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「新規事業の実践論」をまとめてみた。

今回、学びがあった本は「新規事業の実践論」。新規事業開発に取り組む私にとっては非常に学びが多く、内容が濃かった。記録しておきたい内容や個人的感想、意見を交えながら整理していきましょう!


新規事業の実践論

参考書籍はこちら↓
新規事業の実践論  (NewsPicksパブリッシング)

>>>『一生食える普遍的スキル』、このワードはとてもワクワクする。

1.新規事業とは
2.WILLが大事
3.創業メンバー
4.新規事業の6つのステージ
5.新規事業を進めていく上での大事なポイント
6.まとめ


1.新規事業とは

新規事業とは、ビジネスという枠組みによる世の中(誰か)の課題解決を行うこと。「顧客・課題・ソリューション」のセットを成立させること。

新規事業開発における業務は、自分の頭で考えたことに、自分で顧客を見つけて、自分で商売にする業務であること。

「起業家」といっていいのではないでしょうか。会社組織の中での新規事業なので「社内起業家」と言った方が正しい。

「社内起業家」を目指す上で、個人的に「新規事業の実践論」を読んでいて好きなワードがこちら↓

・一生食える普遍的スキルが身に付く

・ほとんどの社内起業家は、「生れながらの起業家気質人材」ではなく、新規事業開発プロセスの中で「後天的に覚醒した」リーダー。特別な任用や育成、抜擢プロセスを経ていなくても、現場と対話する中で(社内起業家として)確かに後天的に覚醒する

・新規事業はWILLからはじまる

・顧客の所に300回行け

・ウィークリー(1週間単位)ではなく、デイリー(1日単位)でもなく、アワリー(1時間単位)で情報共有し、意思決定する

社内起業家という商売人である以上、当たり前だが、ビジネスを成立させなければならない。顧客が支払う金額が、商品やサービスの提供にかかる費用より大きくないといけない。

2.WILLが大事
新規事業は「WILL」からはじまる。
そもそも、なんでその商売を自分がやるのか。自分の気持ちの部分を語れるか語れないかが大事なポイントといえる。

なぜあなたがやるのか。この「なぜあなたがやるのか」を即答できるのか、熱量持って語れるか、未来に向かってビジョンを示せているのかが大事だと言える。

本書では「WILL」という言い方だが、WILLは、いわゆる「意志」と言われている。この意志の強さが事業を作っていく中でめちゃくちゃ大事。新規事業がうまく行っている時はいいけど、苦しい時の方が多いわけで、その時に、なんでこんなことやってるんだっけ?と、自問自答したくなる瞬間がある。結構ある。そんな苦しい時でも自分の意志、またはチームの意志を再確認できて、これからも走り抜けるかどうかが新規事業を動かしていく上で大事になってくる。

合わせて、誰の、どんな課題を、解決するのか。商売における基本的なコトも整理して進めて行きたい。

3.創業のメンバー
自分の意志も大事だけど、一緒に立ち上げるメンバーも大事で、たった1人でやり切れるものではなく、そこにチームが必要である。でも、いろんな職種の人材を集めることは難しいし、人がたくさんいればいいという話でもない。

創業チームのメンバーはどんな人を集めて、何人集めるのがいいのか。最初に考えておくことが下記になる。

創業メンバーを選ぶときに重要な観点は「人数」と「役割」の2つです。新規事業開発の創業メンバーは「WILLが同じで、役割の異なる少人数を選ぶ」のが王道です。

「人数」は3人が王道。なぜ4人以上だとよくないのか。創業チームの強さは3つの要素から構成されるとのこと。

■ 1.コミュニケーションスピード
1つの事実や情報をどれだけ速くチームメンバー全体で共有し、議論と思考を深めることができるか。そのスピードが高速でなければいけない。

新規事業開発という仕事は「既存事業では触れたことのない情報を、必要なだけ、決められた期限内に集め切る」という、情報戦の側面があるため、限られた時間の中で行うためにコミュニケーションスピードは極めて重要。

コミュニケーションスピードを阻害する最大の要素が「人間関係の複雑さ」である。2人だと、1つの会話で完結する人間関係が、3人になった途端に4倍の複雑さになり、4人チームは11倍に膨れ上がる。

人間関係の複雑さ


■ 2.チームレジリエンス
新規事業はきついし、否定され続けられるし、いつになったら儲かるんだ、絶対に失敗するよ、など、非難の毎日で、「やってられない」「やめようかな」と思うことが多々ある。

1人でやっていたら挫折しているので、この時にチームが必要になる。どうしたらうまく行くのか他人と議論ができるし、違う視点や意見がチームメンバーからもらえることがある。事業を見つめ直し、またもう一歩を踏み出すことができる。つまり、チームレジレンス(精神回復力)が高められる。

コミュケーションスピードを考えると創業メンバーは3人が最適だが、4人以上いるとレジリエンスが機能しやすい。

いかにWILLが同じの4人以上の仲間を集められるかが大事なポイントといえるだろう。

■ 3.マンパワー
要は、チームでさばくことができる業務が人数と比例するということ。やらなければならことは膨大にあり、やりたいことも膨大。人手不足である状態のため人数は欲しい。

マンパワー

出典:新規事業の実践論  (NewsPicksパブリッシング)

創業チームの強さ3つどれも大事だけど、何をを優先的に考えるか、本書では、コミュニケーションスピードを重要視している。私も同感で、情報共有のスピードが遅くなったり、解釈が異なって、納得するまで前に進めない人や、議論してからでないと進めるべきではないなど、いろいろな考え方や意見が出て、何も前に進まなくなる。

