日記【 猫エイズ 】
風が見える。
生え揃った、まだ穂が出ない緑の稲の絨毯に
風が次々、サーッと足跡を残しながらこちらに向かってくる。
わー涼しい良い風。っておいそっちに曲がるなそっちに。
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今日はカウンセリングだった。
始終泣いていた。ご迷惑おかけ致しております。
なんか死ねそうな気がして、
長らく掃除なんかしていなかった部屋の掃除を始める。
ダンボール畳んで、燃えるゴミ、ペットボトル…
意外と、心が落ち着いてくる作業。なんて事は無かった。
ずっと、早くいなくなります、ごめんなさいごめんなさい
と心の中で謝りながら、がさがさと燃えるゴミの袋に詰め込んでいく。これ燃えんのか?知らん。
ここ数週間、苦しくて仕方がない。
鬱引きこもりアカウントらしくなってきたな。
で、階段の手すりで首を吊っている自分が何度も脳裏によぎる。遺書の文言がびゅんびゅん駆け巡る。noteに書くには暗すぎる。
毎日毎日がどん底すぎたので、noteに書くのを控えていた。
今日は、ちょっとは明るくやれると思う。
カウンセリング。
冒頭、
いかがですか?
と聞かれて
……………毎日苦しいです
と、苦笑いしながら答える。もう涙が出てくる。
深刻な時ほど笑ってしまうのは、私だけだろうか。
精神科の診察も笑ってしまう。泣きながら、笑ってしまう。
この情緒の不安定さよ。
泣きたくないのに泣いてしまって、恥ずかしいし、申し訳ない。
この苦しさの他に、気がかりがあって。
猫のことなんだけれど。
数ヶ月前から、うちに居ついている野良猫がいる。トップ画の男の子。
人懐こく甘え上手。こちらはもうメロメロで、猫の思うつぼだ。
野良ではあるが、耳カットがなされている。去勢が済んでいる証拠だ。なぜこんな所に?
その猫が、怪我をしてやってきた。大きな怪我だ。
すぐに病院に連れていき、治療を始めた。
通院が必要なため、急遽室内で一時保護することになった。
うちには先住猫がふたりいる。どちらも高齢だ。
保護した子はおよそ5歳。
仲良く出来ればいいけれど、猫エイズなどの検査がまだで
隔離生活を余儀なくされていた。怪我の治療が終了してからでないと検査ができない、ということだった。
早く自由にしてあげたい。
そして、保護してからかれこれ1ヶ月経った昨日、
ついに血液検査を受けた。
果たして、猫エイズだった。
とても残念だ。先生の話なんか入ってこない。
病気でなければ、うちで飼う選択肢もあった。
しかしエイズ。先住猫に移る危険性が高い。一緒に飼うのは不可能だった。
では、子猫でもない5歳の猫エイズの子を、誰か引き取ってくれるか?
里親募集をかけてみたけれど、正直あまり期待していない。
エイズキャリアの子も預かってくれるという猫カフェがあったので問い合せたが、猫カフェの猫っていうのは大抵不健康そうなので、やっぱ無しかな、とも思う。
では、どうしたらいいのか。
愛のある方に引き取ってもらいたいが、それが無理であれば
また野良の世界にリリースするしかない。
それで今まで通り、庭に遊びに来る野良ちゃんとして生きるのが一番幸せ、なんだろうか。
猫エイズは、発症しなければ元気だし、むしろ発症しないまま天寿をまっとうする子の方が多い。
先住猫がいなければ、飼っていたと思う。
血液、唾液感染なので、喧嘩や、食器・トイレの共用などしなければうつらない。ただうっかり、食器を放置してしまったりなんて、絶対にやってしまうのだ。喧嘩については、見てないところで「何だやんのか」ってなってるかもしれない。
どう気をつけていようと、「先住猫が感染してしまったかも…」という不安は尽きないと思う。
もしかしたら、エイズが発覚したから、保護猫団体さんが去勢後にリリースしてしまったのかもしれないな。
でもほんとにね、とってもいいこで、可愛いのよ。思うつぼなのよ。幸せに生きて欲しいのよ。
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私にネコバスは見えないけれど、
稲穂の上をたまに吹く強い突風。あれが、ネコバスの通り道なんだって。
うちの前、めっちゃ通るな。
ありがとうございました。
のがの
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