見出し画像

見えない家事の見えない悩みを家族に話そう

妻は毎日出勤しているが、私は在宅勤務が基本だ。どうしても私が名のない家事を引き受けてることが多い。コーヒーがなくなれば買ってきて箱に入れてことも、掃除がマメじゃない分、小さなゴミを見つけてはゴミ箱に放りに行くことも。

見えない家事の見えないイライラ

コーヒーを調味料入れの大きなケースにしまう時、ハサミのある場所まで行って、ハサミでコーヒーのパッケージを切って、こぽさないようにケースに移す。パックの形状に問題があると思うのだが、逆さにしただけだと底にコーヒーが残ってしまう。中身が残ってないか確認して、ポンポンと底をやさしく叩いて、残ったコーヒーをケースに出し切る。普段、使わない繊細な動作が、ちょっと面倒だ。

掃除が嫌いで床をクイックルワイパーで拭くことすら面倒に感じる。だから頻繁には掃除しない。その分、小さなものでもゴミが落ちていれば拾う。髪の毛や埃の固まりなんかをだ。手に取ったゴミはゴミ箱に捨てるんだけど、全部の部屋、行動範囲内のすべての経路にゴミ箱があるわけじゃない。ゴミ箱のあるところに行って、ゴミを捨てる。「ちょっと遠いな…」という気持ちが湧く。

この場合、ゴミ箱を増やすことは解決にならない。ゴミ箱の数が多いと、可燃ゴミの日の前日に、まとめる作業が面倒だろう。最近、住まいの区では、プラゴミの分別が公式に始まった。プラゴミは、可燃ゴミとは一緒にしたくないので、ゴミ箱には入れたくない。

洗濯用洗剤・柔軟剤の追加投入も、部屋の空気の入れ替えも、マンションで毎日回収してくれるようなゴミ捨ても、ちょっとずつ面倒だ。洗濯機の上にいつも予備の洗剤があるわけでもないし、窓は開けたら締めなきゃいけない。

もちろん改善もする。取りにくい場所にあるものは、取りやすい場所に移せばいい。でも、取りやすい場所に移すことで、掃除や洗濯が面倒になるのなら、今まで通りにしておくだろう。毎日回収してくれるようなゴミ出しは、通常の資源ゴミ回収日にまとめて出したほうが楽なものもあるし、都度、捨てたほうが部屋がすっきりすることもある。アルミ缶、ペットボトルの蓋、など、ゴミの日以外にも、マンションで回収してくれるゴミは、都度出すことがある。何でも都度出しているかと言えば、もちろんそうじゃない。段ボールはかさばるのですぐに部屋から消したいけれど、運ぶのが面倒だから、私は資源ゴミの日に出したい。ペットボトルの蓋は、一階の郵便受けを確認する時に一階に捨てに行く。資源ゴミの日まで、ペットボトルの蓋を捨てるためのゴミ袋を作りたくないからだ。

小さな判断、小さなイラっ、が家にいる間、ずっと発生している。

私は、もう割り切ってしまったので、別にいいんだけど、世の家庭内でこうした名もない家事がきっかけでモメる気持ちはよくわかる。

小さな判断、小さなイラっを抱えている相手に、「これくらいやっといてよ…」「たかだか30秒でしょ」なんて詰める相手もいるのだろう。私が言われたら、殴ってしまうかもしれない(それはDV)。

洗濯物を畳んでる時に、「あ、コーヒー詰め替えなきゃ」「お米を袋から出しておこう」と思っても、洗濯物を畳んでいる最中にはやれないし、メモするほどのことでもないので、そりゃ忘れることもある。

仕事ではよくやる可視化をしたところで、「コーヒーの詰め替え」「食器を棚に移動する」なんて項目を増やして、問題点を書き出して、誰かが得をするのか? ちょっとの面倒の積み重ねなのに、やってる本人が可視化まで担当させられてたら嫌になるだろう。そうした小さな問題は、可動式の棚を別の場所に移動する、収納ケースを買う、容器のサイズを変えたり、収納場所を変えるだけで解決するかもしれない。小さな判断、小さなイラっを感じたあと、可視化のカードを作って、すぐに問題が解決したり、問題がなくなったり、問題の内容が変化したら、カードを更新する。そんなことをする必要はない。

飲み込め、我慢しろ、ということじゃなく、「こういうことをやってるよ」「こういう面倒があるよ」を時々、口頭で家族に共有して、やれる人、できる人がやればいい、というのが、今の私の考えだ。

女性ばっかりやる問題

やれる人、できる人がやればいい、という主張は、割と家事を引き受ける男性側が持ちかけた時だけ有効な話だろうことは理解している。家事はどうしても、女性側がやることが多くなり、不公平感が出る。

