見出し画像

マーケティングの理論を学ぶ【3回目(全14回)】~事業領域の選択~ #マープス

無料のオンラインマーケティング講座「マープス」

理論を体系立てて学ぶ14回の連続講座、全14回連続講座の第3回です。

前回の視聴noteはこちら(↓)

『マーケティング戦略』の構成

第Ⅰ部 市場の選択
第1章 事業機会の選択(企業成長のための市場需要の探索)
第2章 事業領域の選択(企業アイデンティティの形成) ←今日ココ

第3章 標的市場の選択(成熟市場における市場細分化戦略)

第Ⅱ部 市場の分析
第4章 市場データ分析(消費者に関するデータの収集と分析)
第5章 消費者行動分析(消費者の行動を理解する)
第6章 競争分析(競争環境と競争相手の分析)
第7章 流通分析

第Ⅲ部 市場への対応
第8章 製品対応(マーケティングの中核としての製品戦略)
第9章 価格対応(価格設定のマーケティング戦略)
第10章 コミュニケーション対応(消費者への効果適菜情報伝達)
第11章 流通チャネル対応(流通環境の変化に対応したチャネル戦略)
第12章 競争対応(競争優位のための戦略対応)

第Ⅳ部 市場との対話
第13章 サービス・マーケティング(サービス業のマーケティング戦略)
第14章 ソーシャル・マーケティング(マーケティングと社会のかかわり)
第15章 関係性マーケティング(相互作用重視のマーケティング)
第16章 デジタル・マーケティング(デジタル・コンシューマーに対応するマーケティング)

★このnoteでわかること

  • 事業領域の選択の種類

  • 多角化に至る流れ、多角化の種類

  • 事業領域を意識した企業イメージについて

『マーケティング戦略』事業領域の選択

ひとつの事業を超えて多角化した企業は、それぞれの事業の定義とは別に企業全体のアイデンティティを作り上げなければいけない。

『マーケティング戦略〔第6版〕』©2022 和田 充夫・恩藏 直人・三浦 俊彦/有斐閣アルマ

今日の言葉の定義

ドメイン

企業の事業の範囲や領界。企業の生存領域。
 今日および将来にわたって企業が生存していくための事業領域(事業展開の領域の境界線)

『マーケティング戦略〔第6版〕』©2022 和田 充夫・恩藏 直人・三浦 俊彦/有斐閣アルマ

事業領域は、どのような顧客集団の、どのようなニーズを特定し、それに対してどのような独自技術で対応するか、によって規定されることになる。

『マーケティング戦略〔第6版〕』©2022 和田 充夫・恩藏 直人・三浦 俊彦/有斐閣アルマ


マーケティング・マイオピア ※マーケティング近視眼の意
自社のドメインを狭く問えらえて、市場機会を逃すこと

例:1960年代のアメリカの鉄道事業は、鉄道のみ。日本の場合、都市開発やレジャー、飲食、カード事業と消費者の暮らしに事業領域を広げた

(例:日本の鉄道会社)


シナジー(相乗効果)

アンゾフの4類型:「販売シナジー」「生産シナジー」「投資シナジー」「経営シナジー」

■「選択と集中」の難しさ

  • リスクも集中する

  • 人員整理の難しさ(日本の場合、終身雇用)

  • 人材流出の可能性と新規採用の困難

  • 株主からの反発

日本の場合、バブル期に「経営資源の有効活用」と「リスク分散」の理由で多角化を推進した。バブル後、収益率が低下して、コア事業を残し、「本業回帰」と「選択と集中」を行い、シナジー重視の多角化を行った。

■多角化

集約型多角化は本業の経営資源を十分に活用した多角化であり、連鎖型多角化は本業の経営資源の一部を活用しつつ事業領域としてはやや飛躍した多角化である。前者は利益追求型、後者は成長追求型の多角化といえ、両者の組み合わせによって長期的な企業の成長が得られる。

『マーケティング戦略〔第6版〕』©2022 和田 充夫・恩藏 直人・三浦 俊彦/有斐閣アルマ

◆垂直統合の多角化

本業を中心とした多角化。
川上(原材料調達)、川下(販社やチャネル強化)

◆集約型多角化

本業の経営資源を活用した多角化。

例:味の素

◆連鎖型多角化

多角化の過程で新たな経営資源を獲得しながら行う多角化。

■企業アイデンティティと企業イメージの統合と形成

企業イメージは一般大衆、社会、顧客、取引先、投資家などが、企業が発信するさまざまな情報や事業活動などをもとにして描く企業の像である。ここで、企業の存在は独自的でなければならず、他の企業と差別的でなければならない。企業の存在が独自的であり他とは差別的である源泉は、一般に企業理念、企業コンセプト、企業ドメインなどである。

『マーケティング戦略〔第6版〕』©2022 和田 充夫・恩藏 直人・三浦 俊彦/有斐閣アルマ

■企業戦略とマーケティングの関係

マーケティング戦略は企業戦略や事業戦略の傘の下に作成されるため、マーケティング戦略あるいはプロダクト・マーケティングの出発点はあくまでも企業理念、企業目標である、企業戦略である。

※提出義務のない宿題

マーケティング・マイオピアから脱して、ドメイン拡張している企業を見つけよう。 ※テレビCMなども参考に

例:RIZAPグループは「人は変われる。」

人が変わりたいと思える領域は、対象になる。

まとめ・感想

今回は、企業の事業領域の展開、事業領域の拡大についての概要、そして、その新たな事業領域を含んだ企業イメージの作られ方の概要について確認することになった。うまくいっている企業例が多い印象は、本業の経営資源、コアとなる資源を活用する多角化だが、事業の多角化が成立するだけでは、十分ではない。企業イメージとして、消費者や社会に伝わらないと、ブランド価値を活かせない。課題にある通り、多角化とその企業イメージがうまくいっている例を意識して探してみよう。

『マーケティング戦略』はこちら


この記事が参加している募集

いい歌を詠むため、歌の肥やしにいたします。 「スキ」「フォロー」「サポート」時のお礼メッセージでも一部、歌を詠んでいます。