見出し画像

クリエイティブになるための読書(75週目)

トラウマに関して、「環状島」という島のメタファーを使って解説した『環状島=トラウマの地政学』読了。最初は無理やりこじつけたような島のメタファーに抵抗もあったが、変化するトラウマという心の内部の事象を理解するのに役立った気がする。

今週読みだした『午前32時の能年玲奈』がおもしろい。そして太宰の『人間失格』を初めて読んだ。

※書籍のリンクは、アフィリエイトリンクとなっています。


クリエイティブになるための読書「毎日、物語1つ、詩を1つ、論考を1つ」を継続中。基本は平日のみ。はじめた頃は無料の青空文庫と、読み放題のKindle Unlimitedから読んでいた。その後、もっぱら図書館で借りていたのだが、2023年末に引っ越した際、部屋の整理が追い付かず、借りてきた本が売ってしまう本の中に埋もれては困る、と帰省の際に自分の部屋にあった本棚から持ってきて消化していた。今は、自分の本棚にあった本の他、主に、古書店で手に入れた本が中心。

当日、読む作品を選んでから読み終わるまで30分弱。最長でも1時間弱。毎日続けることなので、できるだけ時間はかけない。

感想

英詩、特にソネットは、読み方にも特徴があるので、音源とともに。

時々、この「詩」の枠で読む短歌。佐藤佐太郎歌集の「開冬(昭和四十五年―四十九年)」は、おぉ! と感嘆する歌が多かった。

評論

推したい主義もなく、民主主義にも明るくないという著者が、問題解決という視点で、今の国ごとに自分らの主張する民主主義の矛盾に対する指摘、何も考えずに受け入れている日本の民主主義の不確かさへの意見に、何度も頷きながら読んだ。

ただのアイドル論かと思いきや、実際に自分でも見てきたこれまでのアイドルとその時代を想うと、つい涙ぐんでしまうような話だった。前々職の時、上司に薦められた本。11年前に購入して積ん読していたが、読んでよかった。

物語

実は『人間失格』を初めて読んだ。誰もが感じたことのある、他人へのかかわり方があって、これは自分だ、と思う人も多いだろう。十代の頃に読まなくてよかったと思う。こうやって堕落しても生きていけると思い込んでしまったろうから。ま、こうならないようにしよう。40歳代になるとね、飲まなくても不調があるのでね。たぶん、今さら、こうはなれない。あと、こんなにモテない。

実績

太字は、気になったもの、気に入ったもの

2024/8/19(月)
・【詩】ガニメート(ゲーテ詩集 髙橋健二訳)
・【評論】環状島と知の役割(「環状島=トラウマの地政学」)宮地尚子
・【物語】さなぎのなかみ(「10分間の官能小説集2」)蛭田亜紗子

2024/8/20(火)
・【詩】雨/朝の鏡(「現代詩の鑑賞101」)北村太郎
・【評論】農業問題を考える(「大前研一の新・国富論」)大前研一
・【物語】心のこもった作り話(ローソン短篇集・伊澤龍雄編訳)

2024/8/21(水)
・【詩】『恋愛小曲』第75連(「英詩鑑賞入門」)スペンサー
・【エッセイ】午前32時の能年玲奈(「午前32時の能年玲奈」)中森明夫
・【物語】アウァリクムの攻囲と占領(「ガリア戦記」)ユリウス・カエサル

2024/8/22(木)
・【詩】開冬(昭和四十五年―四十九年)佐藤佐太郎
・【評論】「民衆」が被害者であると同時に加害者になる(「大前研一の新・国富論」)大前研一

・【物語】ファールンの鉱山(「ホフマン短篇集」)ホフマン・池内紀編訳

2024/8/23(金)
・【詩】米久の晩餐/雨にうたるるカテドラル(高村光太郎)
・【エッセイ】午前32時の能年玲奈 完結編(「午前32時の能年玲奈」)中森明夫
・【物語】人間失格(太宰治)

2024/8/24(土)
・【詩】専門家と熱情家(ゲーテ詩集 髙橋健二訳)
・【エッセイ】AKB48と文学/もし寺山修司が、いま生きていたら(「午前32時の能年玲奈」)中森明夫
・【物語】灰色の月(「昭和の名短篇」)志賀直哉

2024/8/25(日)
・【詩】雲の幽霊(アポリネール・堀口大學訳)
・【エッセイ】意地の悪い山案内(「山のパンセ」)串田孫一
・【物語】神馬(「昭和の名短篇」)竹西寛子

これまで読んだリスト

(同じことをしてみたい人のために。本を選ぶ参考にどうぞ)

いい歌を詠むため、歌の肥やしにいたします。 「スキ」「フォロー」「サポート」時のお礼メッセージでも一部、歌を詠んでいます。