学校教育上も、これまでの母親の役割でも、女性がそういうスキルに長けてる場面が多いからだ。女性ばっかじゃん、になっちゃう。

世代によって開きはあるが、学校教育でも女性だけが家庭科でならったもの、女性が関わった時間の長いものがあるだろう。私の世代では逆に「技術・家庭」の授業で男性だけが木で椅子を作ったが、あれは、生活の中でいつ使えばいいのか? 今でも作れる大人は何人いるのだろうか? 役立つことだけ教えろということではない。普段に経験できないことをやることは楽しい。勉強になる。でも、家事に関わることを男女で差をつける必要はどこにもないだろう。

これも世代によるが、我々の世代は、母親が専業主婦の人が多い。女性が家事の全部を担当しているのを見て育った人も多いだろう。そりゃ、無意識に「お母さんの仕事」と刷り込まれても仕方がない。

平均年収の話では、男性のほうが女性より稼ぎが多いらしいので、男性が女性より稼ぐ家庭も多いだろう。外で稼いできているから、家のことは女性に頼みたいという男性もいるかもしれない。はて?(CV:伊藤沙莉)収入が少ないほうが家事をやる決まりがあるんだっけ? やり慣れない家事をやる経験で視点が増え、家事をやるための時間管理術を磨くことで、さらに稼ぎが増やせるかもしれないのに。もっと深刻な理由では、女性が体を壊したり、女性側の親の面倒を見なくちゃいけなくなった時、どうするの?

不公平感を持つ女性が多い時代、今の時代は、男性側ができるだけ家事を拾う。というのが、平和な夫婦、家庭にはいいんじゃないだろうか。

名前のない家事をやった男性は、褒められたいからじゃなくて、
「こういうことに気づいて、これこれをやったよ!」
「もっとやってほしいことがあれば、どんどん言って! 帰宅後に疲れてなければやるから!」
と言えばいいんじゃないだろうか。帰ったら、お酒を飲んでゆっくりしたい、と思うかもしれないが、お酒を飲んでも、テレビを見ながらでも、詰め替えや補充くらいはできるはずだ。

やったらやったで…

せっかくやったことについて、文句を言われる問題もある。

これは男性・女性、家庭のロールに関わらず、せっかくやったのに、文句を言われることで、やりたくなくなる問題だ。

「ここに置かないでよ、取りにくいでしょ!」
「なんでこんな畳み方すんの?」
「床ビシャビシャなんだけど…」

やったほうが文句言われる問題。

まずは相手への感謝からスタートするとして…

自分が得意すぎるとか、他人がやったことに許せないことが多ければ、自分が主担当になればいい。

「食器棚の整理は私がやるから、食器洗ったら、置きっぱでいいよ」とか。
それでも、食器が積んであることを気にされるようなら、やる側が譲歩して
「もし放置してて気になるようなら、言って。優先順上げるから」
みたいなコミュニケーションをすればいい。だって、自分が気になるんだから。

各家庭の正解を探る

基本は、こんな感じだろうか。

・男性側は、基本、家のことをがんばる
 (家庭円満という大目的のため)
・男性側が頑張る前提で、やれること、できる人がやる
・やってもらって不満が生じる側は、自分で巻き取ることを考える。相手が気にする状況になるなら、優先順を上げてあげる

先に書いた通り、私は。名もない家事を拾った気になっている。しかし、私のほうが無頓着な部分はある。例えば、水回りの掃除は、ほとんど妻がやっている。調理や食器を洗う時、床もキッチンも、ビシャビシャにしながら水を使う。キッチンの水垢が少ないのは、妻のおかげだ。お風呂の排水溝も、床が水浸しになるまで気づかない。排水溝の掃除は妻が気づいた時にやってくれている。トイレ掃除は、実は妻とかぶっている作業が多いらしい。床を拭いたり、便器を拭いたりは、両方がやっているようだ。どっちが多くやった、という問題じゃない。できるほうがやるだけだから。先に書いた通り、片方の健康上の問題や、介護を優先してできない状況だって発生することはあるんだから。でも何をやっているか、何に問題があるかわからないので、追加するなら…

・何が問題になっているかという情報と合わせて、自分がやっていることを時々伝える。
・解決しない問題、負荷の高い作業があれば、協力を求める。例えば、面倒だけど気になるので自分でやるけど、代わりにこっちをお願い、みたいな代替方法の提案も。

※お友達の意見

このnoteを書き出したのは、以下のXへの投稿と同じ内容をFacebookに投稿したら、友人たちの反応が多かったから。

少しお友達の意見を紹介しておく。

友人たちの意見はこちら

・時々、家事代行さんにお任せする
・気になる人がやる(気にならない人にやらせてもうまくいかない)
・指摘はしない(例:消し忘れをチクチク言わない。気になったら自分で消す)
・お互いがベストを尽くせる線を探る(「名もなき家事」なんて名づけて、余計な軋轢を生まない)


何はともあれ、毎日のことなので、相談一つにも、あまり気負わず、家事をやっていきたい(本当はやりたくないのは内緒)


この記事が参加している募集

新生活をたのしく

#創作大賞2024

書いてみる

締切:

いい歌を詠むため、歌の肥やしにいたします。 「スキ」「フォロー」「サポート」時のお礼メッセージでも一部、歌を詠んでいます。