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今月もひとり歌会(2024年1月)

月が終わると、毎日詠んだ歌を整理する「ひとり歌会」。誰のフィードバックも得ず、詠んだ歌を見ながら一人、仕事や生活をふりかえる。

近況

父の四十九日で実家に帰った。人生で一番長く住んだ街だが、もう法事でしか帰らない街になってしまった。そして、年末、引っ越した住居に、同居の人が入ってきた。まだまだ暮らしが落ち着かない。ちゃんと暮らしが成り立っていくのか、、、まだわからない。

今月も、日々、作歌する時間が取れずに、2月1日に五音七音に整えたばかり。数日間、こっそり推敲をするかもしれない。

今月の歌(36首)

1/1月
明日には挨拶に行く義父と義母 なぜか前日の昼の緊張
1/2火
義父と義母の挨拶代わりの菓子折りの「年賀」の熨斗に強く念こめ
1/3水
生活を共にすること、肌触れる時間が増えることでもあって
1/4木
夢の中 亡き父がいて寝息立て眠る姿にホッとし 目覚め
→夢の中 亡き父がいて寝息立て眠る姿にホッとし、目覚め
(「塔」短歌会2/20締切投稿①)
1/5金
数日間かゆみに耐えた年明けに 腕搔きながら開院を待つ
→数日間痒みに耐えた年明けに 腕搔きながら開院を待つ
(「塔」短歌会2/20締切投稿⑦)
1/6土
大声で母親にクイズを出す子いて 答え聞くまで後をつけたい
1/7日
電車内 鼻啜り文を打つあなた 今日その人とお別れですね
(「塔」短歌会2/20締切投稿⑩)
元妻に心の中で吐く毒も五年目にしてやっと希釈す
(「塔」短歌会2/20締切投稿⑧)
1/8月
二人して新居で過ごす時間持つ 段ボールより存在感なし
→二人して新居で過ごす時間持つ 段ボールほどに存在示せず
(「塔」短歌会2/20締切投稿⑤)
1/9火
確認漏れ 育ちや習慣の違いから 揉めるたび 心にヤスリがかかる
1/10水
手のひらに触れるちくちく 抜けぬ毛は鏡で見ても見えぬ白い毛
1/11木
共に居て初めて見えることばかり 常識 前提 ゴリゴリと噛む
(「塔」短歌会2/20締切投稿⑥)
1/12金
二日酔いのまま文章を直してる 昨日の自分に毒づきながら
1/13土
昼飯にトンカツを頼み「あと、ビール」 隣のじじいの湿った視線
1/14日
10歳の息子と推しがかぶること こんな幸せなことはなかろう
(「塔」短歌会2/20締切投稿⑨)
1/15月
なじられて夜に歩いた知らぬ街 野犬に噛まれて死にたき私
→なじられて夜に歩いた知らぬ街 野犬に噛まれ死にたき私
(「塔」短歌会2/20締切投稿③)
1/16火
二人して暮らして半月経たぬ今 一人暮らしを渇望している
1/17水
短歌社の冊子が届きそうな今日は 数度エレベーターで上下す
1/18木
新居近く 散歩コースがつまらない コンクリの土手 景色動かず
1/19金
人肌に感じる安心手に入れるために二人は暮らすのでした
1/20土
生まれおち20年住んだこの街も法事の時に帰ってくるだけ
五十歳を視界にとらえようやっと中学の時のあのこと赦す
1/21日
四十九日に人は成仏するという 遺影もただの写真となれり
→四十九日に人は成仏するという 遺影もただの写真に変わる
(「塔」短歌会2/20締切投稿②)
1/22月
短歌とは違う詩作をしてみむと故郷で撮った写真を見つめ
「杉橋」は小学校に上がる前から大人までの俺を知ってる
1/23火
妻となる人と暮らして半月後 近くのラーメン屋の一角に座す
1/24水
二人そろった休日だから予定詰め 疲労を溜めて 翌朝に死す
1/25木
少しずつ二人暮らしに慣れていく 週末に来ます 息子が来ます
1/26金
コーヒーのカップを置かずボタン押す 流れる黒い液体を見る
子の成長を知らせたかった父は亡く 四十九日を過ぎてかなしむ
1/27土
鼻の中覗きて切りたい白い毛は映らないから太く伸びゆく
パートナーと我が子の初の顔合わせ 針鼠二匹見ている気持ち
→ パートナーと我が子の初の顔合わせ 針鼠二匹見ている心地
(「塔」短歌会2/20締切投稿④)
1/28日
父に見せたい息子の写真が増えてゆく 検索「天国 画像 送信」
→育つ子の様子聞いてきた父のため「天国 画像 送信」検索
(歌会詠草)
1/29月
年末のお礼参りに駆け込む朝 一月中でホッとしている
1/30火
仕事中の眠気を殺すコーヒーを取りに行けない裏方だもの
1/31水
料理すらできない晩に妻になる人が食卓に皿を並べる

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