見出し画像

#続・学習者起点 学習者の問いは、教師の幅広い人脈が呼び起こす

生徒が問いを生み出す、社会とのパイプ

学習者起点の学びにおける教師の役割は、2点である。

(1)生徒が悩む、授業デザイナー
(2)生徒が課題解決に向かう、ファシリテート

 上記(1)で、学習者が質のよい問いを生む授業デザインにするためには、教師は社会とのパイプを多く持つ必要がある。つまり、幅広い人脈形成が重要。これは、以下の授業での失敗経験から痛感した。

やはり「どうでもいいこと」だった

学習者の問いが生まれない。

 理科の単元の導入で、地域の名所にもなっている特徴的な海岸ができた謎を調べる学習課題を提示した。地域の観光名所でもあり、生徒は興味を持って調べはじめると安易に考えていた。
 しかし、、、、この海岸を知っている生徒は皆無であった。そして、生徒が調べようとする動機も喚起できなかった。問いは生まれない。地域の観光名所なんて、「どうでもいいこと」なのだ。

photoAC(https://www.photo-ac.com/)

なぜ、地域の名所を題材に

なぜ、私は地域の名所を題材に選んだのか。

 ここ数年、全国学力調査で、理科離れが課題とされている。授業での改善施策として、日常生活に関連付けや体験活動の重視が提案されている。
 地域の名所は、日常生活の中の教材として利用した。

学習者が問いを生む

 学習者起点の学びは、問いから始まり、活動を通して、新たな問いを生む。問いをめぐる旅である。

@NoguLabo

 地域の名所の教材で問いを生むには、導入の授業デザインを工夫すれば改善の余地はあるだろう。教師として、スキルを向上させる必要はある。
  しかし、学習指導要領の枠を超え、教師の知識や体験の枠を超えた問いを学習者が生み出す授業デザインにするために、専門的で経験豊富な方と学習者とが対話する場が必要ではないだろうか。
 地域に詳しい方々はたくさんいる。教師は、そういった方々とつながり、生徒へつなげる授業デザインが大切である。

豊かな人脈形成を活かす授業デザイン

 教師は、教科の学習課題を分析し、より専門性のある方々とつながり、生徒へつなげる授業デザインを進めるべきである。

余談:学習課題の分析

 質のよい問いとは、自分の幸せ、他人の幸せを実現するするために日本や世界の姿を問うことである。その姿を問う切り口は、政治、経済、社会、技術の各課題、いわゆるPEST分析フレームワークの要素で整理する。

特に、中学校教育では、政治的視点と経済的視点が不足している。

例えば、自然環境の保護問題。
 プラスチックの廃棄問題(社会的視点)で、リサイクルのための技法(技術的視点)を知ることで、なるべくプラスチックを使用しないようにし、技術進展をさせながらリサイクルを進めて、自然環境を保護していこう。というのが、学校教育でよくある事例である。

 リサイクルにどれだけお金がかかるのか(経済的視点)、法律でリサイクルとはどのようなルールになっているのか(政治的視点)からの問いはほぼ生まれない。
 
 単元計画で、PEST分析をしてみよう。


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?