見出し画像

映画『余命10年』観終わった時の涙は感動ではなかった。

映画『余命10年』

Amazon primeで配信開始されていたので、
話題作せっかくだから観なければと思い、
12時を回ってから夜な夜な観ました。

まず、映画の感想から。
私は原作の小説はまだ読んだことがないのですが、
そもそも小説を映画化するって大変だよなといつも思っています。
何百ページの本を2時間で表現しなければならないって難しいですよね。
でも、この映画は何年もの年月を描いているにも関わらず早送り感やすっ飛ばした感がなく、
ストーリーとしてすごく満足感がある印象でした。

あとはやっぱり主演のお2人の演技が素晴らしかったです!!お互いを愛おしそうに見つめる表情、絶望して泣き崩れる姿、どれもすごく感情移入してしまいました。ところどころ出てくる主人公の2人視点の画もとても良かった。デート中の2人可愛かったです。


ここからはこの作品を見て私が思ったことです。

タイトルにもある通り主人公は余命10年。
私が今まで見てきた余命宣告系の映画は何ヶ月とか2.3年の命を描くものが多かったように思います。
劇中で主人公も話していましたが、10年って短いのか長いのか。
もちろん20代の女の子にとって余命10年は悔しくて悲しくてたまらないものだったと思いますが、友達とご飯に行ったり彼氏と花火をしたり、1コマを切り取ると普通の女の子と何も変わらないように見えるんです。
それでもやはりところどころで突きつけられる「死」。
昨年祖父を亡くした私には、坂口健太郎さん演じる恋人との描写より家族との描写が印象に残りました。
明るく振る舞おうとする家族。
でも家族が余命宣告されてることが辛くないわけもなく時々溢れてしまう本音。
そして姉は結婚、妊娠とどんどん未来に進んでいく。決して誰も悪くないのですが残酷でした。
胸が痛かったです。

大切な人が亡くなっても
仕事はしなきゃいけないし
自分には明日があって未来がある
でもその大切な人がいない未来をどう生きたらいいかわからないし
いつもどこかにいる気がしてしまう
その度に思い出して泣いてしまう

よく映画で「前を向いて強く生きていく」みたいな
メッセージ残して終わることよくあるけど
この作品はこれから生きていかなきゃいけない人の
心情をリアルに表しているんじゃないかなと思いました。

私は祖父が亡くなって1年近く経つ今でも
1人で泣いてしまうこといっぱいあるし
この先いつまで経っても
思い出したときに泣かずにはいられないと思う
私は身近な人が亡くなったのが初めてで
こんなふうに思ってるけど
きっと世の中みんなそうなんだ
みんな完璧に前を向いてなんて生きれなくて
大切な人を思い出しては泣いて
みんなの前では平気なフリして
頑張ってるんだ

でも私はラストシーンを見ながら、
私のこの先の人生、親兄弟友人、
大切な人が亡くなることはまた何度かあって
その度にこんな思いが積み重なっていくのか
それでも笑って生きていかなきゃいけないのか
って考えたら押しつぶされそうになって
涙が止まりませんでした。

生きるってしんどい。

めっちゃネガティブ書いちゃったけど
映画はオススメですよ!!
是非!!

この記事が参加している募集

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?