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Webアクセシビリティまとめ【前編】

こんにちは。デザイナーのnoguchiです。
Webデザイナーとして長いことお仕事させていただいてますが、ふとアクセシビリティについて考えてみました。
というのも以前そういったサイトに関わっていた時はアクセシビリティについて勉強してたのに、今やすっかり抜け落ちてる部分が多かったので、備忘録も兼ねて自分の中で噛み砕いて記していきたいと思います。

Webアクセシビリティとは何?

まずはWebアクセシビリティとは一体なんでしょう?
高齢者や障がい者のためのものでしょうか?
実は、それらはWebアクセシビリティの一部に過ぎません。

アクセシビリティは、視覚、聴覚、身体、発話、認知、言語、学習、神経の障害を含む、広範な障害に関係している。このガイドラインは、広範囲に及ぶ事項を網羅しているが、障害のすべての種類、程度、組合せからくるニーズを満たすことはできない。また、このガイドラインは、加齢により能力が変化している高齢者にとってもウェブコンテンツをより使いやすくするものであるとともに、しばしば利用者全般のユーザビリティを向上させる。

引用:Web Content Accessibility Guidelines (WCAG) 2.0
https://waic.jp/docs/WCAG20/Overview.html

例えば、ハンディキャップのない人であっても、病気やケガをしていたり、眼鏡を無くしてしまい通常とは違う見え方だったり、騒がしい人混みの中や直射日光の下での利用をする場合や、ネットワーク速度が遅かったりする場合なども想定する必要があります。

つまり、Webアクセシビリティとは、「老若男女全ての人が、身体的条件・環境に関わらず、ホームページで提供される情報や機能を支障なく利用できる」ことです。

ユーザビリティとの違い


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ユーザビリティという似た意味をもつ言葉がありますが、ユーザビリティは、国際規格のISO 9241-11で「ある製品を、特定の利用者が、特定の目的を達成しようとするにあたって、特定の状況で、いかに効果的に、効率的に、満足できるように使えるかの度合い」とされています。

つまり、Webアクセシビリティはすべてのユーザーが情報やサービスへのアクセスを理想としているのに対し、ユーザビリティは情報やサービスにアクセスできている状態で、主に使いやすさやわかりやすさの満足度を問われます。

Webアクセシビリティの規格


現在、W3Cのアクセシビリティを推進している組織「WAI(Web Accessibility Initiative)」が出しているガイドラインは3つあります。

コンテンツ制作者向け:Web Content Accessibility Guidelines (WCAG) 2.0
コンテンツ等制作ツール(オーサリング・ツール)開発者向け:Authoring Tool Accessibility Guidelines(ATAG 2.0)
利用機器(ユーザエージェント)開発者向け:User Agent Accessibility Guidelines(UAAG)1.0

そして、規格は以下の2つがあります。

国際標準規格(ISO/IEC 405000)
日本工業規格(JIS X 8341-3:2016)

JIS X 8341-3:2016 では61の達成基準と3つのレベル(レベルA、レベルAA、レベルAAA)があり、2016年4月1日に障害者差別解消法が施行され、行政機関(省庁、地方自治体等)に対しては「法的義務」、事業者(一般企業等)に対しては「努力義務」とされています。

Webアクセシビリティの重要性


今やスマートフォンが急速に普及したことにより、Webの利用環境は多様化しています。
さらに、Webを利用する年齢層も、子供から大人、高齢者と幅広くなっていて、利用環境や使う人達の年齢に左右されない「利用しやすさ」が重要になってきます。

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https://www.soumu.go.jp/johotsusintokei/statistics/statistics05a.html
参考:総務省「通信利用動向調査」より

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https://www.soumu.go.jp/iicp/chousakenkyu/data/research/survey/telecom/2012/disabilities2012.pdf
参考:総務省情報通信政策研究所「障がいのある方々のインターネット等の利用に関する調査研究[結果概要]」(平成24年1月~3月実施)より


Webアクセシビリティ対策には何から始めれば良い?


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Webアクセシビリティについて、大きく二つに別れます。

■ヒューマンリーダビリティ

「人が身体的感覚で情報を読み取れること」を指します。

情報が知覚可能で、操作が可能、かつ理解できることが求められます。
具体的には、カラーコントラストやフォントサイズ、1行の文字数やラベリングなどユーザーが情報にアクセスした際、情報を読み取ることができる状態を指します。

■マシンリーダビリティ

「機械が情報を読み取れること」を指します。

そもそもWebサイトは、ブラウザといったハードウェアやソフトウェアを介すことで私たちはWebを見ることができます。
さらに、Webサイトは基本、HTMLというマークアップ言語で構成されています。
それにテキストやイメージ画像、写真、動画、PDFなどのさまざまな形式の情報が埋め込まれています。
つまり、マークアップを適切にすることで、機械が理解・認識できる形にすることで、より多くのユーザーに届けることができます。

まとめ

前編はWebアクセシビリティについての基本的なところをまとめました。
次回以降は制作に落とし込んだWebアクセシビリティについて見ていきたいと思います。


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