あにの 競馬場の話
どうも。年度初め一発目のあにです。年度末年度始繁忙で半死半生のあにです。前回めずらしくおとおとが長文を書いていたので、今週はあっさりめに行こうかなというのが今週の目標です。
さて、昔からギャンブルには縁遠く、ハードオフのジャンクコーナーにおいてあったジャンケンマンをなんの気なしにいじってみたら思いがけず大量のメダルをゲットしてしまい使い切れずに涙目になってしまうような我々兄弟。
しかし幼少期、府中市という公営ギャンブル成金都市に住んでいたあに少年。意外と競馬場デビューは早かったりします。
それはまだあに少年が幼稚園児の年長さんだった頃。
隣に住んでいた幼馴染のさっちゃん(一個年下チビでぽっちゃり)とよっちゃん(小5のお姉さん)が、遊園地に行こうと誘ってきました。
我々府中市民にとって遊園地といえば稲城のよみうりランド、もしくは日野の多摩テックでしたが、そのどちらでもないといいます。
「あのね、おっきな風船のくまがあってね、そのくまがね、ふわふわでね、ポンポンするのがあるんだよ! おとうさんが連れてってくれるって!」
年下でチビでぽっちゃりのさっちゃんの言うことはいまいちさっぱりよくわかりません。しかしあに少年が生まれて初めて一方的に結婚の約束をした初恋の人、5歳年上のよっちゃんが行くのであれば、あに少年もいかないわけにはまいりません。さっそく母に許可を取り、あに少年、さっちゃん、よっちゃん、お義父さんの4人で駅まで自転車でGO!京王線にIN!
やってきました東京競馬場!
競馬。見たことはありませんが話には聞いたことがあります。
なんでも馬と馬が走って競争をするとかしないとか。
しかしそこにいるのは人、人、人……馬の姿は見当たりません。
「じゃあよっちゃん、ちっちゃい子達よろしくね!」
お義父さんはチビ2人をお姉さんに預けて、そそくさと何処かへ消えていってしまいます。時代ですね!
当時はよくわかっていませんでしたが、今ならよくわかります。お義父さん、子どもたちをダシにして、ただただ自分が遊びに来たかったんですね。
ですがあに少年にとってもお義父さんがいなくなるのはむしろ好都合。フィアンセのよっちゃんと異郷の地でデートと洒落込もうじゃありませんか。このさいチビでぽっちゃりのさっちゃんの存在は考えないことにします。
「ここにね、くまの風船があってね、ふわふわしてね、ポンポン跳ねるのすっごく楽しいんだよ!」
あいかわらず何を言っているのかイマイチ要領を得ないチビぽっちゃりを連れて、2人とおまけは、我々と同じように親に見放された子どもたちが集まる広場へと向かいます。そこにあったのは、なんかこんなやつ……
巨大な、幼稚園の年長さんにとってはひたすら巨大テント(?)を空気で膨らませたようなやつが鎮座しています。
先日多摩センターで見かけて撮影したこの写真には広い窓がついていますが、その時競馬場にきていたのはそれはそれは小さな小窓が2つばかりついているだけのほぼ密閉型。中からは子どもたちの嬌声?悲鳴?が聞こえてきます。
これは……ダメなやつや……
あに少年の本能が警鐘をならしています。近づいてはいけないと……
しかしチビぽっちゃりはこれを見るやいなや駆け出し、さっさと入場待ちの列にならんでいるではないですか。
「あにくんも行こうか!」
妹を一人にしておくわけにも行きません。よっちゃんがビビるあに少年の手を引いて一緒に行列に並びます。
これは……入りたくないな………
かなりしょげこんでいるあに少年ですが、列は無情にも進み、我々の順番が回ってきます。
チビぽっちゃりはとっとと中に飛び込んでいきます。
「ボクは……大丈夫かな! 外で待ってるよ!」
勇気をだしてお断りをするあに少年。しかしお姉さんからしてみたら妹を一人でほっておくわけにもいかないし、他所の家の子供を一人で待たせるわけにもいかない。さりとて早々に飛び込んだチビぽっちゃりを呼び戻すわけにもいきません。ここは嫌がるあに少年をなんとかなだめて中に入る一択なわけです。
「怖くなっちゃった? じゃあ、手つないであげるよ!」
ならば行かないわけにはいきません!
お姉ちゃんに手を繋いでもらい、重い足取りを引きずりながら不承不承中へと入ります。
いざ中に入ってみるとこれが……
分厚いビニールに遮られ薄暗い内部……
ふわふわとおぼつかない足元……
興奮してトランス状態になってひたすら飛んだり跳ねたりしている子どもたち……
強烈なビニールの臭い……
恐怖しかありません。
極めつけはドームの最奥部の謎の穴……この手のドーム状遊具は、強力な送風機によって空気を送り込み続けることで膨らみ形を維持しているようなのですが、その空気を取り入れるための直径50センチ程度の穴が、かなり低いところに空いているじゃありませんか……
穴からはゴウゴウという空気を送り込む音が聞こえます。つまりもしこの穴に落ちてしまった場合、その向こうに待っているのは、巨大な扇風機……賢いあに少年は気付いてしまいました。穴に落ちてしまったその末路に……
そう思うとあにの目にはその小さな穴がどんどん巨大に広がり、まるで自分を吸い込んでしまうかのような想像が広がってゆきます……
その後のことはよく覚えていません。
号泣するあに少年。
それを慰めるよっちゃん。
号泣するあに少年につられてなぜか泣いているチビぽっちゃり。
今思い返してみると、お義父さん帰りは大変だっでしょうね。
そんなあにと競馬場の話でした。
そういえばこのときと花火大会の時しか競馬場に行ったことないので、競馬場で馬見たことないなって今気づきましたw
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