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日記【 砂漠のカエル 】

うちのギガンテウムの中に、カエルが車庫入れして微笑んでいた。かーわいい。
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昨日はカウンセリングだった。
この一週間は虚脱感、自棄、疲労が大きく、何もかもが灰色で、はっきりしなかった。

NO 希死念慮 NO LIFE。
自殺について考え続けて20年以上。ほとんどライフワークだ。
苦節5年あたりでやってみたけど失敗に終わり、辛い入院生活を過ごした。あの時死ねていたらどんなによかったか。
そんな昔話をしながら、なんだかやる気がわかず、カウンセリングはただ静かに涙ばっかり流れて、消えたい気持ちを話すよう促してくれるカウンセラーさんに毎回申し訳なく思う。

「これは、ゲームみたいなものなんだけど…」
と、カウンセラーさんが言う。
「難しいかもしれないけど、ご家族を動物に例えたら何になりますか?」

答えるのには、長い時間がかかった。うーん、うーん、なんだろ、と首を傾げながら、頭の中は動物園だった。

母はなまけもの。
父はビーバー。
姉は馬。
妹はとんび。

のがのさんは?

え、私も?
そこはさらにうーーーん、だった。

そこでふと頭に浮かんだのは、カエルだった。
砂漠に住むカエル。
彼らは、夜露を自分の目にためて、それをペロッと舐めて水分補給をする。自分の涙を自分で飲む。これは流行りのSDGsではないか。ないな。
しかし、カエルが砂漠に住めるか?思い違いかもしれない。でもそんなカエルがいることは確かだ。
南極のカエルの話もした。ヤドクガエルの事も。どんだけカエルに詳しいねん。ひくわ。

「他の家族は恒温動物なのに、のがのさんだけ違うんだね。それじゃぁ言葉も分からないでしょう。家族といるのは大変だね」

はっとした。

私は、家族といると過ごしにくい。私は理解されない。私がいない方がみんな幸せだ。
このゲームが始まる前に、そんな話もした。それが、カエルという結果に集約された。カウンセラーさんは、これを狙ってゲームを持ちかけたんだろうか。
そういえば、以前絵画療法で家族画を書いた時、どうしても自分の姿だけが描けなかった。私は家族じゃない。
なまけものとビーバーと馬ととんびに囲まれた小さなカエルだ。

私は家族から離れ
広大な砂漠にひとり立ち、
たまに誰かに出会い、暑いですねぇ、なんて一言二言を交わし、
じゃあ。と別れる。そこからは何年も、誰にも出会わない。
そのくらいが丁度いい。

じゃあ。

また。

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のがの




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