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ちょっとだけ校正のお手伝いをしました

先月、ある料理の本の校正を少し手伝いました。

短いページ数ですが、誤字・脱字などのチェックを行う仕事です。
(お金をいただいたものではないので、副業ではない)

本を作る専門家だけでなく、普通の人を本づくりに巻き込み、素人の集まりに、いろんな工程を体験させようという試みでした。
(もちろんレシピやデザインには、ちゃんとプロの手が入ります)

素人だから手を抜いた、とわけではありませんが、短い時間、割と直前に担当する内容が伝わったので、急いで確認する必要がありました。

校正で力を発揮する方法、そして短期間でチェックするには、やはり「声に出して読む」ことがよいでしょう。黙読だと、つい、ひと目で意味を拾ってしまうため、間違いに気づきにくい。音読することで、ある程度、ゆっくり文字を追うことができるので、誤字・脱字にも気づきやすくなると思います。

特に、音読で力を発揮するのは、接続詞が変だったり、AだからBと言いながら、Aが理由になっていなかったり。しゃべってみた感じで、論理の間違いや、ちょっとしたニュアンスの違いに気づきやすくなります。ただ今回は、ほとんど印刷に回る前の段階だったと思うので、私が確認したページには、日本語が変、論理的に正しくない、というものは見つけられませんでした。

指摘したのは、言葉のリズムとして、また視覚的にも、読点(、)があったほうがいいとか、よく使う言いまわしで「塩加減」と書いてあるけど、ここは「塩」でいいんじゃない? とか。まぁそれくらい。

あと、表記揺れは、もともとシステム開発の仕事をしていた時から、設計書などの違和感を感じないといけない仕事をしていたので、気づきやすかったと思います。同じページに、「フタ」と書いてあったり、「ふた」と書いてあれば、すぐに、あれっ? ってなりました。

最近、料理をやっててよかったと感じたのは、このページは、大さじ、小さじで表記してあるのに、同じ材料が別のページでは、グラム数で書いてあったり、したことに気づいたことですね。レモン汁一個分、と書いてあるけど、こちらは、レモン汁大さじ3と書いてあったり。この材料は、大さじ・小さじ、この材料は、グラム数も併記したほうがいいんじゃない、といった指摘ができました。料理をしていなかったら、そして初心者じゃなかったら、「グラム数じゃわかりにくいよ」なんて思わなかったかもしれませんね。担当する本の専門分野にちょっとだけ足を突っ込んで、できれば素人に近い目線を持つことって大事なんだな、と思いました。


もっと校正の精度を上げるには、
「印刷して見る」
「一字ずつ見る」
とかやるといいでしょう。時間があれば、掲載してあるレシピを見ながら、実際に料理を作ってみてもいいかもしれません。本を読む時の視線の移動や、手順の内容について、間違いや、ぎこちなさに気づいたかもしれません。


でも、少しだけでも貢献したかもしれないと思ったものが、販売されるのっていいですよね。またお手伝いしたいです。


今回は、「声に出して読む」だけに留まりましたが、次回は、「印刷する」「一字ずつ見る」「レシピ通りに作ってみる」といった校正作業もしてみようと思います。


そんな校正をお手伝いした本が発売されています!

スパイスカレーに興味がある方。ぜひ、手に取ってくださいね。



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