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「選」ばれた歌、「選」ばれなかった歌(2022年6月号)

会報誌に短歌を投稿している。
10首まで投稿できて、採用は5首前後の人が多い。
歌はその歌が選ばれる「選」もフィードバックの一つ。何が選ばれて、何が選ばれなかったか、その基準を自分で考えることで歌を見直すことができる。手書きの投稿という面倒さも受け入れて、毎月送っている。

今月は6首採用。

そして嬉しいことに、今回の選者は、永田和宏先生!
(永田さんは、短歌を始めたきっかけの「ほぼ日の学校」で講師をされていたので、私にとっては「先生」なので、勝手に「先生」とつけて呼んでいます)

いつか私の短歌が、先生の目に触れることが、目標の一つであったので、それが達成されたことが嬉しい! 目標を達成したことで短歌を止めちゃうんじゃないかと思ったけど、次はもっと先の目標、先生と短歌の話ができる日が来るまで詠み続けます。

採用された歌(掲載順)

道端の凍った雪を蹴転がす四十年前の少年がいる
寒き日も行列店に人は来る 常連は並ぶホクホク顔で
お付き合いすると決まった今日からは指は甘い言葉だけ打つ
二十年ぶりに会う友だちはいつ金の無心の話をするか
天井の監視カメラがまじまじと私の頭皮を見つめておりぬ
戦争に向かう世相を棚に上げ 力いっぱい「大好き」を言う

選ばれた歌、選ばれなかった歌をみて感じたこと

毎回、感じることだけれど、よくあるシーンを切り取っただけでは、選んでもらえない。投稿する時は、どこか一点だけは、自分の視点を入れれたものを残したつもりだったけど、選ばれた歌を見てみるとそうなってないなぁ。巧拙ではなく、視点が第一。どうやったら、独特の視点が持てるだろう。また解決しないまま、この悩みを数カ月保持することになりそう。
(いい語順・伝わる言葉に言い換えることは、巧くはないけれど、推敲することで、少しは、いいものに近づけられるので、やっぱりそこじゃない。テクニックがあれば、もちろん、学びたいけれど)

投稿した歌

(投稿順、日付は詠んだ日、太字は採用歌、矢印は投稿時に推敲したもの)

2/11金
道端の凍った雪を蹴転がす四十年前の少年がいる
2/13日
寒き日も行列店に人並ぶ 常連は並ぶホクホク顔で
寒き日も行列店に人は来る 常連は並ぶホクホク顔で
2/7月
お付き合いすると決まったから今日の指は甘い言葉だけしか打たぬ
お付き合いすると決まった今日からは指は甘い言葉だけ打つ
2/16水
会えなくて通話だけでもいいからと、つなげば話すことなどなくて
→会えなくて通話だけでもいいからとつないで無言の時間が流る
2/15火
自炊をはじめ一カ月ほど経ったころ 料理番組という楽しみを得る
→自炊をはじめ一カ月ほど経ったころ 料理番組が楽しみになる
2/17木
20年ぶりに会う友だちはあと何分すれば金の無心をするか
二十年ぶりに会う友だちはいつ金の無心の話をするか
2/22火
追悼の投稿をみて、反応をする人、我は見るだけの人
→追悼の投稿をみて、反応をする人、我は泣くだけの人
2/23水
天井の監視カメラがまじまじと私の頭皮を見つめておりぬ
2/27日
戦争に向かう世相を棚に上げ 力いっぱい「大好き」を言う
2/11金
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