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「衛星をつくる」

地球の周りをずーっと回ってるという衛星。

ノブオはそれが大好きだ。
きっかけは天気予報。TVでよく見るあの映像は気象衛星ひまわりが、上空36,000kmのはるか天空から送信してるのだ。

なんてロマンがある!

将来は人工衛星技師になるんだ!
そう誓うノブオであった。

人工衛星ってのは地球の周りをものすごいスピードで回ってるから落ちてこないんだ。
例えば、ボールを真横に投げるとしよう。スピードが弱いとすぐ落ちてしまう。
しかし、そのスピードを上げるとどうなる?ボールは遠くへ、遠くへ飛ぶ。
でもいつかは落ちる。それは空気の抵抗があるからだ。
いつか、空気の抵抗のない宇宙でボールを投げてみたい、、、、、

中学を卒業する頃、意外にも早くノブオにチャンスがやってくる。
「宇宙旅行ご招待」に当たったのだ!
こんな懸賞に当たるなんて一生分の運を使い切ったかもしれない!けど、悔いはないぞ!

ボールに「ノブオ1号」と書いてポケットに忍ばせ、宇宙旅行当日を迎えた。

これを宇宙空間に放り投げたら!
僕の歴史的人工衛星第一号となるのだ!

少々お金はかかるが、こうして宇宙旅行ができる時代に生まれて幸せだなぁ。
しかも懸賞で当たるなんて!

宇宙旅行遊覧船はノブオを乗せて大空へ。

「うおー」
眼下に地球が見える!青いぞ!丸いぞ!
ひゃー、アメリカ大陸だ!

まてまて、はしゃぐな。ノブオは自分に言い聞かせた。これからが本番だ。
ノブオはポケットから「ノブオ1号」を取り出す。

ついに、人工衛星を生む時が来た。

いくぞ!「ノブオ1号」

ノブオは小さな窓に手をかけた。
手をかけた。手を、、、かけ、、、、、
られない!
窓があかない!

そりゃそーだよ


こうして、ノブオ1号の夢は終わりを告げた。




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