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おとおとの 競馬場の話

はいはいこんにちは。
おとおとでございます。

2週にわたってハナクソだのゲロだの
みなさんの眼を汚すような汚エッセイを
お送りしてまいりましたが、
スキをそこそこ頂けているとの事で
皆様も大概だなと思っております。
いつもありがとうございます。

さあ、上品な紳士淑女は読まないでおなじみの
大衆エッセイ「ふたりの のはなし」ですが
今週は「競馬場の話」

僕ら兄弟家はギャンブルというものに甚だ縁遠く
あにはギャンブルの軍資金があるなら駅前の和菓子屋でお団子でも食べませんか?な男だし
おとおとはフランツ(その昔駅前にあったショッピングセンター)の3階にあるじゃんけんゲームほか何台かのメダルゲームを超えるギャンブルはこの世にない。な男なので、パチンコ、スロット、競馬場その他ギャンブルに兄弟揃ってウトウトに疎い。

そんな兄弟にとって昔住んでた街にある競馬場というのは花火大会の会場という情報以外ほぼなかった。

競馬場の花火大会の思い出。。。

子供の頃。。。

ダメだ!!!

迷子になった事しか思い出せない笑

昔からビビりだったおとおとは
基本どこに行くでも親から離れることはなかったのだが
競馬場で花火が始まる前、
おとなたちは既にビールだの酎ハイを数缶空けている。
僕ら子供も普段は買って貰えないジュースをじゃんじゃん飲ませてもらえるのですぐ尿意を催す。
数回は父親が着いてきてくれるがだんだん面倒くさくなったんでしょうな。

「もう何回も行ったから場所わかるだろ?一人で行ってこい!」
と言われひとりでトイレに行かされる。

ホント時代だよね。

元来筋金入りの記憶力の無さで
大人になってからも苦しむことになるおとおとは
既にこの頃から病的な方向音痴(帰り道を記憶できなかったんだろうね)で来た道を帰ってきたはずなのに
思ったところに知ってる人(親含む)が誰もいない。

そんな事で
花火終了後、近所の定食屋の女将さんに発見保護されるまで延々さまよい続けた。


2年連続で..…


なんでやねん!!!笑


2度目はさすがに前年に大迷子をやってのけたので
同じビニールシートに座るご近所さんもみんな僕をひとりで出歩かせないようにしてくれていた。
これで安心と僕は母が大量に作った手羽唐をひとりでムシャムシャ食べていた。

周りも薄暗くなってそろそろ始まるかなという頃、
近所のラーメン屋のおばちゃんが娘のまーちゃんに1000円を渡し、

「まーちゃんこれでおとちゃんとなんか買っておいで」

そういえば入口すぐのところにキッチンカーが何台かとまってて
やれポテトだのフランクフルトだのたこ焼きだのを販売していた。

前年地獄をみたから正直気乗りしていなかったが
競馬場花火大会なんてお祭りやん!!
露店天国やん!!!

僕はたこ焼き食べたいとまーちゃんに言った。
まーちゃんは1つ年下だが、お金を持ってるのはこの子。ましてやまーちゃんの親から支給されたからこっちに選べる権利なんかない。

「あたしこれがいい。」

まーちゃんが指を刺したのは

クレープ屋。

一昔前は原宿で若者が行列を作って買っていたスイーツ。
最近はこんな郊外の花火大会でも販売してるんですね。

じゃねーんだよ!!
おいバカガキ!!
祭りはたこ焼きじゃろがい!!
とっととたこ焼き買って親のとこ戻ろうぜ!!
まあ1人では戻れねえけどな!!


あたし絶対クレープがいい。

んんんでもめちゃくちゃ並んでんじゃん!!
これすごい時間かかるぞ!!
たこ焼き見てみろって!
焼きたてがすぐ買えるぞ!


うちのお金だから.…


な、な、なんて卑怯な!!
こいつ幼なじみだけど昔からそういうとこある!!
あーわかったよ!
勝手にせい!!

たこ焼きを諦め2人でクレープ屋に並ぶ。
しっかしすごい行列
ワンオペで頑張るクレープ屋のおばちゃんも急ピッチで作るが、全然列が進まない。

30分ほど経過。。

だんだん薄暗くなる競馬場
会場が花火のスタートを今か今かと心待ちにしてる中ふたりの未就学児は「始まるな始まるな」と願っている。

しかし
順番が残り3人くらいのところで
ついに一発目の花火の音が会場にこだまする。

もちろんクレープ屋からは見えない。

するとおとおとの前を並んでたまーちゃんが小さな声で


やばい。怒られる。。
早く戻らなきゃ。。。


だーから言ったやん!!
たこ焼き買ってれば今頃めちゃくちゃいい席で
花火が見れたのに!
お前はほんっとバカだよ!!
まあでももう注文も伝えたしお金も払ったから、
出来上がるのを待とう。
もうできるよ。
ほらっ!
まーちゃんのいちごチョコ生クリームが先に出来たよ。


まーちゃんは先にできた自分のクレープを
受け取ると


走り去った!!!


僕のクレープはまだ作ってる最中

「まーーちゃーーん!!待ってよーー!!」

大きな声で呼びましたが
まーちゃんはとんでもない速さで人混みに消えていった。

なんやねん。
あの女。
おまえがクレープがいいって言ったから付き合ったのに。
なんで置いてかれなきゃいけないんだよ。
親に怒られるは俺も一緒。
ほんまなんやねん。
てかこっちゃクレープなんか食いたないねん。
なんで俺は食いたくもないもんをわざわざ並んだのに裏切られんとあかんねん。

クレープを待つ数分の間
ふつふつと怒りが未就学児の身体を右往左往します。
きっと怖い顔してたんでしょうね。
クレープ屋のおばちゃんが

「ほらっ出来たよ!!クリーム多めにしておいたよ!!ごめんね遅くなって!急いで花火見ておいで!!」

とチョコバナナ生クリームのクレープを僕に手渡した。
ありがとうおばちゃん。

僕は走り出した。

しかし10秒で立ち止まる。

....…


....…


わしどこにもどんねん!!!


そしておとおとは2年連続3度目の迷子になり
花火終了後たまたま見に来ていた保育園の橋本先生に発見、保護されるまで競馬場を延々さまようのであった。

その後

保護されたあと、安堵する親達に目もくれず
一目散にまーちゃんの所へ飛び蹴りをお見舞いしに行き大人たちに羽交い締めにされるおとちゃんであった。

以上。
おとおとの たまには競馬でも行ってみようかなの話でした。

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