正解はないけど、スピードを重視するなら創業メンバーは多くても3人かなと思う次第である。

次に「役割」。本書での重要なポイント↓

「数ある役割のうち、その事業を立ち上げるにあたって、絶対に外部に委託することができない役割は何か」

すべての役割は、一概に「外か中か」を決めることはできません。ここで創業リーダーが「外部に委託し得ない」と設定したものこそが、その事業の競争優位性の源となっていきます。

「システム開発」を「外部に委託できる」と考えたチームがその後に作り出す事業は、きっとシステム面では大きくこれまでのものと変わらないけれど、他の「ビジネスモデルの先進性」や「デザイン・UX」が競争優位性となっていくでしょうし、逆に「システム開発は外部に委託してはいけない」と考えたチームが作る事業は、システム自体に大きな差別性や優位性を備えたものになっていくでしょう。


4.新規事業の6つのステージ

新規事業ステージ

出典:新規事業の実践論  (NewsPicksパブリッシング)

・ENTRY期〜MVP期に考慮するべき2つの要素
仮説を顧客に持っていき、修正するサイクルをひたすら繰り返す。300回繰り返す。「仮説を顧客の回転数」のみを追求すれば誰でも新規事業案は導ける。

朝作った仮説を、昼に顧客にぶつけて、夕方に仮説を修正し、夜にまた顧客にぶつける。そして、翌朝仮説を修正して、昼に顧客にぶつけて、夕方に仮説を修正し、夜にまた顧客にぶつける。この生活サイクルを繰り返さないといけない。

・SEED期でやること
①商売として成立させること。
MVP期では成立した仮説が、SEED期にひっくり返るという事態は十分に起きる。MVP期では顧客が支払ってくれるし課題も解決できると判断できても、SEED期では買ってもらえない、課題が解決されないという事態が起きる。SEED期では実際にやってみて、顧客から売上が立つのか、商売として成立するのかを検証していく。

②グロースドライバーを見つけること。
顧客数を拡大させるための方法が作れるかどうか。LTV>CACという計算が成り立つか。製品やサービス自体と同じそれ以上に、営業。マーケティング手法にもユニークさが求められる。

・ALPHA期
実際に大きく資金を投下して、顧客と売上・利益の拡大を実現するステージ。LTV>CACが成立し、営業・マーケティング、顧客拡大をしていくとCACは悪化していくので注意が必要。どこかでLTV=CACとなり、LTV<CACに転換するタイミングを営業・マーケティングの顧客獲得上限数という。悪化してきたら営業・マーケティングの手法を修正する必要がある。

・BETA期
成長率を落とさずに成長を続け、既存事業とは比較が可能な最小規模までに到達する。既存事業と遜色ないガバナンスを構築する。

・EXIT期
既存事業を凌駕する規模への投資戦略。社内での位置付け整理・方針の策定


5.新規事業を進めていく上で大事なポイント
リリース直後の新規事業は、コンセプトや世界観はよかったとしても、完成度が低く、購入後に思ったような価値が提供されず顧客単価が上がりきらなかったり、離脱を招いたりして、LTVが望む水準に届いていないことがほとんど。これらのLTVを大きく低下させる致命的なポイントに向き合うことで、サービスの完成度が高まれば、自然とLTVは向上していく。

LTV>CACの考え方
基本的には商品を最初に購入した後、継続して顧客が利用・購入をしてくれるビジネスモデルを想定していく必要がある。

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出典:新規事業の実践論  (NewsPicksパブリッシング)

・リリース直後に最初に向き合うべきこと
→Prime Customor Success(1番最初の顧客の成功)
ProductとPriceを修正しまくり、とにかく1番最初の顧客に対して、買って良かったという体験を作りあげること。それによって継続率やリピート率、購入頻度を高め、より高い販売価格でも買ってもらえる体験を作り出すことが決定的に重要です。

Primary Customor以外のすべての潜在顧客は必ず否定的な反応を示す。
新規事業は世論は驚くほどネガティブ、もしくは無反応である。

Primary Customorとは
定義1 身内や関係者でないこと
定義2 営業されてはじめてその商品を知った状態から購入にいたること
定義3 正規の価格を支払って買ってくれること
定義4 購入しただけでなく、購入後にたしかに使ってくれること
定義5 使った結果支払って良かったと満足してくれること

Primary Customorに出会うために
・PR
・メディア露出
・人づてで紹介を依頼する
・SNSで話しかけてみる
・展示会社イベントへ出展する

6.まとめ
新規事業を立ち上げる社内企業家は後天的に覚醒する。その通りなのかもしれないけど、向き不向きはありそうで、「コレできない、アレできない」「コレやりたくない、アレやりたくない」とか、「指示待ってます、言われたことをやります、受け身です」とか、「とにかく文句があります、不満があります」とか、「あいつのせいだ、俺は悪くない」とか、「あいつは間違っている、俺が正しい、それはイメージが湧かない、おかしい」とか、いろいろあるのですが、ゴチャゴチャなんか言ってる人は向いてないと思います。

基本なんでもやるタイプ、自らが仮説を立てて検証できるタイプ、複数のことを並行して動かせるタイプ、スピード感を持って仕事ができるタイプ、などなど、柔軟に、その時、最適だと考えたことを素早く動ける人で出ないと新規事業は厳しいかもしれない。

新規事業は面白そうだけど、生半可な気持ちでやるようなことではないことは肝に命じておいたほうが良い思う。既存事業も立派な仕事なので、自分の最適な場所、パフォーマンスを出せる場所はどこかをしっかりと見極めてから新規事業にチャレンジするのか、既存事業を成長させるのかを考えられると自分にとってハッピーになるんじゃないと思う。


参考書籍はこちら↓
新規事業の実践論  (NewsPicksパブリッシング)



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