「まああっちの振る舞いがどんなに悪くてもどうでもいいけどね〜!もう明日でお別れだし!」今回私たちのグループは何回この「どうでもいい」(whatever)という単語を使ったことだろう。「この旅のハイライトはwhateverで決まりだね」なんてこっちのグループで話していたことも笑える。こんなところで一夜を明かせないと考えたわたしたちは車の中で眠ることにした。

私たちが借りていたバンは天井がガラスで、中のスクリーンを開ければ空が見えたのも良かった。星を見ながら眠りについたのもいい思い出だ。

昨日泊まったワゴンと星。カメラ技術がなさすぎて星しっかり撮れなかったが
お気に入りの一枚。

最終日について特に書くことないからどうしようか迷い中。総まとめとしてこの旅について思ったことでも書き留めておこうかしら。

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